外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:67

進行胃・食道がん1次治療、ニボルマブ+化学療法でOS延長/Lancet

 未治療の進行胃がん・胃食道接合部がんまたは食道腺がんの1次治療について、ニボルマブ+化学療法の併用療法は化学療法単独に対して、全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、許容可能な安全性プロファイルが示された。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのYelena Y. Janjigian氏らが、第III相国際多施設共同無作為化非盲検試験「CheckMate 649試験」の結果を報告した。進行または転移のあるHER2陰性の胃がんまたは胃食道接合部腺がんにおける、1次化学療法のOS期間中央値は1年未満である。CheckMate 649試験は、胃がん・胃食道接合部がん/食道腺がんの1次治療としての、抗PD-1阻害薬ベースの化学療法の評価を目的に行われた。本論はニボルマブ+化学療法vs.化学療法単独の有効性および安全性に関して初となる報告で、結果を踏まえて著者は、「ニボルマブ+化学療法は、これらの患者における1次治療の新たな標準治療である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2021年6月4日号掲載の報告。

早期乳がん、遺伝子診断を加えたリスク評価で術後内分泌療法も省略可能に?(MINDACT)/ASCO2021

 MammaPrintによるゲノムリスクが超低リスクの患者では、8年時の無遠隔転移生存率(DMFI)が97.0%と非常に高いことが明らかになった。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で、オランダ・Netherlands Cancer InstituteのJosephine Lopes Cardozo氏が、第III相MINDACT試験から、超低リスク患者の長期生存についての解析結果を報告した。  本試験は、術後補助化学療法の対象の選択において、標準的な臨床病理学的判定基準に、70遺伝子シグニチャー検査を追加することの臨床的な有用性を前向きに評価する第III相無作為化試験。これまでに、臨床リスクが高いがゲノムリスクが低い患者において、化学療法が省略できる可能性があることを示唆する結果が報告されている。

進行TN乳がんIMサブタイプの1次治療にfamitinib+camrelizumab+nab-パクリタキセルが有望(FUTURE-C-PLUS)/ASCO2021

 immunomodulatory(IM)サブタイプの進行トリプル(TN)乳がんの1次治療として、中国で複数のがんに承認されている抗PD-1抗体camrelizumabとnab-パクリタキセルの併用に、VEGFR-2、PDGFR、c-kitを標的とした経口チロシンキナーゼ阻害薬famitinibを追加することにより、有望な抗腫瘍活性および管理可能な毒性プロファイルを示したことが、前向き単群第II相試験のFUTURE-C-PLUS試験で示された。中国・Fudan University Shanghai Cancer CenterのZhi-Ming Shao氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表した。

術前化療後に残存病変を有するTN乳がん、術後カペシタビンvs.プラチナ(ECOG-ACRIN EA1131)/ASCO2021

 術前療法施行後にも残存腫瘍を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対する、術後の追加療法としてのプラチナ製剤とカペシタビンとの比較試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・ECOG-ACRINグループのIngrid A. Mayer氏から発表された。  術前療法後に残存腫瘍を有するTNBC患者に対するカペシタビン追加投与の有用性は、すでに日韓共同のCREATE-X試験によって示唆されている。本試験は対象患者層が異なるプラチナ製剤とカペシタビンとの第III相の無作為化比較試験である。

BRCA変異陽性HER2-早期乳がんへの術前talazoparib、単剤でpCR45.8%(NEOTALA)/ASCO2021

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異を有するHER2陰性早期乳がんに対する術前のtalazoparib単剤投与が、良好なpCR率を示した。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJennifer Keating Litton氏が、第II相NEOTALA試験の早期解析結果を発表した。  本試験は、非無作為化、単群の多施設共同非盲検試験。gBRCA変異を有するHER2陰性早期乳がんに対する術前補助療法としてのtalazoparibの有効性と安全性の評価を目的に実施された。

HR+/HER2+進行乳がん1次治療、トラスツズマブ+内分泌療法vs.化学療法(SYSUCC-002)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陽性(HR+/HER2+)進行乳がんの1次治療において、トラスツズマブ+内分泌療法がトラスツズマブ+化学療法に対し非劣性で毒性も少ないことが、第III相SYSUCC-002試験で示された。中国・Sun Yat-sen University Cancer CenterのZhongyu Yuan氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表した。  HER2+進行乳がんの1次治療において、抗HER2治療+化学療法は生存ベネフィットが示されている。一方、HR+進行乳がんには、安全性の面で化学療法より内分泌療法が推奨されている。しかしながら、HR+/HER2+進行乳がんの1次治療として、抗HER療法に内分泌療法と化学療法のどちらを併用したほうがよいのか示されていない。そこで、Yuan氏らは、中国の9病院で2013年9月16日~2019年12月28日に登録された、HR+/HER2+進行乳がん患者を対照に非盲検非劣性第III相無作為化比較試験を実施した。

HR-/HER2+乳がん術前治療、トラスツズマブ+ペルツズマブ±PTXの予後(ADAPT)/ASCO2021

 ホルモン受容体陰性HER2陽性(HR-/HER2+)の乳がん患者に対する、トラスツズマブ+ペルツズマブ±パクリタキセルによる術前療法の予後に関する有望な結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、ドイツ・West German Study Group(WSG)のNadia Harbeck氏から報告された。  このADAPT試験はWSGにより実施されたオープンラベルの第II相無作為化比較試験である。この試験のpCR率の結果は2017年に公表されており、今回はその生存に関する報告である。また、本試験と同じデザインでのHR-/HER2+集団に対するpCR率の良好な結果は2020年ESMOで公表されている。

HR+/HER2-乳がんに対するパルボシクリブ+フルベストラントの長期予後追跡結果(PALOMA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がんに対する国際共同大規模臨床試験PALOMA-3(パルボシクリブ+フルベストラント併用療法)の長期追跡結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern UniversityのMassimo Cristofanilli氏から発表された。  本試験は二重盲検の第III相無作為化比較試験であり、2018年にその試験プロトコールに則った結果発表がなされており、今回はその後の長期予後追跡結果の報告である。

BRCA変異陽性HER2-早期乳がんへの術後オラパリブ、iDFS改善(OlympiA)/ASCO2021

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異のあるHER2陰性早期乳がんに対する、術後のオラパリブ投与が、無浸潤疾患生存期間(iDFS)および遠隔無再発生存期間(DDFS)を有意に改善した。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で、英国・The Institute of Cancer Research and King's College LondonのAndrew Tutt氏が、日本を含む23ヵ国420施設参加の第III相国際多施設共同無作為化プラセボ対照試験(OlympiA試験)の中間解析結果を発表した。なお、この結果はNEJM誌オンライン版2021年6月3日号に同時掲載された。

HR+/HER2-進行乳がんへのribociclib+フルベストラント、OSの最新データ(MONALEESA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性の閉経後進行乳がんに対するribociclib+フルベストラント併用療法の全生存期間(OS)におけるベネフィットが、観察期間中央値56.3ヵ月時点でも維持されたことが、第III相MONALEESA-3試験の最新の解析で示された。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・David Geffen School of Medicine at UCLAのDennis J. Slamon氏が発表した。OSベネフィットは1次治療、2次治療の両方で認められ、さらに化学療法開始までの期間が大幅に延長することも示された。