手術後に滞在する病室の特徴により患者の転帰が変わる可能性のあることが新たな研究で明らかになった。個室、ナースステーションに最も近い部屋、医師らが病室を直接見通せる部屋、窓のある部屋などが手術後の患者の転帰に影響を及ぼすことが示されたという。米ミシガン大学外科学、および建築・都市計画分野のAndrew Ibrahim氏らによるこの研究結果は、米国外科学会(ACS)臨床会議(Clinical Congress 2022、10月16〜20日、米サンディエゴ)で発表された。
Ibrahim氏らは、同大学病院の設計図をレビューし、窓の有無や個室か二人部屋かなどの設計上の特徴に基づいてそれぞれの病室をコード化した。その上で、同大学病院で2016年から2019年の間に結腸切除術や膵切除術、腎臓移植など13種類のリスクの高い手術を受けた患者3,964人の臨床転帰(死亡、入院期間など)と病室の設計上の特徴との関係を検討した。