循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:351

拡張期高血圧は死亡リスクを高めるのか?

 一過性の拡張期血圧の上昇および持続的な拡張期高血圧が死亡リスクを高めることを示唆する研究結果がJournal of Hypertension誌(オンライン速報版10月17日付)に発表された。 全般的に、一過性および持続的な拡張期高血圧患者において総死亡および心血管死リスクは高かった。 性別に解析した結果、女性のみにおいて一過性の拡張期高血圧が総死亡および心血管死リスクを有意に高めていた。 総死亡リスク:ハザード比1.39(95%信頼区間:1.10~1.76) 心血管死亡リスク:ハザード比1.57(95%信頼区間:1.11~2.23)

喫煙、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、いずれも男性PAD発症の高リスク因子

 末梢動脈疾患(PAD)の発症リスクについて、男性で一般的によくみられる4つの因子(喫煙、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病)について検討した結果、各因子が独立した高リスク因子であり、また因子が併存するほど発症リスクが増大すること(因子が1つ増えるごとに発症リスクは2.06倍)が明らかになった。米国・ハーバードメディカルスクールのMichel M. Joosten氏らが米国男性約4万5千人を25年間追跡した前向き研究の結果、報告した。先行研究においてリスク因子個々とPAD発症との関連は明らかにされていたが、因子が併存している場合の発症との関連は検討されていなかった。JAMA誌2012年10月24・30日号掲載より。

プライマリ・ケアでの肺塞栓症の除外、WellsルールとDダイマー検査の併用が有用/BMJ

 プライマリ・ケアでの肺塞栓症の除外診断において、Wellsルールとポイント・オブ・ケア診断としてのDダイマー検査を併用するアプローチは安全で効果的な方法であることが、オランダ・ユトレヒト大学医療センターのGeert-Jan Geersing氏らが実施したAMUSE-2試験で示された。原因不明の息切れや胸膜炎性胸痛は診断が困難な症状であり、これらの患者と最初に遭遇するプライマリ・ケア医は気道感染症などの自己管理が可能な一般的な疾患と、肺塞栓症のような生命を脅かす疾患を鑑別する必要に迫られる。WellsスコアとDダイマー検査の併用により、肺塞栓症が疑われる患者の約3分の1が安全に除外可能なことが分かっているが、プライマリ・ケアにおける有用性は検証されていなかったという。BMJ誌2012年10月27日号(オンライン版2012年10月4日号)掲載の報告。

院内心停止患者への蘇生処置時間、長いほど生存率が改善:AHA報告/Lancet

 院内心停止患者では、蘇生処置で蘇生した患者の処置時間は蘇生しなかった患者よりも長く、処置時間が長いほうが生存の可能性は高くなることが、米国・ミシガン大学のZachary D Goldberger氏ら米国心臓協会(AHA)の研究グループの検討で示された。先進国では、入院患者1,000人当たり1~5人が心停止を来し、心停止患者の退院時の生存率は20%に満たない。蘇生処置をいつ止めるかは臨床医が直面する最大の課題の1つだが、心停止患者の予後は全般的に不良なため、臨床医は処置開始後早期に自己心拍が再開しない場合は処置の継続に消極的になりがちだという。Lancet誌2012年10月27日号(オンライン版2012年9月5日号)掲載の報告。

治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションはQOLも改善する

 近年、治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションが長期間にわたって血圧を低下させることが発表されてきているが、生活の質(QOL)に及ぼす影響については明らかではなかった。Lambert氏らは腎デナベーション施行3ヵ月後のQOLについて、SF-36およびベックうつ評価尺度を用いて検証した結果、精神的側面のQOLを改善したことをHypertension誌に発表した。

【速報!AHA2012】ダビガトラン長期投与で、脳梗塞リスクと出血リスクはどう変わる?

非弁膜症性心房細動(AF)例を対象とした大規模試験 "RE-LY" において、直接的トロンビン阻害薬ダビガトランは、220mg/日と300mg/日の2用量が用いられた。その結果、300mg/日は220mg/日に比べ脳梗塞リスクは有意に減少させるも、大出血は増加傾向にあった(ただしいずれの用量でもワルファリンよりは低出血率)。この結果は、より長期の服用においても維持されるようだ。Stuart J. Connolly氏(マクマスター大学:カナダ)がRELY-ABLEの結果として、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションで報告した。

【速報!AHA2012】日本における下肢虚血に対する血管内治療の成績発表:OLIVEレジストリ

近時、下肢虚血に対する血管内治療(EVT)の進歩が著しい。その一方、網羅的な実態は必ずしも明らかではなかった。そのため、わが国では”OLIVE”レジストリが組織され、 重症下肢虚血例に対するEVTの実態把握にのりだした。その成績が、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションにて、中村正人氏(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授)により報告された。

【速報!AHA2012】虚血性心不全に対する初の心筋幹細胞移植、2年目成績が明らかに!-SCIPIO試験-

学会3日目となる6日のLate Breaking Clinical Trialsセッションでは、昨年の本学会で報告されたSCIPIO試験の2年追跡データが報告された。心筋梗塞後の左室機能低下例に対する、初の心筋幹細胞移植の安全性・有効性を検討した第 I 相試験である。2年間追跡後も、1年間追跡時と同様の有用性が確認された。ルイビル大学(米国)のRoberto Bolli氏が報告した。