外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:164

進行性乳がん患者に対するTDM-1、無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長/NEJM

 トラスツズマブエムタンシン(TDM-1)は、HER2陽性進行性乳がん患者[トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)とタキサン系薬剤による治療歴のある]に対して、ラパチニブ+カペシタビン療法と比較して無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長することが示された。毒性も低かった。TDM-1は、抗体医薬品トラスツズマブと化学療法薬のDM1が安定したリンカーにより結合した抗体薬物複合体である。カナダ・Sunnybrook Odette Cancer CentreのSunil Verma氏らEMILIA試験グループによるTDM-1の有効性と安全性を検討した第3相無作為化試験の結果は、NEJM誌2012年11月8日号(オンライン版2012年10月1日号)で発表された。

シスプラチンベースレジメンにおける静脈血栓塞栓症のリスクを検討

シスプラチンと血栓塞栓症リスク増加の関連を示唆する報告がいくつかあるが、シスプラチンベースの化学療法による静脈血栓塞栓症(VTEs)のリスクについての研究は十分ではない。米国のSonia Seng氏らは、無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスを行い、シスプラチンベースの化学療法が非シスプラチンベースの化学療法と比べて、進行固形がん患者の有意なVTEsリスクの増加と関連していることを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年11月13日号に掲載。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(32)〕 心臓手術における抗線溶薬アプロチニンは安全性に懸念が残る:メタ解析

 心臓手術では人工心肺離脱後の止血が重要である。止血剤としては従来からトラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)やイプシロンアミノカプロン酸が使用されている。アプロチニンも以前は頻用されていたが、安全性の理由から2008年以降、市場供給が停止されていた。しかし最近、ヨーロッパとカナダで再上市されている。

BRCA1/2突然変異キャリアの30歳以前の放射線検査は乳がんリスクを倍増

 BRCA1/2突然変異を有する女性の30歳前の放射線検査は、乳がんリスクを増大することが示された。オランダ・がん研究所のAnouk Pijpe氏らが、1,993例を対象とした後ろ向きコホート研究「GENE-RAD-RISK」の結果、報告した。リスクの増大は照射線量依存的で、その他の放射線曝露コホートで増大が認められた人よりも少ない照射線量でリスクの増大がみられたという。BMJ誌2012年10月13日号(オンライン版2012年9月6日号)掲載報告より。

心臓手術における抗線溶薬アプロチニンは安全性に懸念が残る:メタ解析/BMJ

 心臓手術における抗線溶薬アプロチニンの使用について、カナダ・オタワ病院のBrian Hutton氏らはメタ解析の結果、断定的なことは言えないとしながらも、観察データを含めれば安全性に関して懸念が残ることが示唆されたと述べ、トラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)やイプシロンアミノカプロン酸がより安全で効果的な選択肢であると結論づけた。アプロチニンは安全性の理由から2008年以降、市場供給が停止されていたが、最近、ヨーロッパとカナダで再上市されたという。BMJ誌2012年9月11日号より。

外傷性出血患者へのトラネキサム酸投与、重症度を問わず死亡リスクを減少

 外傷性出血患者の死亡および血栓イベントに関するトラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)投与の効果について検討した、国際多施設共同無作為化試験「CRASH-2」データ解析の結果、トラネキサム酸投与は重症度を問わず幅広い患者に、安全に投与可能であることが明らかにされた。英国・London School of Hygiene and Tropical MedicineのIan Roberts氏らによる報告で、BMJ誌2012年10月6日号(オンライン版2012年9月11日号)で発表した。

小児心臓手術後の血糖コントロール、厳格群vs.標準群のアウトカム

 小児心臓手術後の血糖コントロールについて厳格群と標準群とを比較した結果、厳格群のほうが低血糖の発生率は低くコントロール達成可能だった。しかし感染率、死亡率、心臓ICU入室期間、臓器不全については、有意な変化はみられないことが報告された。米国・ボストン小児病院のMichael S.D. Agus氏らが行った前向き無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年9月27日号(オンライン版2012年9月7日号)で発表した。これまでいくつかの成人を対象とした試験では、心臓手術後の厳格血糖コントロールがアウトカムを改善することが示されていたが、小児に関しては非常に重篤な高インスリン性の低血糖症のリスクがあり、ベネフィットは明らかではなかった。

乳がん患者と医療スタッフとのコミュニケーションを円滑にするための冊子

 特定非営利法人キャンサーネットジャパン、日本イーライリリー株式会社、株式会社毎日放送、アメリカンホーム保険会社は4日、乳がんに関する基礎知識や、患者が病気を理解するために医師に質問すべきことなどをまとめた冊子『もっと知ってほしい乳がんのこと』を作成したことを発表した。冊子を活用してもらうことで、乳がん患者が納得のいく治療を受けられるようになることを目的としている。

非心臓手術後の院内死亡率は予想以上に高い:EuSOS試験

 欧州で非心臓手術を受けた患者の院内死亡率は4%と予想以上に高く、各国間に大きなばらつきがみられることが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリーのRupert M Pearse氏らが行ったEuSOS試験(http://eusos.esicm.org/)で示された。毎年、世界で2億3,000万件以上の大手術が行われ、術後の最大の死因は合併症であり、これまでに国レベルで実施された数少ない調査では術後の死亡率は1.3~2.0%と報告されている。術後の転帰には施設間や医療システム間に異質性が存在するとのエビデンスが示されており、これは患者ケアに改善の余地があることを示唆するという(たとえば、合併症リスクが高い患者の集中治療室への入院の普及)。Lancet誌2012年9月22日号掲載の報告。