閉経後乳がん術後療法、タモキシフェン後のレトロゾール延長の効果は?(GIM4)/ESMO2021

提供元:ケアネット

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公開日:2021/09/24

 

 閉経後のホルモン受容体(HR)陽性乳がんの術後補助療法において、タモキシフェン2〜3年間投与後のレトロゾールの投与期間について、標準の2〜3年間に比べて5年間のほうが無浸潤疾患生存期間(DFS)と全生存期間(OS)を有意に改善したことが、イタリア・Gruppo Italiano Mammella(GIM)によるGIM4試験で示された。IRCCS Ospedale Policlinico San MartinoのLucia Del Mastro氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。なお、この結果はLancet Oncology誌オンライン版2021年9月17日号に同時掲載された。

 本試験は、イタリアの64施設で実施された多施設非盲検無作為化第III相試験で、2005~10年に2,056例が登録され、対照群と延長群に1:1に割り付けられた。

・対象:タモキシフェンを2~3年間投与され、再発していないStage I〜IIIの乳がん患者
・試験群(延長群): レトロゾール5年投与(内分泌療法7~8年まで)1,026例
・対照群:レトロゾール2~3年投与(内分泌療法5年まで)1,030例
・評価項目:
[主要評価項目]DFS
[副次評価項目]OS、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値11.7年(四分位範囲:9.5~13.1)において、DFSイベントは、対照群で262例(25%)、延長群で212例(21%)に発生した。
・12年推定DFS率は、対照群が62%(95%CI:57.5~66.5)、延長群が67%(95%CI:62.2~71.2)だった(ハザード比[HR]:0.78、95%CI:0.65~0.93、p=0.006)。
・サブグループ解析では、全体として延長群が有意に(p=0.014)良好だったが、リンパ節転移の有無で有意差がみられた。
・死亡は、対照群で147例、延長群で116例だった。
・12年推定OS率は、対照群が84%(95%CI:81.8~86.9)、延長群で88%(95CI:85.7~90.5)だった(HR:0.77、95%CI:0.60~0.98、p=0.036)。
・主な有害事象は関節痛(対照群29%、延長群35%)筋肉痛(対照群7%、延長群11%)だった。骨折(p=0.28)、高コレステロール血症(p=0.17)、心血管イベント(p=0.069)について、両群で有意な差はみられなかった。

 Mastro氏は「タモキシフェン2~3年間投与後レトロゾール5年間投与は、閉経後HR陽性乳がん患者における標準内分泌治療の1つとして考慮されるべき」と結論した。

(ケアネット 金沢 浩子)

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