皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:65

慢性創傷には遠隔医療による専門家のアドバイスが有用

 慢性創傷の管理はますます大きな問題となってきており、遠隔医療が効果的なアプローチとして広く認められている。これまで創傷管理における遠隔医療の臨床効果に関するエビデンスはなかったが、デンマーク・コペンハーゲン大学のKian Zarchi氏らは、前向き集団無作為化試験を行い、慢性創傷の管理の改善には、訪問看護師を創傷の専門家チームとつなげる遠隔医療の使用が有用であることを報告した。Journal of Investigative Dermatology誌2015年3月号(オンライン版2014年10月7日号)の掲載報告。

蜂窩織炎・膿瘍への抗菌薬 治癒率に違いはある? クリンダマイシンvs.トリメトプリム・スルファメトキサゾール

 蜂窩織炎および膿瘍において、クリンダマイシンまたはトリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP-SMX)を10日間投与したところ、治癒率や副作用プロファイルは同程度であったことが、米国・カリフォルニア大学のLoren G. Miller氏らにより報告された。NEJM誌2015年3月19日号の掲載報告。

母親のFLG変異が、子のアトピーのリスクを高める

 疫学研究から、アレルギーのリスクはインプリンティング(遺伝子刷り込み)により母親から子へ遺伝することが示唆されている。アトピー性皮膚炎(AD)は、フィラグリン遺伝子(FLG)の機能喪失型変異による皮膚バリア機能の欠乏に起因する可能性が知られているが、ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のJorge Esparza-Gordillo氏らは、FLG突然変異の遺伝から独立して母親の遺伝子型の影響がみられることを明らかにした。母親における突然変異誘導性の全身免疫応答が、子のADリスクに影響している可能性を示唆している。PLoS Genetics誌2015年3月10日の掲載報告。

ブレークスルーとなるか、がん免疫チェックポイント阻害

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:相良 暁)とブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)は2015年3月17日、「がん治療の新たな選択肢 ~がん免疫療法~」と題し、プレスセミナーを開催した。講師に、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの西川 博嘉氏(大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授)を迎え、がん免疫療法の特徴や作用機序、他の治療法との相違点などについて紹介された。

脱毛性毛包炎、イソトレチノインは有効な治療選択肢

 脱毛性毛包炎は瘢痕性脱毛症の原因となる。現在、最もよく用いられている治療薬は抗菌薬であるが、再発率が高いのが特徴で耐性菌の発現も促進する。ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学のJulia. K. Tietze氏らは、レトロスペクティブな検討においてイソトレチノイン経口薬(国内未承認)が有効な治療選択肢となることを示した。著者は、「脱毛性毛包炎に対する第1選択としての抗菌薬の使用をしっかり見直し再評価する必要がある」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。

喫煙は、手の皮膚炎と関係がある?

 喫煙はさまざまな炎症性皮膚疾患に影響することが知られている。ドイツ・イエナ大学のJudit Lukacs氏らは、喫煙と手の皮膚炎との関連を調べるためシステマティックレビューを行った。今回、喫煙が手の皮膚炎の危険因子であることは示されなかったが、喫煙が手の皮膚炎に関与する可能性が除外されたわけではなく、著者は「依然として喫煙が皮膚疾患の経過に負の影響を及ぼす可能性はある」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。

5歳までのピーナッツ摂取でアレルギー回避?/NEJM

 ピーナッツアレルギー高リスクの小児は、早期よりピーナッツに曝露されたほうが、同アレルギー発症頻度が有意に低減することが、英国キングス・カレッジ・ロンドンのGeorge Du Toit氏らによる無作為化試験の結果、明らかにされた。西欧諸国では、ピーナッツアレルギーの子供の有病率は、過去10年間で2倍になっており、またアフリカやアジアでも出現してきているという。研究グループは、アレルギーリスクが高い乳児でピーナッツアレルギーを発症させないための最も効果的な戦略を確立するために、ピーナッツの摂取と回避の戦略を検討した。NEJM誌2015年2月26日号(オンライン版2015年2月23日)掲載の報告より。

セリアック病とグルテンフリー食実践者の関連に人種差?

 米国・メイヨークリニックのRok Seon Choung氏らは、米国・国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた横断研究を行い、セリアック病の有病率や人種差といった特色などを調べた。その結果、1988年から2012年の間で同罹患患者は増加しており、白人でより顕著であることを明らかにした。また、グルテンフリー食を実践し続けている人の多くは黒人で、セリアック病と診断されてはいないことも明らかにした。American Journal of Gastroenterology誌オンライン版2015年2月10日の掲載報告。