日本初、TAVIの5年結果が明らかに:PREVAIL JAPAN 日本における、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の最初のピボタル研究であるPREVAIL JAPAN試験の5年結果が、Circulation Journal誌2017 March 17号に発表された。この結果はまた、大阪大学の澤 芳樹氏により第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにて発表された。
中国2億人の調査が示すPM10の死亡への影響/BMJ 中国における粒子状大気汚染の死亡への影響を調べた大規模調査の報告が、中国疾病予防センター(CCDC)のPeng Yin氏らにより発表された。38の大都市の人口2億人超について調べたもので、疾患別死亡でみると、呼吸器・循環器疾患の死亡への影響が他の疾患死への影響と比べてより大きく、60歳未満と比べて60歳以上のほうが粒子状大気汚染の死亡への影響を強く受けていることが示された。また、そうした影響は都市間でばらつきがみられ、人口規模の大きな都市のほうが影響は小さく、南部にある都市と比べると北部にある都市のほうが均等に影響を受けていることも明らかにされた。これまで中国では大気汚染の影響への関心は高かったが、複数都市を対象とした分析調査はほとんど行われていなかったという。BMJ誌2017年3月14日号掲載の報告。
抗血小板薬シロスタゾール、認知症リスク低下の可能性 抗血小板薬が、認知機能に対する予防効果を有するかはよくわかっていない。台湾・高雄医学大学のShu-Yu Tai氏らは、アジア人における、cAMPホスホジエステラーゼ3阻害薬である抗血小板薬シロスタゾールの使用と認知症リスクとの潜在的な関連を検討した。Neurotherapeutics誌オンライン版2017年2月13日号の報告。
夜間高血圧に対するARB/CCB併用の効果をICTモニタリングで証明~日本循環器学会 夜間血圧の上昇は心血管イベントの増加につながることから、近年、夜間血圧が注目されている。自治医科大学の星出 聡氏は、2017年3月17~19日に行われた第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにおいて、情報通信技術(ICT)による夜間血圧モニタリングによって、コントロール不能な夜間高血圧症に対する2パターンのアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)併用療法を評価したNOCTURNE試験の結果を報告した。この結果は、Circulation Journal誌に同時掲載された。
リバーロキサバン、国内最大規模のリアルワールドエビデンス~日本循環器学会 日本におけるリバーロキサバン(商品名:イグザレルト、バイエル薬品株式会社)の特定使用成績調査であるXAPASSの解析結果が、3月17~19日に金沢市で開催された第81回日本循環器学会学術集会にて発表された。本調査では脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制を目的にリバーロキサバンを投与された非弁膜症性心房細動患者、1万例超が2012年4月から約2年間に登録された。
冠動脈疾患と脳卒中における危険因子の違い 冠動脈疾患(CHD)と脳卒中には共通のリスク因子があるが、CHDと脳卒中との関連の大きさや向きが異なる因子がある。藤田保健衛生大学の松永 眞章氏らは、アジア人におけるCHDと脳卒中による死亡において、各リスク因子による影響が異なるかどうかを、日本人の大規模コホート研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort)Studyで検討した。その結果、高血圧との関連は一致したが、喫煙や糖尿病など他のリスク因子については一致しなかった。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月6日号に掲載。
脳卒中発症AF患者の8割強、適切な抗凝固療法を受けず/JAMA 抗血栓療法は心房細動患者の脳卒中を予防するが、地域診療では十分に活用されていないことも多いという。米国・デューク大学医療センターのYing Xian氏らPROSPER試験の研究グループは、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者約9万5,000例を調査し、脳卒中発症前に適切な経口抗凝固療法を受けていたのは16%に過ぎず、30%は抗血栓療法をまったく受けていない実態を明らかにした。JAMA誌2017年3月14日号掲載の報告。
日本人の心房細動患者に適した脳梗塞リスク評価~日本循環器学会 日本人の非弁膜症性心房細動(AF)患者の心原性脳塞栓症リスク評価において、脳卒中の既往、高齢、高血圧、持続性心房細動、低BMIの5つの因子による層別化が、従来のCHADS2スコアやCHA2DS2-VAScスコアによる層別化よりリスク予測能が高いことが報告された。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援による、層別化指標の確立を目的とした共同研究であり、第81回日本循環器学会学術集会(3月17~19日、金沢市)のLate Breaking Cohort Studiesセッションで弘前大学の奥村 謙氏が発表した。
PCI後のDAPT期間決定に有用な新規出血リスクスコア/Lancet スイス・ベルン大学のFrancesco Costa氏らは、簡易な5項目(年齢、クレアチニンクリアランス、ヘモグロビン、白血球数、特発性出血の既往)を用いる新しい出血リスクスコア「PRECISE-DAPTスコア」を開発し、検証の結果、このスコアが抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)中の院外での出血を予測する標準化ツールとなりうることを報告した。著者は、「包括的に臨床評価を行う状況において、このツールはDAPT期間を臨床的に決める支援をすることができるだろう」とまとめている。アスピリン+P2Y12阻害薬によるDAPTは、PCI後の虚血イベントを予防する一方で、出血リスクを高める。ガイドラインでは、治療期間を選択する前に出血リスクの高さを評価することを推奨しているが、そのための標準化ツールはこれまでなかった。Lancet誌2017年3月11日号掲載の報告。
心房細動検出機能を搭載したシングルチャンバ植込みICDを販売開始:メドトロニック 日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、 代表取締役社長:島田隆)は、 2017年3月1日、 心房細動(AF)検出の診断機能を搭載したシングルチャンバの植込み型除細動器(以下ICD)「Visia AF MRI ICDシリーズ(ヴィジア エーエフ エムアールアイ アイシーディーシリーズ)」(以下「Visia AF」)の販売を開始した。