非糖尿病の肥満成人において、1日1回の経口剤である非ペプチドGLP-1受容体作動薬orforglipronは、体重減少と関連することが示された。orforglipronに関して報告された有害事象は、GLP-1受容体作動薬の注射製剤と類似したものだったという。カナダ・マクマスター大学のSean Wharton氏らが、272例を対象に行った第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群比較試験の結果を報告した。肥満は、世界中で疾患および死亡に結びつく重大リスク因子となっており、1日1回の経口orforglipronの肥満成人における体重減少の有効性と安全性に関するデータが求められていた。NEJM誌オンライン版2023年6月23日号掲載の報告。
orforglipron 12mg~45mg、1日1回投与の有効性と安全性を評価
試験は、肥満または過体重で体重関連の併存疾患が1つ以上ある、非糖尿病の成人を対象に行われた。研究グループは被験者を無作為に5群に分け、orforglipronを12mg、24mg、36mg、45mg、またはプラセボを、それぞれ1日1回36週間投与した。
主要エンドポイントは、26週時点で評価したベースラインからの体重変化(%)で、副次エンドポイントは36週時点の同体重変化(%)とした。
消化管関連有害事象により10~17%が服用中止
2021年9月~2022年11月に、272例が無作為化された。ベースラインの平均体重は108.7kg、BMIは37.9だった。
26週時点で評価したベースラインからの平均体重変化率は、orforglipron群が用量依存的に-8.6~-12.6%であったのに対し、プラセボ群は-2.0%だった。36週時点の同平均体重変化率は、orforglipron群が-9.4~-14.7%、プラセボ群は-2.3%だった。
36週までに体重が10%以上減少した被験者の割合は、orforglipron群が46~75%だったのに対し、プラセボ群は9%だった。orforglipron群では、事前規定の体重関連および心血管代謝の指標がすべて改善した。
orforglipron投与で最も多く報告された有害事象は、軽度~中程度の消化管関連事象で、主に用量増加期間に発生し、orforglipron投与群の10~17%の被験者で投与中止につながった。orforglipronの安全性プロフィールは、GLP-1受容体作動薬クラスと一致していた。
(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)