糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:64

肥満者への行動的体重管理介入で体重とウエスト減/BMJ

 プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入は、減量に有効で、ウエスト周囲長にも有意な減少効果が認められ、一般人への導入の可能性もあることが、英国・ラフバラー大学のClaire D. Madigan氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月30日号で報告された。  研究グループは、プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入(減量を目的とする行動的介入)の有効性の評価を目的に、無作為化対照比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]レスター生物医学研究センターの助成を受けた)。

ヘルスケアベンチャー大賞への参加者募集【ご案内】

 日本抗加齢協会と日本抗加齢医学会は、今秋もヘルスケアベンチャー大賞を開催する。4回目を迎える同大賞は『アンチエイジングからイノベーションを!』をテーマに掲げ、アンチエイジングに資するヘルスケア分野のビジネスプランやアイデアを募集する。  新たなスタートアップを立ち上げることは並大抵のことではないが、近年、医師による起業や新規事業の立ち上げが増加しており、本大賞はそのような医師らの積極的な活動を応援するために2019年より始まった。起業準備中の個人や企業との連携を求める個人なども応募が可能で、1次書類審査にてファイナリスト8名(社)を選出し、10月の最終審査で受賞者が決定する。大賞・学会賞受賞者は賞金授与だけではなく、翌年6月に開催予定の第23回日本抗加齢医学会総会での発表機会や企業展示支援も与えられる。

妊娠糖尿病、インスリン使用で周産期合併症が増加/BMJ

 妊娠糖尿病の妊婦は正常血糖値妊婦と比較して、インスリンを使用していない場合は、帝王切開による分娩や早産児・巨大児が多く、インスリンを使用している場合は、母親のアウトカムに差はないものの、新生児の在胎不当過大や黄疸、呼吸窮迫症候群などの周産期合併症の割合が有意に高いことが、中国・中南大学のWenrui Ye氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月25日号で報告された。  研究グループは、妊娠糖尿病と妊娠有害アウトカムとの関連を、最小限の交絡因子を調整したうえで評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。

活性型ビタミンD3、2型DMの発症予防に無効か/BMJ

 活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールは、前糖尿病から2型糖尿病への発症予防効果は認められなかったものの、インスリン分泌が不十分な人に対する有益性を示唆する結果が得られた。産業医科大学病院の河原哲也氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Diabetes Prevention with active Vitamin D study:DPVD試験」の結果を報告した。観察研究では、ビタミンD欠乏がインスリン抵抗性および将来的な糖尿病のリスク増加と関連することが示されている。一方、ビタミンD補充については、2型糖尿病予防を目的とした無作為化比較試験では一貫した結果は認められていないが、先行研究でビタミンD欠乏症を伴う前糖尿病者に対して有益であることが示唆されていた。BMJ誌2022年5月25日号掲載の報告。

オゼンピック皮下注の複数回使用製剤、新発売/ノボ ノルディスク ファーマ

 ノボ ノルディスク ファーマは、2022年5月25日、2型糖尿病を効能・効果とする週1回投与のGLP-1アナログ製剤「オゼンピック皮下注2mg」の販売を開始した。オゼンピック皮下注2mgは、従来からインスリン製剤等に使用されているペン型注入器「フレックスタッチ」と同様の構造であり、投与に際してはA型専用注射針(30~34G)を使用する。  オゼンピック皮下注については、2020年6月29日に単回投与デバイスを用いた同0.25mg SD、同0.5mg SDおよび同1.0mg SDが発売されている。しかし、2022年3月中旬頃から日本において出荷停止となっていた。オゼンピック皮下注 SDが出荷停止となったことに伴い、医療機関では代替薬への切り替えが行われていた。このような中、用量調節が可能な複数回使用製剤であるオゼンピック皮下注2mgが発売されることとなった。

エスプレッソコーヒー、男性が飲むとコレステロール値が上がる?

 「コーヒーは身体に良い」という論文報告が散見されるも、コーヒー豆に含まれるジテルペン(とくにカフェストール、カーウェオール)が血清コレステロールを上昇させてしまうという報告1)もある。だが、このジテルペンの影響はコーヒーの抽出方法によって異なるようだ。そこで今回、ノルウェー・トロムソ大学のAsne Lirhus Svatun氏らがコーヒーの抽出方法、なかでも研究数の少ないエスプレッソコーヒー(短時間で高圧抽出)と血清総コレステロール(S-TC:serum cholesterol)との関連性を調査した。その結果、エスプレッソコーヒーの消費量は、血清総コレステロールの増加と関連しており、女性と比較して男性のほうが有意に強い関連が示された。また、ボイルド(サイフォン式など)/プランジャーコーヒー(フレンチプレスなど)を摂取したの場合は男女ともに血清総コレステロールが増加し以前の研究で示された結果と同様だったが、フィルターろ過コーヒーに至っては女性で血清総コレステロールがわずかに増加したことが示された。Open Heart誌4月号掲載の報告。

新型コロナ感染者、糖尿病リスクが高まる

 COVID-19罹患後にさまざまな疾患にかかりやすくなる可能性が示唆されているが、それに糖尿病が加わる可能性がある。米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによるコホート研究の結果が、The Lancet Diabetes & Endocrinology誌2022年5月号に掲載された。  本研究では、米国退役軍人省の全国データベースを用いて、2020年3月1日~2021年9月30日にCOVID-19検査で陽性となり、その後30日間生存した群(COVID-19群)18万1,280例、同じ期間に登録した対照群(411万8,441例)、2018年3月1日~2019年9月30日に登録した過去対照群(428万6,911例)からコホートを構成した。どちらの対照群も、SARS-CoV-2感染は認められなかった。

医師の会食・飲み会参加について、医師1,000人の意見

  医師の飲み会・会食参加について、ニュースで取り上げられる時もあるが、医師自身はどのように捉えているのだろうか。今回、会員医師1,000人に、最近の飲み会・会食への参加状況と感染対策について意見を聞いた。  「直近1ヵ月で、3人以上の会食(同居家族を除く)に参加した回数をお教えください」という問いに対し「0回」と回答したのは、飲酒を伴わない会食で806人(81%)、飲酒を伴う飲み会で757人(76%)であり、どちらも「0回」と答えた医師は全体の68%だった。会食への参加が1回以上と回答した医師のうち、1~2回参加した人は飲酒を伴う飲み会かどうかにかかわらず75%を超え、3回以上参加した医師は少数だった。

地中海食、心血管イベントの2次予防にも有用/Lancet

 心血管イベントの2次予防において、地中海食は低脂肪食よりも優れていることが、スペインのレイナ・ソフィア大学病院で実施された単施設の無作為化臨床試験「CORDIOPREV試験」で示された。同病院のJavier Delgado-Lista氏らが報告した。地中海食は心血管イベントの1次予防に有効であることが知られているが、2次予防に関するエビデンスは乏しかった。著者は、「今回の結果は、臨床診療に関連しており、2次予防における地中海食の摂取を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年5月4日号掲載の報告。

PCSK9阻害薬、エゼチミブは心血管リスクを低減/BMJ

 エゼチミブまたはPCSK9阻害薬は、忍容最大用量のスタチン投与中あるいはスタチン不忍容の、心血管リスクがきわめて高い/高い成人において、非致死的な心筋梗塞(MI)および脳卒中を抑制可能なことが示された。同リスクが中程度および低い患者では認められないという。米国・Houston Methodist DeBakey Heart & Vascular CenterのSafi U. Khan氏らがシステマティックレビューとネットワークメタ解析の結果を報告した。BMJ誌2022年5月4日号掲載の報告。