糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:38

2型DMでのorforglipron、HbA1c低下に最適な用量-第II相/Lancet

 新規の経口非ペプチドGLP-1受容体作動薬orforglipronは、12mg以上の用量でプラセボまたはデュラグルチドと比較しHbA1cおよび体重の有意な減少を示し、有害事象のプロファイルは同様の開発段階にある他のGLP-1受容体作動薬と類似していた。米国・Velocity Clinical ResearchのJuan P. Frias氏らが、米国、ハンガリー、ポーランド、スロバキアの45施設で実施された26週間の第II相多施設共同無作為化二重盲検用量反応試験の結果を報告した。orforglipronは2型糖尿病および肥満症の治療薬として開発中で、今回の結果を踏まえて著者は、「orforglipronは、2型糖尿病患者にとって少ない負担で治療目標を達成することが期待でき、GLP-1受容体作動薬の注射剤や経口セマグルチドに代わる治療薬となる可能性がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年6月24日号掲載の報告。

肥満2型DMでのチルゼパチド、体重減少にも有効/Lancet

 過体重または肥満の2型糖尿病患者において、チルゼパチド10mgおよび15mgの週1回72週間皮下投与は、体重管理を目的とした他のインクレチン関連薬と同様の安全性プロファイルを示し、臨床的に意義のある大幅な体重減少をもたらしたことが示された。米国・アラバマ大学バーミンガム校のW Timothy Garvey氏らが、7ヵ国の77施設で実施された第III相国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「SURMOUNT-2試験」の結果を報告した。肥満2型糖尿病患者の健康状態を改善するためには、体重減少が不可欠である。チルゼパチドは持続性のGIP/GLP-1受容体作動薬で、非2型糖尿病の肥満患者を対象としたSURMOUNT-1試験では、72週間のチルゼパチドによる治療で体重が最大20.9%減少することが認められていた。Lancet誌オンライン版2023年6月24日号掲載の報告。

セマグルチド+cagrilintide配合皮下注、HbA1c低下に有効/Lancet

 2型糖尿病患者に対するセマグルチドとcagrilintideの皮下投与配合剤CagriSemaは、臨床的に意義のある血糖コントロール(持続血糖モニタリング[CGM]パラメータなど)の改善に結び付いたことが、米国・Velocity Clinical ResearchのJuan P. Frias氏らが行った、第II相多施設共同二重盲検無作為化試験で示された。CagriSemaによるHbA1c値の平均変化値は、cagrilintide単独よりも大きかったが、セマグルチド単独とは同等だった。体重は、CagriSema治療がcagrilintideやセマグルチドと比較して有意に大きく減少した。結果を踏まえて著者は、「今回のデータは、同様の集団を対象とした、より長期かつ大規模な第III相試験で、CagriSemaに関するさらなる試験を行うことを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年6月23日号掲載の報告。

bempedoic acid、高リスクのスタチン不耐患者の1次予防に有効/JAMA

 心血管イベントのリスクが高いスタチン不耐の患者の1次予防において、bempedoic acidはプラセボと比較して、4項目の主要有害心血管イベント(MACE:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血行再建)の発生率が有意に低く、有害事象の頻度は全般に同程度であることが、米国・クリーブランドクリニックのSteven E. Nissen氏らが実施した「CLEAR Outcomes試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年6月24日号に掲載された。  CLEAR Outcomes試験は、32ヵ国1,250施設が参加した無作為化臨床試験であり、2016年12月~2019年8月の期間に、患者の登録が行われた(Esperion Therapeuticsの助成を受けた)。

減量効果が大きいのは?時間制限食vs.カロリー制限食

 摂取カロリーを制限しない時間制限食は、人気のある減量法となっているが、その有効性のエビデンスは限られている。とくに、長期の影響については明らかになっていない。そこで、米国・イリノイ大学シカゴ校のShuhao Lin氏らは無作為化比較試験を実施し、時間制限食の効果について、カロリー制限食や食事制限なしと比較した。その結果、時間制限食とカロリー制限食はいずれも体重を減少させたが、両者に有意差は認められなかった。本研究結果は、Annals of Internal Medicine誌オンライン版2023年6月27日号で報告された。

2型糖尿病の運動療法に最適な時間帯は?

 運動を午後の時間帯に行っている2型糖尿病患者は血糖コントロールがより良好になる可能性を示す、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のJingyi Qian氏らの研究結果が、「Diabetes Care」に5月25日掲載された。ただし研究者らは、この結果のみでは午後の運動を推奨することはできないと述べている。  この研究は、運動を行う時間帯を変えるという介入によって、血糖管理状態が変化するか否かを検証可能なデザインでは行われていない。それでも、午後に運動することで血糖コントロールがより良好になる機序についてQian氏は、「運動による血糖管理状態への影響は、絶食状態で行うよりも食後に行った方が大きい可能性があり、午後に運動をしている人の多くが食後に運動をしているのではないか。それに対して朝に運動をしている人は、運動をしてから朝食を食べることが多いと考えられる」との推論を述べている。とはいえ、「午後に運動をする時間を取れないからといって運動をすべきでないという意味ではない」とし、「時間帯や場所にとらわれず、運動をできるタイミングですべきだ」と同氏は推奨する。

脳卒中後の血糖管理が認知機能低下抑止の鍵となる可能性

 脳卒中を発症後に血糖値が高い状態で推移していると、認知機能の低下が速くなる可能性が報告された。一方、血圧やLDL-コレステロール(LDL-C)が高いことに関しては、そのような関連は認められないという。米ミシガン大学のDeborah Levine氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に5月17日掲載された。  Levine氏によると、「脳卒中の発症後は認知症のリスクが最大50倍増加するが、これまで、脳卒中の再発を防ぐこと以外に、そのリスクを抑制する治療アプローチはなかった」という。そのような状況で明らかになった今回の研究結果は、「脳卒中後に血糖値の高い状態が続いていることが、認知機能の低下を速めることを示唆しており、糖尿病に該当するか否かにかかわりなく、脳卒中後の慢性高血糖が認知機能低下を抑制するための潜在的な治療標的である可能性を示唆している」と話している。

経口セマグルチド50mg、肥満非2型糖尿病の体重減を確認/Lancet

 2型糖尿病を伴わない過体重または肥満の成人において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチド50mgの68週間の1日1回経口投与は、平均15%の体重減少をもたらし、参加者の85%で臨床的に意義のある体重減少(5%以上)を達成し、安全性プロファイルは同薬2.4mgの皮下投与やGLP-1受容体作動薬クラス全体のデータとほぼ一致することが、デンマーク・コペンハーゲン大学のFilip K. Knop氏らが実施した「OASIS 1試験」で示された。

肥満2型DMへの経口セマグルチド、最適な用量・期間は?/Lancet

 十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病成人患者において、経口セマグルチド25mgおよび50mgは糖化ヘモグロビン(HbA1c)値低下および体重減少に関して、同14mgに対する優越性が確認され、安全性に関して新たな懸念は認められなかった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のVanita R. Aroda氏らが、14ヵ国177施設で実施された第IIIb相多施設共同無作為化二重盲検比較試験「PIONEER PLUS試験」の結果を報告した。セマグルチド1日1回経口投与は2型糖尿病の有効な治療法であり、セマグルチドの経口投与および皮下投与試験の曝露-反応解析では、曝露量の増加に伴いHbA1c値の低下および体重減少が大きくなることが示されていた。Lancet誌オンライン版2023年6月26日号掲載の報告。

1日1回の経口orforglipron、肥満成人の体重減少に有効/NEJM

 非糖尿病の肥満成人において、1日1回の経口剤である非ペプチドGLP-1受容体作動薬orforglipronは、体重減少と関連することが示された。orforglipronに関して報告された有害事象は、GLP-1受容体作動薬の注射製剤と類似したものだったという。カナダ・マクマスター大学のSean Wharton氏らが、272例を対象に行った第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群比較試験の結果を報告した。肥満は、世界中で疾患および死亡に結びつく重大リスク因子となっており、1日1回の経口orforglipronの肥満成人における体重減少の有効性と安全性に関するデータが求められていた。NEJM誌オンライン版2023年6月23日号掲載の報告。