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- 2024/12/20
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〔CLEAR! ジャーナル四天王(92)〕 胃食道逆流症に対する外科的手術と薬物療法(REFLUX試験)
本論文は、胃食道逆流症(GERD)の治療における薬物療法と外科的治療の有用性を比較検討したものである。研究デザインが複雑であるのが特徴で、研究デザインはRCTであるが、試験の経過観察中に実際に行われた治療法は、被験者の希望を尊重したものとなっている。
慢性胃食道逆流症、噴門形成術は薬物治療より長期アウトカムも良好/BMJ
慢性胃食道逆流症(GORD)への腹腔鏡下噴門形成術は、薬物治療と比べて長期的な生活の質(QOL)についても改善することが明らかにされた。英国・アバディーン大学のA.M.Grant氏らが行った多施設共同無作為化試験「REFLUX」の結果で、BMJ誌オンライン版2013年4月18日号で発表された。GORD患者に対する腹腔鏡下噴門形成術は、短期的な症状の軽減については、薬物治療よりも良好である可能性が高いことを示すエビデンスは示されていたが、長期的アウトカムについては不明だった。
切除不能大腸がんの標準化学療法後に新たな治療薬
現在、切除不能進行・再発大腸がんに対する治療は、大腸癌治療ガイドライン(2010年版)において、KRAS野生型では3次治療、KRAS変異型では2次治療までの治療アルゴリズムが推奨されており、国内では多くの医師がこれを順守している。先月25日、これらの標準化学療法が無効になった症例に対する治療薬として、レゴラフェニブ(商品名:スチバーガ)が承認された。東京医科歯科大学大学院教授の杉原 健一氏は、4月23日のバイエル薬品株式会社主催のプレスセミナーで、本剤の作用機序や第III相臨床試験成績を紹介し、標準化学療法後の新たな治療薬として期待を示した。そのうえで、副作用管理の重要性を強調し、発売後早期に症例データを集積し、自身が会長を務める「大腸癌研究会」のホームページに結果を掲載し注意を喚起していきたいと語った。
新薬情報:発売(アメパロモカプセル250mg)
2013年4月12日発売
新たな核酸医薬品miR-122阻害薬ミラヴィルセン、慢性C型肝炎の治療に有望/NEJM
C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型の慢性感染患者に対し、microRNA-122(miR-122)阻害薬ミラヴィルセンは、用量依存的にHCV RNA濃度を低下することが示された。オランダ・エラスムス大学病院のHarry L.A. Janssen氏らが行った国際共同第2a相無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2013年3月28日号で発表した。ミラヴィルセンは、ロックド核酸-修飾DNAホスホロチオエート・アンチセンスオリゴヌクレオチドで、成熟したmiR-122を安定したヘテロ二本鎖に隔離することで、その機能を阻害する新たな核酸医薬品である。
ソホスブビル+リバビリン併用12週治療で、慢性HCV患者のSVR24達成/Lancet
肝硬変のない未治療の慢性C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1の患者に対する、NS5Bポリメラーゼ選択的阻害薬ソホスブビルのペグインターフェロンα-2a+抗ウイルス薬リバビリン(商品名:レベトールほか)との併用12週間治療の有効性と安全性を検討した第2相試験「ATOMIC」の結果が報告された。本試験は、同患者に対する標準療法の24週間治療法(ポリメラーゼ阻害薬+リバビリン)と同等の効果が、ソホスブビルレジメンの12週間治療法で認められるか、また同レジメン12週投与後にソホスブビル単独療法もしくはソホスブビル+リバビリン併用投与を12週間追加した場合のあらゆるベネフィットを調べることが目的であった。Lancet誌オンライン版2013年3月14日号掲載の報告より。
「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義
2012年3月18日(月)、マスコミセミナー「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義 が開催された。国立国際医療研究センター国府台病院 院長 上村直実氏と東海大学医学部総合内科 教授 高木敬司氏が、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎保険適用のメリット、プロバイオティクス併用除菌の可能性などについて最近の知見を紹介した。
食道下部への磁気デバイス留置で、GERDの胃酸逆流を抑制/NEJM
手術的に食道下部に装着して括約筋を補強する磁気デバイスが、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の効果が十分でない胃食道逆流症(GERD)患者の胃酸逆流の抑制に有効である可能性が、米国・Minnesota GastroenterologyのRobert A. Ganz氏らの検討で示された。GERDの根本的な病理学的異常は食道下部括約筋の機能低下だという。現在の第1選択治療は主にPPIによる胃酸分泌抑制だが、文献的には最大40%の患者で症状のコントロールが不十分とされる。これらの患者には噴門形成術(Nissen法)が適応となる場合があるが、合併症のため同意が得られないことも多いとされる。NEJM誌2013年2月21日号掲載の報告。
〔CLEAR! ジャーナル四天王(61)〕 他人の糞便注入によるクロストリジウム・ディフィシル腸炎の治療に、明白な有効性を証明!
近年、抗菌薬投与に伴うクロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)腸炎が欧米で流行し、binary toxin産生やニューキノロン耐性株による、重篤例・再燃例の増加が注目されている。本邦では、このような強毒株の流行はみられないものの、C.ディフィシル腸炎自体は広くみられており、院内感染対策上の重要な課題と捉えられている。 本症は、投与された抗菌薬により腸管内の正常細菌叢が抑制され、毒素産生性のC.ディフィシルが異常増殖して発症するものであり、重症例では偽膜性大腸炎の形をとる。C.ディフィシルは、遺伝子レベルで少数存在する例を含めれば、過半数の人の腸管に常在するが、病院や高齢者施設では、芽胞汚染による院内感染の事例も知られている。本症の治療には、C.ディフィシルに抗菌力を示すバンコマイシンやメトロニダゾールを投与すれば良いのだが、これらは栄養型には抗菌力を示すが、芽胞化して生き残るため、バンコマイシン治療を終えると芽胞から出芽し、再燃してくる。また、乾燥や消毒剤にも抵抗性の芽胞が病院を汚染し、二次感染を引き起こす事例も知られている。
エキスパートに聞く!「制吐剤バッグ製剤を臨床に活かす、骨髄腫治療の新展開」
昨年末発売された新たな制吐剤バッグ製剤と骨髄腫治療薬に対し、臨床でのメリットと有効活用方法を、がん研有明病院 畠 清彦 氏に聞いた。