爪真菌症は生活の質に影響を与える。ホウ素を含有する新しいクラスの抗真菌薬タバボロール(tavaborole、国内未承認)は、足の爪真菌症に対して優れた臨床効果を発揮するとともに安全性プロファイルは良好であることが、米国・アラバマ大学バーミンガム校のBoni E. Elewski氏らによる2件の第III相試験の結果、確認された。タバボロールは爪真菌症に対する新たな治療選択肢として期待される。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2015年5月5日号の掲載報告。
第1趾爪(対象爪)の20~60%が感染している遠位爪甲下爪真菌症の成人患者を、タバボロール群または基剤群に2対1で無作為に割り付け、1日1回48週間投与した。
主要評価項目は、52週目の完全治癒率(完全に透明な爪かつ真菌学的治癒の割合)であった。副次的評価項目は、完全またはほぼ完全に透明な爪を有する患者の割合、真菌学的治癒率、完全またはほぼ完全な治癒率(完全にまたはほぼ完全に透明な爪かつ真菌学的治癒の割合)、および安全性であった。
主な結果は以下のとおり。
・完全治癒率(タバボロール群/試験1:6.5%、試験2:9.1% vs. 基剤群/それぞれ0.5%、1.5%)および真菌学的治癒率(同様に31.1%、35.9% vs. 7.2%、12.2%)は、タバボロール群が基剤群より有意に優れていた(p<0.001)。
・完全またはほぼ透明な爪を有する患者の割合も、タバボロール群が基剤群より有意に高かった(26.1%、27.5% vs. 9.3%、14.6%:p<0.001)。
・完全またはほぼ完全な治癒率も、タバボロール群が基剤群より有意に高率であった(15.3%、17.9% vs. 1.5%、3.9%:p<0.001)。
・タバボロールの適用部位にみられた主な有害事象は、皮膚剥脱(2.7%)、紅斑(1.6%)および皮膚炎(1.3%)であった。
(ケアネット)