外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:153

がんのリスクとなる大腸ポリープの再発をアスピリンで4割抑制~無作為化比較試験

 国立がん研究センターと京都府立医科大学は13日、「厚生労働省第3次対がん総合戦略研究事業における研究プロジェクト」によって、低用量アスピリン腸溶錠の服用により大腸がんの前がん状態である大腸ポリープの再発リスクを約40%削減したという研究成果を示したことを発表した。大腸がんの化学予防へ向けた無作為化比較試験において、国内初の成果(アスピリンを用いた研究ではアジア初)であり、今後、大規模検証により罹患率の高い大腸がんの予防法としての確立が期待できる。

ブルーリボンキャラバン2014 in東京 ―もっと知ってほしい「大腸がん」のこと【ご案内】

 東京医科歯科大学大学院 腫瘍外科学とNPO法人キャンサーネットジャパンは、3月2日(日)に東京医科歯科大学M&Dタワー2階 鈴木章夫記念講堂にて、大腸がん啓発のための無料市民公開講座を開催する。一般市民だけではなく、専門以外の医師やメディカルスタッフにとって、大腸がんの診断・治療についての知識の整理・アップデートのよい機会になると思われる。ブースでは「中心静脈ポートに針を刺す」「超音波凝固切開装置で豚肉を切る」などの体験もできる。総合司会は、フリーアナウンサーの中井 美穂 氏。

超高齢者における大腸がん手術は有用か:国内での検討

 超高齢(85歳以上)の大腸がん患者における手術の短期および中期の成績は明確ではない。北里大学外科の中村 隆俊氏らは、超高齢者における腹腔鏡手術の実行可能性を評価するために、腹腔鏡手術と開腹手術における術後の短期および中期の成績を比較した。その結果、超高齢の大腸がん患者に対する手術の安全性と治療有用性が認められ、良好な短期および中期成績を得られた。また、腹腔鏡手術は開腹手術よりも術中出血量が少なく、術後在院期間が短かったことから、侵襲性が低く、超高齢の大腸がん患者に適していることが示唆された。Surgical laparoscopy, endoscopy & percutaneous techniques誌2014年2月号に掲載。

早期胃がんに対するデルタ吻合での完全腹腔鏡下幽門保存胃切除術の成績

 早期胃がんに対する小開腹創からの手縫い吻合による腹腔鏡補助下幽門保存胃切除術(LAPPG)については、実行可能性、安全性、術後のQOL向上がすでに確立されている。今回、がん研有明病院消化器外科の熊谷 厚志氏らは、体内デルタ吻合手技を用いた完全腹腔鏡下幽門保存胃切除術(TLPPG)を受けた胃中部の早期胃がん患者60例の短期手術成績を検討した。その結果、手縫い噴門幽門吻合によるLAPPGより手術時間が長い傾向はあったものの、体内デルタ吻合によるTLPPGは安全な術式であると報告した。Gastric Cancer誌オンライン版2014年1月31日号に掲載。

早期乳がんにおける「温存」vs「切除」、疾患特異的生存率を直接比較

 乳房温存療法と乳房切除術の生存率を直接比較する最近の研究はあまりない。米ミシガン大学のShailesh Agarwal氏らは、同年代の患者コホートを用いて、乳房温存療法、乳房切除術単独、もしくは放射線治療を伴う乳房切除術を受けた13万人超の早期浸潤性乳管がん患者の乳がん特異的生存率を比較した。その結果、乳房温存療法を受けた患者のほうが、乳房切除術単独もしくは放射線治療を伴う乳房切除術で治療された患者と比べて、乳がん特異的生存率が高いことが示された。JAMA surgery誌オンライン版2014年1月15日号に掲載。

日本人女性における大豆摂取と乳がんリスク:系統的レビュー

 日本人女性における大豆摂取と乳がんリスクの関連について、「がん予防法の開発と評価」研究班が疫学的研究をレビューし、その結果をJapanese journal of clinical oncology誌オンライン版2014年1月22日号に報告した。本論文は、健康に関連した生活スタイルとがんとの関連について、既存のエビデンスを評価したレポートの1つである。今回の結果から、著者の岐阜大学教授 永田千里氏らは「日本人女性においては大豆摂取が乳がんリスクをおそらく減少させるだろう」と結論した。

大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA

 原発性大腸がんで根治目的の手術後、定期的にがん胎児性抗原(CEA)検査やCT検査を実施しても、症状がある時のみ診察するという最少のフォローアップに比べ、死亡率は減少しないようだ。一方で、再発した大腸がんに対する根治目的手術の実施率は、定期的にCEA検査やCT検査を行った群で有意に高率だった。英国・サウサンプトン大学のJohn N. Primrose氏らが行った無作為化前向き比較試験の結果、明らかにした。JAMA誌2014年1月15日号掲載の報告より。

KRAS変異型大腸がんリスクに食品中のアクリルアミドが関連

 炭水化物を多く含む材料を加熱調理した食品に含まれるアクリルアミドは、ヒトでの発がん性があると推定されている。これまで、アクリルアミド摂取量と大腸がんリスクとの間に明確な関連性を示す疫学的研究はないが、その理由として大腸がんにおける分子生物学的不均一性が考慮されていなかった可能性がある。アクリルアミド代謝物であるグリシドアミドは、げっ歯類において特定のDNA変異を誘導することから、オランダ・マーストリヒト大学のJanneke GF Hogervorst氏らは、アクリルアミドが、大腸がんの発がんkey遺伝子であるKRASおよびAPCの変異による大腸がんリスクと関連しているかどうかを検討した。Carcinogenesis誌オンライン版2014年1月7日号に掲載。