救急科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:101

脳卒中対応救急車の導入による効果/JAMA

 CT機器や遠隔医療接続装置などを備えた脳卒中対応救急車、通信指令係の段階でのスクリーニングなどの専門的システムの構築により、急性虚血性脳卒中に対する通報から血栓溶解療法開始までの所要時間は、有害イベントの増大なく15~25分短縮したことが報告された。ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のMartin Ebinger氏らが、6,000例超について行った試験で明らかにした。JAMA誌2014年4月23・30日号掲載の報告より。

急性虚血性脳卒中へのt-PA開始、全国的取り組みで有意に改善/JAMA

 急性虚血性脳卒中への組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)投与の適時開始を推進するため、米国では2010年1月から全国的な質的改善の取り組み「Get With The Guidelines-Stroke」が始められた。その成果についてカリフォルニア大学のGregg C. Fonarow氏らが調べた結果、60分未満で開始するというdoor-to-needle time(DTN時間)内での実施率は、取り組み開始直前四半期の29.6%から開始後最終四半期には53.3%まで増え、それに伴い院内死亡、頭蓋内出血の発生は低下し自宅に退院する患者の割合は増加していたことが明らかになった。JAMA誌2014年4月23・30日号掲載の報告より。

破裂性腹部大動脈瘤による死亡率の低い病院の共通因子/Lancet

 英国・ロンドン大学のAlan Karthikesalingam氏らが、破裂性腹部大動脈瘤(rAAA)からのアウトカムについて米国と英国を比較した結果、米国よりも英国のほうが院内生存率、介入率、血管内修復術実施率が低いことが明らかになった。また、両国とも死亡率が最も低かったのは、病床規模が大きな教育病院で、血管内修復術の施行率が高い病院だった。著者は「これらの共通要因は、rAAAの患者アウトカムの改善戦略を示唆するものである」と述べている。Lancet誌2014年3月15日号掲載の報告より。

救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は

 最近の専門ガイドラインでは、救急部門(ED)に搬送されてきた激しい興奮を呈する患者へのファーストライン治療として、第二世代抗精神病薬(SGA)の経口投与が推奨されているが、現実的にはほとんど投与は行われておらず、処方の増加もみられないことが判明した。また投与されている場合は通常は経口投与で、しばしばベンゾジアゼピン系薬の併用投与を受けており、アルコール依存症患者への処方頻度が最も高かったことも明らかになった。米国・UC San Diego Health SystemのMichael P. Wilson氏らが報告した。Journal of Emergency Medicine誌オンライン版2014年3月21日号の掲載報告。

敗血症性ショックへのEGDTプロトコル、死亡率は通常ケアと変わらず/NEJM

 敗血症性ショックにおける早期目標指向型治療(early goal-directed therapy:EGDT)プロトコルに基づく蘇生治療の有効性を検討した多施設共同無作為化試験の結果、同治療はアウトカムを改善しないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のDerek C. Angus氏ら「ProCESS(Protocolized Care for Early Septic Shock)」共同研究グループが報告した。EGDTは、10年以上前に発表された単施設試験の結果に基づくプロトコルである。同試験では、救急部門(ER)に搬送されてきた重症敗血症および敗血症性ショックの患者について、6時間で血行動態目標値を達成するよう輸液管理、昇圧薬、強心薬投与および輸血を行う処置が、通常ケアよりも顕著に死亡率を低下したとの結果が示された。ProCESS試験は、この所見が一般化できるのか、またプロトコルのすべてを必要とするのか確認することを目的に行われた。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。

重症敗血症、アルブミンを投与しても死亡率変わらず/NEJM

 重症敗血症または敗血症性ショックの患者に対し、晶質液に加えてアルブミンを投与しても、晶質液単独投与と比較して28日、90日の生存率は改善しなかったことが示された。イタリア・ミラノ大学のPietro Caironi氏らが、1,818例対象の多施設共同非盲検無作為化試験ALBIOSの結果、報告した。先行研究において、重症敗血症に対するアルブミン投与のベネフィットが示唆されたが、有効性については十分には確立されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。

せん妄治療はICU患者の死亡率に影響するのか

 米国・ノースイースタン大学のNada S. Al-Qadheeb氏らは、ICU入院中の患者にみられるせん妄の持続期間を短縮させる介入が45日以内の短期死亡の減少に寄与するのか否かを明らかにするため、2001~2012年に実施された無作為化試験のレビューを行った。その結果、介入によりせん妄の持続期間は短縮するものの、せん妄期間短縮と短期死亡率減少は関連しないことを報告した。Critical Care Medicine誌オンライン版2014年2月19日号の掲載報告。

破裂性腹部大動脈瘤に対する開腹手術 vs. 血管内修復術(コメンテーター:中澤 達 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(172)より-

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJanet T Powell氏らのIMPROVE(Immediate Management of Patients with Rupture: Open Versus Endovascular repair)試験研究グループが、30施設・613例の無作為化試験の結果から、破裂性腹部大動脈瘤に対する治療戦略について、開腹手術と血管内修復術とでは30日死亡率低下およびコスト削減に有意差はないことを示した。