消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:165

低用量デキサメタゾンの予防的投与はTKAの術後悪心・嘔吐および疼痛軽減に有効

 デキサメタゾン(商品名:デカドロンほか)は強力な鎮痛薬であり、かつ制吐薬である。人工膝関節置換術(TKA)後のデキサメタゾン投与の利点は不明であったが、韓国・カトリック大学校議政府聖母病院のIn Jun Koh氏らは無作為化試験にて、ラモセトロン(同:ナゼアほか)単独投与に比べ、ラモセトロン+デキサメタゾンの予防的投与のほうが、創傷合併症のリスクが増加することなく術後嘔吐および疼痛が減少することを明らかにした。Clinical Orthopaedics and Related Research誌オンライン版2013年5月4日号の掲載報告。

H.pylori有病率と関連する遺伝的要因が明らかに/JAMA

 白人集団におけるゲノムワイド関連研究(GWAS)の結果、遺伝子座Toll様受容体(TLR)1と、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の血清疫学的有病率との関連が明らかになった。ドイツ・グライフスヴァルト大学のJulia Mayerle氏らが、2つの独立した集団コホートからなる計1万例について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2013年5月8日号で発表した。発展途上国では、H.pyloriの有病率が90%と高率だが、高頻度の曝露にもかかわらず残り10%の人には同感染が認められないことが明らかとなっていた。そのため、H.pyloriに対する感受性には遺伝的要因が関連しているとの仮説があり、研究グループは、GWASによってその特定を試みた。

ヘパリン橋渡し療法・・・それは正しい経験則だったのか?(コメンテーター:山下 武志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(101)より-

 経口抗凝固療法を服用している脳卒中ハイリスク患者では、侵襲的治療に伴う出血と抗凝固療法中断に伴う脳梗塞のリスクを考えることがいつも難しい。抜歯や白内障の手術では抗凝固療法継続のまま行うことが常識となっているが、それ以外の侵襲的治療ではワルファリンの中断とヘパリンによる橋渡し治療が行うことが多いだろう。

ソホスブビル、既治療の遺伝子型2、3型HCV感染患者に有効/NEJM

 ペグインターフェロン(PEG)+リバビリン(RBV)療法が適応外または無効な、遺伝子型2、3型C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者に対し、ソホスブビル(SOF)+RBV療法は高い有効性と安全性を示すことが、米国ワイルコーネル大学(ニューヨーク市)のIra M. Jacobson氏らの検討で明らかとなった。欧米では現在、これらの患者の治療選択肢として承認されたレジメンはない。ソホスブビルはHCV特異的NS5Bポリメラーゼのヌクレオチド誘導体阻害薬で、in vitroではすべての遺伝子型のHCVを抑制し、第II相試験で2、3型HCV感染患者に対する有効性が確認されている。NEJM誌オンライン版2013年4月23日号掲載の報告。

慢性胃食道逆流症、噴門形成術は薬物治療より長期アウトカムも良好/BMJ

 慢性胃食道逆流症(GORD)への腹腔鏡下噴門形成術は、薬物治療と比べて長期的な生活の質(QOL)についても改善することが明らかにされた。英国・アバディーン大学のA.M.Grant氏らが行った多施設共同無作為化試験「REFLUX」の結果で、BMJ誌オンライン版2013年4月18日号で発表された。GORD患者に対する腹腔鏡下噴門形成術は、短期的な症状の軽減については、薬物治療よりも良好である可能性が高いことを示すエビデンスは示されていたが、長期的アウトカムについては不明だった。

切除不能大腸がんの標準化学療法後に新たな治療薬

 現在、切除不能進行・再発大腸がんに対する治療は、大腸癌治療ガイドライン(2010年版)において、KRAS野生型では3次治療、KRAS変異型では2次治療までの治療アルゴリズムが推奨されており、国内では多くの医師がこれを順守している。先月25日、これらの標準化学療法が無効になった症例に対する治療薬として、レゴラフェニブ(商品名:スチバーガ)が承認された。東京医科歯科大学大学院教授の杉原 健一氏は、4月23日のバイエル薬品株式会社主催のプレスセミナーで、本剤の作用機序や第III相臨床試験成績を紹介し、標準化学療法後の新たな治療薬として期待を示した。そのうえで、副作用管理の重要性を強調し、発売後早期に症例データを集積し、自身が会長を務める「大腸癌研究会」のホームページに結果を掲載し注意を喚起していきたいと語った。