循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:200

心筋梗塞患者のせん妄への抗精神病薬、安全性を比較/BMJ

 急性心筋梗塞による入院患者へのハロペリドール投与開始から7日以内の死亡リスクは、非定型抗精神病薬に比べわずかに高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のYoonyoung Park氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年3月28日号に掲載された。外来患者や介護施設入居者の研究では、定型抗精神病薬は非定型抗精神病薬に比べ、死亡リスクが高いことが一貫して示唆されている。一方、抗精神病薬を入院患者のせん妄の症状管理に使用した場合の相対的な安全性に関するエビデンスは、ほとんどないという。

心房細動の認知率が低い県は?全国5万人の調査

 心房細動は最も一般的な心原性脳塞栓症の原因であることから、心原性脳塞栓症の予防には心房細動の認知度を知ることが重要である。今回、聖マリアンナ医科大学の秋山 久尚氏らは、日本全国における心房細動の認知レベルについて大規模インターネット調査を実施。5万人以上から回答が得られ、心房細動をよく知っている人の割合は3.8%と非常に低く、また、年齢、性別、地域による認知度の違いがみられた。秋山氏らは「年齢や性別による認知度の違いを考慮し、認知度が低い都道府県を優先する啓発活動が将来的に心原性脳塞栓症の予防に重要」としている。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2018年3月30日号に掲載。

心血管疾患併存の痛風、フェブキソスタット vs.アロプリノール/NEJM

 心血管疾患を有する痛風患者に対し、非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタット(商品名:フェブリク)は、プリン塩基類似体キサンチンオキシダーゼ阻害薬アロプリノールに比べ、心血管系有害事象の発生に関して非劣性であることが示された。一方で、全死因死亡や心血管死亡の発生率は、いずれもフェブキソスタット群のほうが高かった。米国・コネティカット大学のWilliam B. White氏らが、6,190例を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検非劣性試験の結果で、NEJM誌2018年3月29日号で発表した。

HeartMate 3、MOMENTUM 3 臨床試験の2年の治療成績(解説:許 俊鋭 氏)-836

MOMENTUM 3の初期の分析でHeartMate 3(磁気浮上遠心ポンプ)はHeartMate II(機械的軸受軸流ポンプ)に比較して、進行した心不全患者に対する6ヵ月間の補助の比較で臨床転帰を改善することがすでに報告されている。今回、進行した心不全の患者におけるHeartMate 3(遠心ポンプ)とHeartMate II(軸流ポンプ)の無作為非劣性および優位性の比較試験でMOMENTUM 3の2年の治療成績が報告された。

心不全を予防するために何をすべきか/日本循環器学会

 高齢者の増加と共に心不全患者数も増加し、わが国は、心不全パンデミック時代に直面しようとしている。そのような中、今後、心不全については治療だけでなく、予防という観点が重要となる。2018年3月23~25日に大阪で開催された、第82回日本循環器学会学術集会プレナリーセッションで、わが国の心不全予防について、佐賀大学 循環器内科 田中 敦史氏が講演した。

高齢・心房細動合併、日本人の拡張期心不全患者(JASPER)/日本循環器学会

 本邦における拡張期心不全(HFpEF)入院患者の現状、長期アウトカムなどは明らかになっていない。2018年3月23〜25日に大阪で開催された、第82回日本循環器学会学術集会で、北海道大学 安斉 俊久氏が、「本邦における拡張期心不全の実態に関する多施設共同調査研究」JASPER試験(JApanese heart failure Syndrome with Preserved Ejection fRaction Study)の結果を初めて発表した。

日本のPCI患者のDAPT期間。リアルワールドでは6ヵ月?/日本循環器学会

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)における適正な抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の適正な期間は明らかになっていない。福岡山王病院 循環器センターの横井宏佳氏が、2018年3月23〜25日に大阪で開催された第82回日本循環器学会学術集会Late Breaking Cohort Studiesにて、リアルワールドデータを解析した日本人患者のDAPT継続期間とアウトカムの疫学研究を発表した。

降圧治療における家庭血圧測定の有効性(解説:石川讓治氏)-833

家庭血圧が外来血圧よりも優れた高血圧性臓器障害や心血管イベントの予測因子であることが多くの疫学研究において報告されているが、家庭血圧を指標とした降圧治療が、外来血圧を指標とした血圧治療よりも優れていることを示した報告はない。Staessenらは1)、同じ血圧レベルと目標値として降圧治療を行った場合、外来血圧を指標とした降圧治療の方が家庭血圧を指標とした降圧治療よりも、24時間自由行動下血圧レベルが低値であったことを報告しており、必ずしも家庭血圧を指標とした降圧治療が厳格な血圧コントロールとはならないと考えられてきた。しかし、過去の疫学研究において、外来血圧は家庭血圧よりやや高めになる傾向があることが報告されており、多くの高血圧治療ガイドラインにおいては外来血圧140/90mmHgに相当するのが家庭血圧135/85mmHgであると考えられている。そのため、Staessenら1)の研究結果を実際の臨床に当てはめるには困難があった。