糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:55

統合失調症患者の体重増加や代謝機能に対する11種類の抗精神病薬の比較

 抗精神病薬の投与量と代謝機能関連副作用との関係を明らかにするため、スイス・ジュネーブ大学のMichel Sabe氏らは、統合失調症患者を対象に抗精神病薬を用いたランダム化比較試験(RCT)の用量反応メタ解析を実施した。その結果、抗精神病薬ごとに固有の特徴が確認され、アリピプラゾール長時間作用型注射剤を除くすべての抗精神病薬において、体重増加との有意な用量反応関係が認められた。著者らは、利用可能な研究数が限られるなどの制限があったものの、本研究結果は、抗精神病薬の用量調整により、体重や代謝機能に対する悪影響を軽減するために有益な情報であるとしている。The Journal of Clinical Psychiatry誌2023年2月8日号掲載の報告。

CAD患者のLDL-C 50~70mg/dL目標の治療 、高強度スタチンに非劣性/JAMA

 冠動脈疾患(CAD)患者の治療において、LDLコレステロール(LDL-C)の目標値を50~70mg/dLとする目標達成に向けた治療(treat-to-target)は高強度スタチン療法に対し、3年の時点での死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術の複合に関して非劣性であり、これら4つの構成要素の個々の発生率には差がないことが、韓国・延世大学のSung-Jin Hong氏らが実施したLODESTAR試験で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年3月6日号に掲載された。  LODESTAR試験は、韓国の12施設が参加した医師主導の非盲検無作為化非劣性試験であり、2016年9月~2019年11月の期間に患者の登録が行われた(Samjin Pharmaceuticalなどの助成を受けた)。

スタチン治療患者の将来リスク予測、CRP vs.LDL-C/Lancet

 スタチン療法を受ける患者において、高感度C反応性蛋白(CRP)で評価した炎症のほうがLDLコレステロール(LDL-C)値で評価したコレステロールよりも、将来の心血管イベントおよび死亡リスクの予測因子として強力であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M. Ridker氏らが行った、3つの無作為化試験の統合解析の結果、示された。著者は、「示されたデータは、スタチン療法以外の補助療法の選択を暗示するものであり、アテローム性疾患のリスク軽減のために、積極的な脂質低下療法と炎症抑制治療の併用が必要である可能性を示唆するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年3月6日号掲載の報告。

老けやすいのはどんな人?老化の原因をランキング

 生物学的な老化の速度は、遺伝、環境、生活習慣などによって変化するといわれている。近年、DNAのメチル化に基づく生物学的老化の評価指標(GrimAge、PhenoAgeなど)が開発されているが、これらと老化の危険因子との関連の強さなどは明らかになっていない。そこで、上海交通大学のLijie Kong氏らは、メンデルランダム化解析を行い、修正可能な代謝関連因子(ウエスト周囲径、体脂肪率、CRP値など)、生活習慣(喫煙、アルコール摂取、昼寝など)、社会経済的因子(教育、収入)と生物学的老化の評価指標との関連を調べた。本調査結果は、The Journals of Gerontology:Series A誌オンライン版2023年3月4日号に掲載された。

スタチン不耐患者、bempedoic acidがCVリスクに有効か/NEJM

 スタチンの服用が困難なスタチン不耐(statin-intolerant)患者において、ATPクエン酸リアーゼ阻害薬ベンペド酸(bempedoic acid)はプラセボと比較し、LDLコレステロール値を低下し、主要有害心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血行再建)のリスクを低下することが示された。一方でベンペド酸投与により、脳卒中、心血管死、全死因死亡のそれぞれのリスクは低減せず、また痛風や胆石症発生リスクはやや増大した。米国・クリーブランドクリニックのSteven E. Nissen氏らによる二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果で、NEJM誌オンライン版2023年3月4日号で発表された。ベンペド酸は、LDL値を低下し筋肉関連の有害事象の発生リスクは低いが、心血管アウトカムへの影響は明らかになっていなかった。

冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン、11年ぶりに改訂/日本循環器学会

 『2023年改訂版 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン』が第87回日本循環器学会年次集会の開催に合わせ発刊され、委員会セッション(ガイドライン部会)において、藤吉 朗氏(和歌山県立医科大学医学部衛生学講座 教授)が各章の改訂点や課題について発表した。  本ガイドライン(以下、本GL)は日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会をはじめとする全11学会の協力のもと、これまでの『虚血性心疾患の一次予防GL(2012年改訂版)』を引き継ぐ形で作成された。

日本人の認知症リスクに対する喫煙、肥満、高血圧、糖尿病の影響

 心血管リスク因子が認知症発症に及ぼす年齢や性別の影響は、十分に評価されていない。大阪大学の田中 麻理氏らは、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病が認知症リスクに及ぼす影響を調査した。その結果、認知症を予防するためには、男性では喫煙、高血圧、女性では喫煙、高血圧、糖尿病の心血管リスク因子のマネジメントが必要となる可能性が示唆された。Environmental Health and Preventive Medicine誌2023年号の報告。対象は、ベースライン時(2008~13年)に認知症を発症していない40~74歳の日本人2万5,029人(男性:1万134人、女性:1万4,895人)。

動脈硬化は睡眠が不規則な人ほど発症する可能性が高かった

 睡眠不足や不規則な睡眠というのは心血管疾患や2型糖尿病などの発症に関連しているが、アテローム性動脈硬化との関連性についてはあまり知られていない。そこで、米国・ヴァンダービルト大学のKelsie M. Full氏らは睡眠時間や就寝タイミングとアテローム性動脈硬化との関連性を調査し、45歳以上の場合に睡眠不足や不規則な睡眠であるとアテローム性動脈硬化の発症リスクを高めることを示唆した。Journal of the American Heart Association誌2023年2月21日号掲載の報告。

日本人における砂糖と大腸がんリスクの関連は?

 日本の中年成人における砂糖摂取量と大腸がんリスクとの関連を大規模コホート研究のJPHC研究で検討した結果、明らかな関連はみられないものの、総摂取量が多い女性で直腸がんリスクが増加する可能性が否定できなかった。国立がん研究センターの金原 理恵子氏らの報告がCancer Science誌オンライン版2023年2月27日号に掲載された。  砂糖の摂取量が大腸がんリスクに及ぼす影響はまだ定まっていない。アジア人が摂取する砂糖の原料は欧米人とは異なり、アジア人集団における砂糖の総摂取量および特定の種類の摂取量における前向きコホート研究はほとんどない。

エリスリトールが血栓、主要心血管イベントの発生リスクと関連

 人工甘味料は砂糖の代用として広く使用されているが、人工甘味料の摂取が2型糖尿病や心血管疾患と関連するという報告もある。米国・クリーブランドクリニック・ラーナー研究所のMarco Witkowski氏らは、アンターゲットメタボロミクス研究において、糖アルコールに分類される甘味料エリスリトール(多くの果物や野菜に少量含まれる)が3年間の主要心血管イベント(MACE:死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)の発生と関連していることを発見し、その後の米国および欧州の2つのコホートを用いた研究でも、その関連は再現された。また、エリスリトールはin vitroにおいて血小板反応性を亢進し、in vivoにおいて血栓形成を促進することを明らかにした。健康成人にエリスリトールを摂取させたところ、血小板反応性の亢進および血栓形成の促進についての閾値を大きく超える血漿中エリスリトール濃度の上昇が引き起こされた。Nature Medicine誌オンライン版2023年2月27日号の報告。