呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:40

ファイザーのXBB.1.5対応コロナワクチン承認/厚労省

 厚生労働省は9月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株対応ワクチンの一部変更について承認したことを発表した。今回の承認で、ファイザーのオミクロン株XBB.1.5系統のスパイクタンパク質をコードするmRNAを含む1価ワクチンが追加された。一変承認されたのは対象年齢別に、「コミナティRTU筋注」、「コミナティ筋注5~11歳用」、「コミナティ筋注6ヵ月~4歳用」の3タイプとなる。いずれも2023年7月7日に製造販売承認事項一部変更申請されていたもので、9月20日以降の秋開始接種に使用される。

ファイザーXBB.1.5対応ワクチン、EMAで生後6ヵ月以上に推奨

 米国・Pfizer社とドイツ・BioNTech社は8月30日付のプレスリリースにて、両社のオミクロン株XBB.1.5対応1価の新型コロナワクチン「COMIRNATY Omicron XBB.1.5」について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、5歳以上に対して、過去の新型コロナワクチンの接種歴の有無にかかわらず単回投与すること、および生後6ヵ月~4歳の小児に対して、過去の接種回数に応じて投与することを推奨したことを発表した。欧州委員会(EC)は本推奨を検討のうえ、承認について近く最終決定を下す予定。

がん患者の血栓症再発、エドキサバン12ヵ月投与が有効(ONCO DVT)/ESC2023

 京都大学の山下 侑吾氏らは、下腿限局型静脈血栓症(DVT)を有するがん患者に対してエドキサバンによる治療を行った場合、症候性の静脈血栓塞栓症(VTE)の再発またはVTE関連死の複合エンドポイントに関して、12ヵ月投与のほうが3ヵ月投与よりも優れていたことを明らかにした。本結果はオランダ・アムステルダムで8月25~28日に開催されたEuropean Society of Cardiology(ESC、欧州心臓学会)のHot Line Sessionで報告され、Circulation誌オンライン版2023年8月28日号に同時掲載された。

コロナ後遺症、1年後は約半数、急性期から持続は16%/CDC

 米国疾病予防管理センター(CDC)が実施したコロナ罹患後症状(コロナ後遺症、long COVID)に関する多施設共同研究において、COVID-19に罹患した人の約16%が、感染から12ヵ月後も何らかの症状が持続していると報告した。また、感染から一定期間を置いて何らかの症状が発症/再発した人を含めると、感染から12ヵ月時点での有病率は約半数にも上った。本結果はCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌2023年8月11日号に掲載された。

divarasib、既治療のKRAS G12C変異固形がんに有望/NEJM

 KRAS G12C変異陽性固形がんに対し、divarasibの単剤療法は持続的な臨床効果をもたらし、有害事象はほとんどがGrade2以下であった。カナダ・トロント大学のAdrian Sacher氏らが、12ヵ国35施設で実施された第I相試験「GO42144試験」の結果を報告した。divarasib(GDC-6036)は共有結合型KRAS G12C阻害薬で、in vitroにおいてソトラシブやadagrasibより高い効力と選択性を示すことが報告されていた。NEJM誌2023年8月24日号掲載の報告。

新型コロナウイルスに伴う肺炎で入院した患者を対象に、標準治療に免疫調整薬を併用した効果(解説:寺田教彦氏)

本研究は、2020年10月から2021年12月までに新型コロナウイルス肺炎で入院した患者に対して、標準治療に加えて、アバタセプト、cenicriviroc、あるいはインフリキシマブを追加した治療群とプラセボ群を比較した試験であり、和文要約は「コロナ肺炎からの回復、アバタセプトやインフリキシマブ追加で短縮せず/JAMA」にまとめられている。本研究は、マスタープロトコルを使用したランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験で、プライマリーエンドポイント(1次アウトカム)は新型コロナウイルス肺炎からの28日目までの回復期間(8段階の順序尺度を使用して評価)と設定されたが、標準治療にアバタセプト、cenicriviroc、あるいはインフリキシマブを追加してもプラセボ群に比較して短縮しなかった。

セファゾリンやダビガトラン、重大な副作用追加などで添付文書改訂/厚労省

 厚生労働省は8月29日、セファゾリンやダビガトランなど6つの医薬品の添付文書について、使用上の注意改訂指示を発出した。  セファゾリンNa水和物(商品名:セファメジンα筋注用0.25g ほか)とセファゾリンNa(同:セファゾリンNa点滴静注用1gバッグ「オーツカ」 ほか)において、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の国内症例(7例[死亡0例])を評価した結果、本剤とアレルギー反応に伴う急性冠症候群との因果関係の否定できない国内症例が集積したことから、副作用の項に『重大な副作用』を新設した。

ファイザーとモデルナ、高齢者により安全なワクチンはどっち?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチンの安全性と有効性は、モデルナ社製ワクチンでもファイザー社製ワクチンでも高いとされている。しかし、高齢者におけるワクチン接種後の有害事象の発生という点では、軍配はモデルナ社製ワクチンに上がるとする研究結果が報告された。米ブラウン大学公衆衛生大学院、老年学・ヘルスケア研究センターのDaniel Harris氏らが米国立老化研究所の資金提供を受けて実施した研究で、詳細は、「JAMA Network Open」に8月2日掲載された。  Harris氏は、「COVID-19にまつわる有害事象の発生リスクは、新型コロナウイルスに自然感染した場合の方が、mRNAワクチンを接種した場合よりもはるかに高い。しかし、世界人口の70%以上が何らかのCOVID-19ワクチンを接種した今となっては、ワクチンの供給についてさほど心配する必要はない」と説明する。そして、現時点で必要とされているのは、どのワクチンを接種するかを決める際の判断材料となる、ワクチンの安全性と有効性に関する詳細な情報だと強調する。

オミクロン感染した高齢者、再感染リスクが高い!?

 高齢者は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種率が高いにもかかわらず、SARS-CoV-2オミクロン株への感染および重症化のリスクが高く、とくに介護施設などで共同生活をしている高齢者はそのリスクが高いことが知られている。また、高齢者において、SARS-CoV-2オミクロン株感染後のハイブリッド免疫(ワクチン接種と感染をいずれも経験した人の免疫)の再感染に対する予防効果は明らかになっていない。そこで、カナダ・McMaster UniversityのJessica A. Breznik氏らの研究グループは、介護施設や老人ホームに入所しているワクチン接種済みの高齢者を対象に、SARS-CoV-2感染リスクに関連する因子を検討した。その結果、SARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する高齢者は再感染リスクが低下せず、むしろ高かったことが明らかになった。本研究結果は、eClinicalMedicine誌オンライン版2023年8月21日号で報告された。

過去10年間、日米間の抗がん剤ドラッグラグはどのくらいか

 抗がん剤の日米間のドラッグラグに関する既存の研究や統計では、ドラッグラグは減少したとするものもあるが、一方で日本では未承認の薬剤が多く残されている。北里大学の立花 慶史氏らは、未承認薬がドラッグラグに与える影響を定量化することを目的とした研究を行い、結果をInternational Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年8月10日号に報告した。  本研究では、2011~22年の間に米国で承認された抗がん剤136品目の情報が収集された。米国での承認日から日本での承認日までの日数として定義される承認ラグをすべての選択された薬剤について算出し、中央値をKaplan-Meier法で算出した。なお、日本で承認されていない医薬品の承認ラグについては、打ち切りデータとして扱った。承認ラグと関連する可能性のある因子を、Cox回帰分析を用いて検討した。