外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:150

アロマターゼ阻害薬補助療法が閉経前乳がんでも有意に抑制/NEJM

 閉経前ホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対して、補助療法としてアロマターゼ阻害薬のエキセメスタン(商品名:アロマシン)+卵巣機能抑制のほうが、タモキシフェン(同:ノルバデックスほか)+卵巣機能抑制よりも5年再発を有意に抑制したことが明らかになった。南スイスがん研究所のOlivia Pagani氏ら国際乳がん研究グループ(IBCSG)が、2003年に開始した2件の第III相無作為化試験の結果から報告した。これまでに閉経後の同患者では、タモキシフェン補助療法よりもアロマターゼ阻害薬のほうがアウトカムを改善することが報告されていた。NEJM誌オンライン版2014年6月1日号掲載の報告より。

胃がんの生存率における家族歴とBMIの影響~日本人の前向き研究

 胃がんの長期予後に家族歴や栄養状態が影響する可能性があるが、エビデンスが十分でなく一貫していない。東北大学大学院地域保健学の南 優子氏らは、胃がんの予後因子を明らかにするため、単一の病院に入院した日本人の胃がん患者1,033例における前向き研究を実施した。その結果、60歳前に診断された若年の胃がん患者では、胃がんの家族歴、とくに親の家族歴が死亡率に影響を与える可能性が示された。一方、60歳以上の高齢胃がん患者では、栄養状態が予後因子である可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。

胆嚢摘出後の腹痛、オッディ括約筋切除も緩和せず/JAMA

 胆嚢摘出後に腹痛を伴う患者について、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による内圧測定後にオッディ括約筋を切除しても痛みは軽減しなかったことが、米国・サウスカロライナ医科大学のPeter B. Cotton氏らによる多施設共同シャム対照無作為化試験の結果、示された。胆摘後の腹痛は頻度が高く、米国では毎年70万人以上が胆摘を受け、そのうち10%超で術後の痛みが報告されている。痛みはオッディ括約筋の機能不全が原因である可能性があり、ERCP内圧測定とオッディ括約筋切除が行われる頻度が高い。しかし今回の結果を踏まえて著者は「これらの患者に対する、ERCP内圧測定とオッディ括約筋切除の関連の裏付けは得られなかった」とまとめている。JAMA誌2014年5月28日号掲載の報告より。

化学療法はがん患者の認知機能と脳活性を低下させるか

 がん化学療法後の認知機能障害は患者のQOLに悪影響を及ぼす。多くの横断的前向き試験が、神経心理学的ながん治療後の認知変化について述べている。しかしながら、決定的な知見はまだない。この試験は最新の神経学的イメージングシステムを用い、乳がん治療後の認知愁訴と脳活性度の変化の関連を検討している。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学Sabine Deprez氏らの前向き比較試験。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年5月27日号の掲載報告。

手術の有効性評価試験でプラセボ群は設定すべきか/BMJ

 英国・オックスフォード大学のKarolina Wartolowska氏らはシステマティックレビューによる検討の結果、外科手術手技の有効性をプラセボ対照の試験で検討することは、効果的であり、実施可能であることを報告した。プラセボに関連した有害事象リスクはわずかであり、解析に組み込んだ53試験の約半分で、検討した手技の継続的使用を指示するエビデンスが提供されていたという。著者は、「プラセボ設定試験デザインを改善しなくても問題はない」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年5月21日号掲載の報告より。

トラスツズマブ・アントラサイクリン併用は乳がん患者の心機能に影響を及ぼすか 

 HER2陽性乳がんにおけるトラスツズマブとアントラサイクリンレジメン併用の有効性は明らかになっている。一方、トラスツズマブ、アントラサイクリンは双方とも心毒性を有するが、その併用による心毒性を抑える方法については依然明らかになっていない。姫路赤十字病院乳腺外科の渡辺 直樹氏は、トラスツズマブとアントラサイクリン併用による心臓への忍容性について検討した。Breast Care (Basel)誌 2014年2月9日号の掲載報告。

ネオアジュバント実施HER2陽性乳がん患者の予後予測

 ネオアジュバント(術前補助化学療法)+トラスツズマブの治療を受けたHER2陽性初期乳がん患者の無病生存(DFS)、同時にDFS予測因子と病理学的反応の予測因子について調査した。対象は2001~2010年に本邦38機関での治療患者829例。京都大学医学部附属病院 乳腺外科 高田 正泰氏らによる多施設後ろ向き観察研究。Breast Cancer Research and Treatment誌2014年5月号(オンライン版2014年3月30日号)の掲載報告。