外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:163

マンモグラフィ検診の過剰診断率情報が、受診動向に影響/BMJ

 乳がんのマンモグラフィ検診の過剰診断について知る一般女性は少なく、高い過剰診断率に関する情報は検診の受診動向に影響を及ぼす可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のJolyn Hersch氏らの検討で示された。マンモグラフィ検診では、生存中には臨床的に発現しない病変を検出する過剰診断のリスクがあるが、このリスクの程度には大きな幅がある。乳がんの過剰診断の社会的認知度は低く、一般の女性が過剰診断にどう対応するか、検診の選択の際にこれらの情報をどう活用するかに関するエビデンスはほとんどないという。BMJ誌2013年1月26号(オンライン版2013年1月23日号)掲載の報告。

乳がん、大腸がん検診、予防効果を得るまで約10年を要する/BMJ

 マンモグラフィによる乳がん検診や、便潜血検査による大腸がん検診では、受診者1,000人当たり1例の死亡を予防するのに約10年を要することが、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSei J Lee氏らの検討で示された。欧米のガイドラインでは、がん検診はより健康的でより高齢の集団を対象とするよう推奨されているが、検診による害に対しベネフィットを得るには時間を要する。乳がんや大腸がんの検診が生存ベネフィットをもたらすのに要する時間差はこれまで明らかでなかった。BMJ誌2013年1月13日号(オンライン版1月8日号)掲載の報告。

ネクサバール、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者の無増悪生存期間の延長を達成

 ドイツのバイエル ヘルスケア社と米国オニキス・ファーマシューティカル社は3日、放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行性または転移性分化型甲状腺がん患者を対象としたネクサバール錠(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)の第III相臨床試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の統計学的有意な延長が認められたことを発表した。バイエル薬品が10日に報告した。

家族性のがんリスクに関する検討/BMJ

 がんの家族性リスクが早期発症例に限定されるかどうかを判断するため、ドイツがん研究センターのE Kharazmi氏らは、全国規模のSwedish Family-Cancer Databaseを用いて前向きコホート研究を実施した。その結果、「子」のがんリスクが最も高くなるのは「親」が若い年齢で同一がんが診断された場合だが、「親」が高齢で診断された場合においてもリスクが増加することが認められた。著者は、「家族性のがんは、高齢でがんに罹患した家族を持つ人々における早期発症をいうのではなく、早期発症と遅発性発症という別個の構成要素があるのかもしれない」と考察している。BMJ誌2012年12月20日号に掲載。

乳がんのリスクにおけるアルコールと葉酸の影響は?~日本人での研究

 葉酸は、アルコールとの相互作用により、多くのがんのリスクに影響を及ぼすことが示唆されているが、これらの因子がアジア人の乳がんリスクに及ぼす影響については十分に検討されていない。今回、閉経前および閉経後の日本人女性の乳がん患者1,754例とコントロール3,508例におけるケースコントロール研究の結果が、European journal of cancer prevention誌オンライン版2012年11月20日号に報告された。

日本人女性におけるマンモグラフィー検診は生存率向上に効果があるのか?

 マンモグラフィー検診の有効性については、主に欧米諸国の研究によって実証されている。東北大学の河合賢朗氏らは、検診でスクリーニングされた中間期乳がんの40~69歳の日本人女性における累積生存率と乳がんによる死亡リスクについて、乳房視触診とともにマンモグラフィー検診を実施した群、乳房視触診単独群、自己検診群の3群に分け評価した。その結果、40~69歳の日本人女性においては、生存率と乳がんによる死亡リスクの観点からは、乳房視触診とマンモグラフィー検診を実施するほうがマンモグラフィー単独や自己検診より効果的である可能性が報告された。Breast Cancer誌オンライン版2012年12月14日号に掲載。

中間期乳がん患者の予後、マンモスクリーニング未実施乳がん患者と同程度/BMJ

 中間期乳がん患者の予後は、マンモグラフィスクリーニング未実施の乳がん患者と同程度であることが明らかにされた。米国・ハーバード公衆衛生大学院のMette Kalager氏らが、住民ベースの観察コホート研究の結果、報告した。先行研究では、無作為化試験または観察研究いずれにおいても、とりわけサンプルサイズが100例以下と小さく結果は限定的であった。本検討では、7,100余名の被験者を対象とし評価が行われた。BMJ誌2012年12月1日号(オンライン版2012年11月16日号)掲載より。

マンモ検診は、過剰診断を増やしただけ?/NEJM

 米国では1980年代からマンモグラフィによるスクリーニングが始まっており、その後の実施率増加とともに早期乳がん罹患率は大幅に増加したが、一方で進行期乳がん罹患率の減少は、ごくわずかであったことが報告された。また、マンモグラフィにより検出された早期乳がんの中には、その後臨床的症状を発症することがなかった、いわゆる過剰診断も多く、その数は過去30年間で130万人に上ると推定されたという。米国・Oregon Health and Science UniversityのArchie Bleyer氏らの調べで明らかになったもので、NEJM誌11月22日号で発表した。