呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:48

今後もマスクをする人は約4割/アイスタット

 2023年5月8日より新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置付けが、2類から5類へ移行することで施策が大きく変わる。今後、一般市民は新型コロナウイルス感染症にどのように対応していくのか。マスクの着用は個人の自由になるが、はたしてどのように考えているのか。株式会社アイスタットは4月13日に「今後のマスク着用&コロナワクチン接種」に関するアンケートを行った。  アンケート調査は、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~59歳の有職者300人が対象。

米国のCOVID-19後遺症患者の多くが医療にアクセスできていない

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症患者の多くが、必要な医療を受けることができていない実情が米国から報告された。医療費の高さと、COVID-19後遺症を診ることのできる医師の予約を取れないことが主な理由だという。米アーバン・インスティテュート健康政策センターのMichael Karpman氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に4月10日掲載された。  COVID-19急性期以降に、さまざまな症状が遷延する「COVID-19後遺症(post-COVID-19 condition;PCC)」と呼ばれる状態になることが少なくない。Karpman氏は、「PCC患者の医療アクセスを改善するには、標準的な診断・治療法を確立した上で、患者に対して行った治療が必要なものであることを、保険会社に認められるようにしていかなければならない。現状の問題の一部は、標準的な診断・治療法が確立していないことに起因している。そのため、必要性の低い検査などが行われることがあり、保険会社が医療費の一部の支払いを拒否することがある」と、この問題の背景を解説している。

喘息診断で注目、タイプ2炎症バイオマーカーの手引き発刊/日本呼吸器学会

 タイプ2炎症は、主に2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)や2型自然リンパ球(ILC2)が産生するIL-4、IL-5、IL-13などの2型サイトカインが作用する炎症である。気道・肺疾患と密接な関係にあり、診断や治療に直結する。とくに、生物学的製剤の治療選択や効果予測に重要な役割を果たすことから、近年注目を集めている。そのような背景から、「タイプ2炎症バイオマーカーの手引き」が2023年4月3日に発刊された。第63回日本呼吸器学会学術講演会において、本書の編集委員長を務めた松永 和人氏(山口大学大学院医学系研究科呼吸器・感染症内科学講座 教授)が「タイプ2炎症バイオマーカーが切り拓く未来」と題し、主に「喘息の診断と管理効率の向上」「疾患修飾による喘息寛解の展望」について、解説した。

メンソールフレーバーの電子タバコ、肺にはより有害

 電子タバコでのメンソールフレーバーのリキッドの使用は、それ以外のリキッドを使用した場合よりも多くの微小粒子を肺に届け、肺機能にダメージを与える可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。米ピッツバーグ大学医学部呼吸器・アレルギー・クリティカル医学分野のKambez Benam氏らによる研究で、「Respiratory Research」に4月11日掲載された。  電子タバコの蒸気が、肺の炎症や酸化ストレス、DNA損傷、喘息を誘発する気道過敏性を引き起こす可能性があることは、多くの研究で示唆されている。大麻の精神活性成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む電子タバコ用リキッドにはビタミンEアセテートが添加されていることが多いが、Benam氏らは過去の研究で、ビタミンEアセテートの添加により、より多くの有害な微小粒子が肺の抹消気道、気管や気管支壁の内層にとどまる可能性のあることを報告している。

日本におけるオミクロン対応2価ワクチンの有効性~多施設共同研究/感染症学会・化学療法学会

 2021年7月より新型コロナワクチンの有効性を長期的に評価するために開始された多施設共同サーベイランス研究「VERSUS study [Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2]」の最新の結果について、4月28~30日に開催された第97回日本感染症学会総会・学術講演会/第71回日本化学療法学会学術集会合同学会にて、長崎大学の前田 遥氏が発表した。本結果により、国内の高齢者に対するオミクロン対応2価ワクチンの発症予防および入院予防の有効性が、国内の若年者および欧米のデータよりも高いことが示唆された。

コロナワクチン接種スケジュールを簡略化、初回接種に2価を承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は4月18日付のリリースにて、モデルナおよびファイザーの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)2価mRNAワクチンの緊急使用許可(EUA)を修正し、より簡略化した接種スケジュールを発表した。これにより、ワクチン未接種者や生後6ヵ月以上の小児に対し、オミクロン株BA.4/BA.5対応2価ワクチンの初回接種の使用許可などが決定された。また、今回の修正に伴い、モデルナおよびファイザーの従来型の1価ワクチンは、米国での使用許可が取り消された。

非小細胞肺がん免疫併用療法の多施設共同臨床試験に係る現状と重要な注意事項について/国立がん研究センター

 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)は、全国59施設で実施していた、未治療の進行・再発非小細胞肺がんに対する、化学療法+ペムブロリズマブ療法と化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ療法の有効性比較第III相試験(JCOG2007試験、特定臨床研究)において、化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ療法患者で、予期範囲を超える約7.4%(148例中11例)の治療関連死亡が認められたため、試験継続困難と判断して2023年3月30日に同試験を中止した、と発表した。

喘息の悪化、寒い時期だけでなく夏の高温でも増加か

 喘息症状の発現や増悪には冷気の吸入、大気汚染物質やアレルゲンの吸入などが関連していることが知られている。気温の高さが喘息による入院の増加に関連するという報告も存在し、日本では姫路市の住民を対象とした研究において、夏季に気温が高くなると夜間の喘息増悪による来院が増加したことが報告されている。しかし、研究間で結果は一貫していない。また、年齢や性別、時間(日時)、地理的な要因による違いや交絡因子の影響は明らかになっていない。そこで、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのGaryfallos Konstantinoudis氏らは、イングランド全土における2002~19年の夏季の喘息による入院を調査した。その結果、交絡因子を調整しても夏季の気温上昇が喘息による入院リスクを上昇させ、その影響は16~64歳の男性で大きく、時間の経過と共に小さくなる傾向にあることが示された。Thorax誌オンライン版2023年4月17日号の報告。

新型コロナ5類移行、今後の対応5点を発表/厚労省

 厚生労働省は4月27日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、5月8日より、感染症法上の位置づけを「新型インフルエンザ等感染症」から「5類感染症」に移行することを正式に決定したことを発表した。本決定は、国内におけるオミクロン株XBB.1.5系統やXBB.1.9系統の増加の動きはあるものの、重症度の上昇を示す知見は確認されていないことや、現時点での病床使用率や重症病床使用率は全国的に低い水準にあることが確認されたことに基づいている。5類移行により、これまでの法律に基づき行政が要請・関与する仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の自主的な取り組みを基本とする対応に転換する。

AIを使い、初診診断書でがん患者の生存を予測

 自然言語処理(NLP)は、人工知能(AI)の一分野であり、コンピュータによって人間の言語を理解、生成、操作することを可能にする技術全般を指す。NLPを使って初診の診断書を解析し、がん患者の予後を予測することが可能であることを示唆する研究が、JAMA Network Open誌2023年2月27日号に掲載された。  ブリティッシュ コロンビア大学(カナダ)のJohn-Jose Nunez氏らによる本研究では、2011年4月1日~2016年12月31日に、ブリティッシュ・コロンビア州にある6つのがんセンターのいずれかでがん治療を開始した患者のデータを使用した。死亡率データは2022年4月6日まで更新され、更新から2022年9月30日までのデータを分析した。診断から180日以内に作成された腫瘍内科医または放射線医の診察書を持つすべての患者を対象とし、診断書は診断日に最も近い文書を選択した。複数のがんで受診した患者は除外した。