救急科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:103

せん妄治療はICU患者の死亡率に影響するのか

 米国・ノースイースタン大学のNada S. Al-Qadheeb氏らは、ICU入院中の患者にみられるせん妄の持続期間を短縮させる介入が45日以内の短期死亡の減少に寄与するのか否かを明らかにするため、2001~2012年に実施された無作為化試験のレビューを行った。その結果、介入によりせん妄の持続期間は短縮するものの、せん妄期間短縮と短期死亡率減少は関連しないことを報告した。Critical Care Medicine誌オンライン版2014年2月19日号の掲載報告。

破裂性腹部大動脈瘤に対する開腹手術 vs. 血管内修復術(コメンテーター:中澤 達 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(172)より-

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJanet T Powell氏らのIMPROVE(Immediate Management of Patients with Rupture: Open Versus Endovascular repair)試験研究グループが、30施設・613例の無作為化試験の結果から、破裂性腹部大動脈瘤に対する治療戦略について、開腹手術と血管内修復術とでは30日死亡率低下およびコスト削減に有意差はないことを示した。

時間外受診の急性心筋梗塞、死亡率上昇/BMJ

 診療時間外に受診した急性心筋梗塞(AMI)患者は、時間内受診患者に比べて短期的な死亡率が高く、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者は病院到着から初回バルーン拡張までの時間(door to balloon time)が延長することが、米国・メイヨークリニック予防医学フェロー・反田 篤志氏らが行ったメタ解析で示された。週末や夜間などの診療時間外に受診したAMI患者は、死亡率が高くなる可能性が指摘されている。時間外診療の場合、エビデンスに基づく治療や適切な再灌流療法が行われにくくなり、病院スタッフの数や専門性の問題で治療の質を保持するのが困難になることが一因だという。BMJ誌オンライン版2014年1月21日号掲載の報告。

破裂性腹部大動脈瘤に対する開腹手術 vs. 血管内修復術/BMJ

 破裂性腹部大動脈瘤に対する治療戦略について、血管内治療と外科治療では30日死亡率低下およびコストに差がないことが、無作為化試験の結果、示された。同治療戦略について検討する英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJanet T Powell氏らのIMPROVE試験研究グループが、30施設・613例について検討した結果、報告した。これまで選択的患者を対象とした英国内単施設の検討では、血管内治療が外科治療よりも30日死亡率が約30%低いことが示されていたが、他の施設や他国の多施設で行われた試験では、いずれも小規模試験だが両者間の違いは示されなかった。BMJ誌オンライン版2014年1月13日号掲載の報告より。

院外心停止患者に対する病院到着前アドレナリン投与、長期予後を改善/BMJ

 院外心停止に対する救急隊員による救命処置時のアドレナリン(エピネフリン)投与により、患者の長期的な予後が改善することが、聖マリアンナ医科大学の中原慎二氏ら日本の研究グループによって明らかにされた。院外心停止患者に対する救命処置や心肺蘇生術、自動体外式除細動器の早期施行は明確な生存ベネフィットをもたらすが、病院到着前アドレナリン投与は自己心拍の再開の改善は示されているものの、長期的な予後改善効果は確立されていない。また、その有害作用を示す観察試験がある一方で、最近の無作為化試験ではわずかながら良好な効果(有意差はなし)が報告されているという。BMJ誌オンライン版2013年12月10日号掲載の報告。

院外心停止搬送中の低体温治療、転帰改善せず/JAMA

 心室細動(VF)有無を問わない病院搬送中の心停止蘇生後患者への低体温治療施行の有効性について、病院到着までに深部体温を低下し34℃に到達するまでの時間を短縮したが、生存または神経学的アウトカムは改善しなかったことが示された。米国・ワシントン大学のFrancis Kim氏らが、1,359例を対象とした無作為化試験の結果、報告した。心停止後の脳外傷は後遺症や死亡と関連し覚醒しない患者も多い。低体温治療は脳機能回復に有望な治療とされ、現在、VFあり蘇生後の昏睡状態の患者に対する入院ベースの導入は推奨されているが、プレホスピタルでの最適な導入のタイミングは不確かであった。JAMA誌オンライン版2013年11月17日号掲載の報告より。