糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:61

糖尿病の合併症を「線」の血糖管理で防ぐ/アボットジャパン

 アボットジャパン合同株式会社は、同社が製造・販売する持続血糖測定器(CGM)の「FreeStyle リブレ」(以下「リブレ」と略す)が、2022年4月より「インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている入院中の患者以外の患者」にも保険適用が拡大されることを受け、オンラインでメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、CGMの使用で把握できる血糖スパイクや夜間低血糖への対応のほか、糖尿病の合併症予防への効果、日常の糖尿病管理での活かし方などが説明された。

甲状腺がん、術後放射性ヨウ素内用療法vs.経過観察/NEJM

 甲状腺全摘術後の低リスク甲状腺がん患者において、放射性ヨウ素内用療法を行わないフォローアップ戦略は、3年時の機能的、構造的および生物学的異常の発生に関して、放射性ヨウ素内用療法によるアブレーション戦略に対し非劣性であることが、フランス・パリサクレー大学のSophie Leboulleux氏らが実施した前向き無作為化第III相試験「Essai Stimulation Ablation 2 trial:ESTIMABL2試験」の結果、示された。甲状腺切除術を受けた低リスク分化型甲状腺がん患者において、術後の放射性ヨウ素(ヨウ素131)の投与は有益性が実証されておらず議論の的であった。NEJM誌2022年3月10日号掲載の報告。  研究グループは2013年5月~2017年3月にフランスの35施設において、甲状腺全摘術を受けた低リスク分化型甲状腺がん患者776例を、術後放射性ヨウ素内用療法群(遺伝子組み換えヒト型甲状腺刺激ホルモン[ヒトチロトロピン アルファとして0.9mg]を24時間間隔で2回筋肉内投与し、最終投与24時間後に1.1GBq[30mCi]の放射性ヨウ素を投与)、または経過観察群(放射性ヨウ素内用療法を行わない)に、施設およびリンパ節転移の有無(N0またはNx)で層別化して無作為に割り付けた。

NAFLDを併存する糖尿病患者の重症低血糖リスクは?

 2型糖尿病と併存する肝硬変では低血糖が起こりやすいことが知られているが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)ではどうなのだろうか。今回、韓国・延世大学校医療院のJi-Yeon Lee氏らの研究によって、2型糖尿病患者におけるNAFLDと重症低血糖との関連が調査された。その結果、2型糖尿病を有するNAFLD患者は、肥満かどうかにかかわらず、救急搬送または入院を必要とする重症低血糖のリスクが26%増加することが報告された。2月23日、JAMA Network Openに掲載。

マルモと認知症(解説:岡村毅氏)

医学界は常に移ろいでいる。社会は高齢化し、重視するものが根治から生活の質へと変わり、プライマリケアの存在感がじわじわと向上している。そのなかで近年注目されてきたのがマルチモビディティ(多疾患併存)である。通常は2つ以上の慢性疾患を持つことを指す。ちなみに「マルモ」などと呼ばれることもあるとかないとか。マルチモビディティを持つ「高齢者」が認知症になりやすいという報告はある。では、若いころのマルチモビディティも認知症のリスク因子であるのでは、と考えるのは自然だ。そうすると長い歴史のあるコホートを戦略的に持っている英国が断然有利だ。あらゆる仮説を、時代をさかのぼってある程度検証できるのだから。ジェームズ・ボンドの国だけあって情報戦に強い、ということか。

GIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatide併用で、血糖コントロール改善/JAMA

 インスリン グラルギンで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者の治療において、インスリン グラルギンにデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideを追加する治療法はプラセボの追加と比較して、40週後の血糖コントロールが統計学的に有意に改善し、用量により5~9kgの体重減少が得られたとの研究結果が、ドイツ・Gemeinschaftspraxis fur innere Medizin und DiabetologieのDominik Dahl氏らによって報告された(SURPASS-5試験)。研究の成果は、JAMA誌2022年2月8日号に掲載された。

多疾患罹患、中年期の発症で認知症リスク増加 /BMJ

 多疾患罹患(multimorbidity)は、高年期よりも中年期の発症で認知症との関連が強く、併存する慢性疾患の数が多いほど認知症のリスクが高くなることが、フランス・パリ大学のCeline Ben Hassen氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月2日号で報告された。  研究グループは、中年期および高年期の多疾患罹患と、認知症の新規発症との関連を評価する目的で、前向きコホート研究を実施した(米国国立老化研究所[NIA]などの助成を受けた)。

非糖尿病肥満患者に対するセマグルチド2.4mg/週の体重減少作用はリラグルチド3.0mg/日より優れている(解説:住谷哲氏)

STEPは抗肥満薬としてのセマグルチド2.4mg/週の臨床開発プログラムである。セマグルチド1.0mg/週を対照薬としたSTEP 2を除いて、STEP 1~7はすべてプラセボ対照試験であったが、本試験STEP 8ではリラグルチド3.0mg/日がactive comparatorに設定された。試験デザインも他のSTEPと同様で観察期間は68週とされた。結果は68週後の体重減少率はセマグルチド2.4mg/週の-15.8%に対してリラグルチド3.0mg/日では-6.4%であり、セマグルチド2.4mg/週群が有意に優れていた。一方、治療中断率はセマグルチド群13.5%に対してリラグルチド群27.6%であった。

家族性高コレステロール血症、世界的に診断遅れ/Lancet

 ホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH)患者について、38ヵ国を対象に調べたところ、世界的に診断年齢が高く、とくに非高所得国では、十分な治療がなされず初回の主要心血管有害イベントが20代で発生している現状が示された。オランダ・アムステルダム大学のTycho R. Tromp氏ら、HoFH患者の治療を行う医師らによるHoFH International Clinical Collaborators(HoFH国際臨床共同研究グループ)が明らかにし、Lancet誌オンライン版2022年1月28日号で発表した。  研究グループは、38ヵ国、88ヵ所の医療機関を通じて、臨床または遺伝的にHoFHの診断を受けた751例の患者についてレジストリを作成し、後ろ向きコホート試験を行った。  HoFH患者の臨床・遺伝的特徴と、治療の現状、アウトカムへの影響を検証した。

カレーライスの消費とうつ病、高血圧、糖尿病との関連

 韓国・順天大学校のHai Duc Nguyen氏らは、カレーライスの消費と心血管疾患(CVD)、2型糖尿病(T2DB)、関節炎、うつ病との関連について調査を行った。Diabetes & Metabolic Syndrome誌オンライン版2021年12月26日号の報告。  18歳以上の1万7,625人を対象に、社会人口統計学的特性、ライフスタイル、病歴、現在使用している薬剤、家族歴、食物消費に関するデータを収集した。カレーライスの消費とCVD、T2DB、関節炎、うつ病との関連を調査するため、多変数調整分析を用いた。

COVID-19入院時の患者に糖尿病の診断をする重要性/国立国際医療研究センター

 糖尿病は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクの1つであること、また入院中の血糖コントロールの悪化が予後不良と関連することが知られている。しかし、わが国では入院時点で新たに糖尿病と診断される患者の臨床的な特徴については、明らかになっていなかった。  国立国際医療研究センター病院の内原 正樹氏、坊内 良太郎氏(糖尿病内分泌代謝科)らのグループは、糖尿病を合併したCOVID-19患者の臨床的な特徴を分析し、その結果を発表した。この研究は2021年4月~8月に同院にCOVID-19と診断され入院した糖尿病患者62名を対象に実施された。