外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:165

再発リスク高い閉経前乳がん、卵巣抑制で転帰改善/NEJM

 ホルモン受容体陽性の閉経前乳がん女性の治療では、タモキシフェン(TAM)による術後ホルモン療法が推奨されている。また、これらの患者では卵巣でのエストロゲン産生の抑制が再発を低減することが知られている。そこで、オーストラリア・メルボルン大学のPrudence A FrancisらInternational Breast Cancer Study Group(IBCSG)は、術後TAM療法への卵巣抑制療法の追加の有用性を検討し、再発リスクが高い患者で転帰の改善が得られる可能性があることを確認した。NEJM誌2014年12月11日号掲載の報告。

非制限的な輸血でも長期死亡を抑制せず/Lancet

 心血管疾患あるいはリスク因子を有する高齢の高リスク群において、非制限的輸血戦略は制限的輸血戦略と比べて死亡率に影響を及ぼさないことが、米国ロバート・ウッド・ジョンソン大学病院のJeffrey L Carson氏らによる無作為化試験FOCUSの3年生存と死因分析の結果、報告された。死因について群間で差はみられず、著者は、「今回の所見は、輸血は長期的な免疫抑制に結び付き、長期的な死亡率に重篤な影響を与えるという仮説を支持しないものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年12月9日号掲載の報告より。

乳がん術後化学療法後の骨髄新生物リスク

 早期乳がんに対する第1世代の術後補助化学療法による試験では、骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病の8年累積発症率は0.27%であった。しかし、フォローアップが十分になされていなかったため、その後の治療関連骨髄新生物のリスクを過小評価している可能性がある。今回、米国ジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キメル総合がんセンターのAntonio C. Wolff氏らが、全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)乳がんデータベースを用いた早期乳がんの大規模コホートで、骨髄新生物の発症頻度を調査した結果をJournal of clinical oncology誌オンライン版2014年12月22日号に報告した。

外科手術無作為化試験の2割が早期中断/BMJ

 英国・リーズ大学のStephen J Chapman氏らは、外科手術無作為化試験について早期に中断した試験、および未公表の試験がどれくらい存在するのかを調べた。その結果、早期中断率は21%であり、完了後に結果を公表した試験は66%であったことなどを明らかにした。著者は、外科手術試験は実行に困難が伴い資金もかかるが、今回の調査で資源の浪費の証拠が見つかったとして、リスクを覚悟で協力してくれる患者への倫理的観点からも、試験の効率や透明性を高めるために、研究ガバナンスのフレームワークを変えていく必要があると指摘している。BMJ誌オンライン版2014年12月9日号掲載の報告。

乳がん温存術後の寡分割全乳房照射施行が増加/JAMA

 乳房温存手術後の放射線照射について、分割照射回数を少なくし1回照射線量を大きくする寡分割全乳房照射(WBI)の施行が増えていることが、米国・ペンシルベニア大学のJustin E. Bekelman氏らによる調査の結果、明らかにされた。2008~2013年の14の民間ヘルスケアプランに加入する女性患者の動向を調べた結果、診療ガイドラインに適合しタスクフォースが同照射を支持する患者群では10.6%から34.5%に施行が増え、適合基準に達していなかったが同照射を認可された患者群でも8.1%から21.2%に増えていた。またコストも従来照射法に比べて有意に低く抑えられていたという。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。

企業スポンサー試験は結果が思わしくないと論文を作らない?(解説:折笠 秀樹 氏)-293

 外科療法に関するランダム化比較試験(RCT)395件を題材にして、臨床試験が予定よりも早期に中止されたのはどういった試験かを調査した。また、臨床試験は完了したものの論文を作らなかったのはどういった試験かも調査した。そして、早期中止に至ったのはどういった試験かも調査した。

がん生存率の動向~日本含む67ヵ国2,570万例のデータ/Lancet

 CONCORDワーキンググルーブでは、1995~2009年における67ヵ国のがん登録データを調査し、がん種別、国・地域別、期間別に5年生存率を推定した結果を報告した。生存率の大きな違いは、早期診断と最適な治療へのアクセスの差による可能性が高い。著者らは、「継続的な世界的サーベイランスは、がん患者と研究者において不可欠な情報源となり、また保健政策と医療システム改善のための政治家への刺激となるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月26日号に掲載。

肺葉切除の長期転帰、胸腔鏡下は開胸と同等/BMJ

 肺がん患者の肺葉切除術について、胸腔鏡下手術vs. 開胸手術の長期生存を検討した結果、全生存、がん特異的生存および無増悪生存のいずれも同等であったことが報告された。米国・ウェイル・コーネル・メディカル大学のSubroto Paul氏らが、肺葉切除術を受けた6,008例について傾向スコア適合分析を行い明らかにした。胸腔鏡下肺葉切除術は開胸肺葉切除術よりも、術後合併症が少ないことは知られている。しかし長期アウトカムへの影響については不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「胸腔鏡下手術は、肺葉切除後のアウトカムを損なうことがないようだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年10月2日号掲載の報告。