産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:59

進行子宮頸がんのベバシズマブ併用、第III相試験の最終解析/Lancet

 米国・カリフォルニア大学のKrishnansu S. Tewari氏らが、進行子宮頸がん患者を対象に血管新生阻害薬ベバシズマブ併用の有効性と安全性を評価した「米国婦人科腫瘍グループ(GOG)240試験」の、全生存期間(OS)と有害事象に関する最終解析結果を報告した。2012年の第2回中間解析でOSの改善が認められ、その結果に基づき2014年8月14日、米国で進行子宮頸がんに対するベバシズマブの使用が承認されたが、今回の最終解析においても、ベバシズマブ併用の有用性が全生存曲線により示され、追跡期間が延長しても持続していることが確認された。また、ベバシズマブ投与中に増悪しベバシズマブの投与を中止しても、その後の生存期間が化学療法単独療法中止後より短縮するという負のリバウンド作用は認められなかった。Lancet誌オンライン版2017年7月27日号掲載の報告。

BRCA1/2変異保有者における乳がん、卵巣がんおよび対側乳がん発症リスクに関する大規模研究(解説:矢形 寛 氏)-710

本研究は欧米の3つのコンソーシアムに登録されているBRCA1/2変異保有者における前向き観察研究であり、遺伝カウンセリングを行ううえで非常に参考になるものである。今まではメタ分析あるいは英国の前向き研究の結果を用いていたが、今後はより規模が大きく精度の高い本研究の結果を活用したい。

新生児薬物離脱症、オピオイド+向精神薬でリスク増/BMJ

 新生児の薬物離脱症について、オピオイドのみの子宮内曝露を受けた児に比べて、ベンゾジアゼピン系薬などの向精神薬の曝露も同時に受けた児では、リスクや重症度が増大する可能性が示唆された。なかでも、オピオイド+ガバペンチンの子宮内曝露群では、オピオイド単独曝露群に比べ、同発症リスクが約1.6倍増加した。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のKrista F. Huybrechts氏らが、2000~10年のメディケイドデータを用いた分析抽出(Medicaid Analytic eXtract:MAX)コホート内コホート試験を行った結果で、BMJ誌2017年8月2日号で発表した。妊娠中のオピオイド処方と合わせた向精神薬の使用は一般的にみられるが、安全性に関するデータは不足している。

母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

 ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)のリスクは、妊娠前の母親の肥満などの環境的要因の影響を受ける可能性がある。これらの関連を調査したこれまでの研究では、異なる見解が得られている。デンマーク・オーフス大学病院のChristina Hebsgaard Andersen氏らは、これらの関連をさらに調査するためADHD、ASDおよびADHDとASDが併存した小児における大規模出生コホートを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年7月15日号の報告。

「働き方改革」は希望か、懸念か?勤務医1,000人に聞いた実態と本音

 来月召集される秋の臨時国会の焦点となっている「働き方改革」。昨年、電通社員の過労による自死事件でにわかに長時間労働の実態と弊害がクローズアップされ、見直しの機運が高まっている。そして、この動きは医療界にも少なからず影響を及ぼすことになるだろう。そこでケアネットでは、CareNet.comの医師会員を対象に働き方をめぐるアンケート調査を実施し、1,000人の労働事情について聞いた。

妊娠高血圧症候群後の高血圧リスクの詳細が明らかに/BMJ

 妊娠高血圧症候群(HDP)と関連する高血圧症のリスクは出産直後ほど高く、20年以上経ってもリスクは高いままであることが、デンマーク・Statens Serum Institut(SSI)社疫学研究部門のIda Behrens氏らによる同国民対象の登録コホート研究の結果、明らかにされた。HDP妊産婦の最大3分の1が、出産後10年間に高血圧症を発症する可能性があり、著者は「HDP妊産婦について心血管疾患の予防対策として、出産直後からの血圧モニタリングを実施すべきである」と提言している。HDPを有した女性は、出産後に本体性高血圧を発症するリスクが2~4倍高いとされている。しかしHDP妊産婦の出産直後の高血圧症リスクがどれくらい増大するのかは不明であり、また、出産後のリスクの経年変化も明らかではなく、これらの女性の臨床におけるフォローアップのエビデンスはなかった。BMJ誌2017年7月12日号掲載の報告。

健康的な生活で妊娠高血圧症候群後の高血圧リスク低下/BMJ

 女性の妊娠高血圧症候群(HDP)後の慢性高血圧症のリスクは、健康的な生活習慣を順守すれば明らかに低減することが可能であり、とくに健康的な体重の維持が重要であることが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSimon Timpka氏らによる、看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)の観察研究の結果で、BMJ誌2017年7月12日号で発表された。これまでの研究で、HDP歴のある女性は慢性高血圧症や心血管疾患のリスクが高いことが示されている。一方で、一般集団において、健康的な生活習慣は慢性高血圧症を低減可能なことが示唆されていた。

妊娠中、血中濃度変化に注意が必要な抗精神病薬は

 妊娠は薬物動態に変化を及ぼすことが知られているが、抗精神病薬の血中レベルへの影響についてはほとんど知られていない。ノルウェー・St Olav University HospitalのAndreas Austgulen Westin氏らは、妊娠前後の抗精神病薬血中モニタリングを行い、血中レベルへの影響を検討した。Clinical pharmacology and therapeutics誌オンライン版2017年6月23日号の報告。

BRCA1変異女性の乳がんリスク、80歳で72%/JAMA

 BRCA1またはBRCA2遺伝子変異の保因状況は、乳がん、卵巣がん、対側乳がんのリスクを予測し、リスク評価では家族歴および変異位置が重要となる可能性があることが、英国・ケンブリッジ大学のKaroline B. Kuchenbaecker氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年6月20日号に掲載された。これまでに行われた後ろ向き研究では、BRCA1変異保因女性が70歳までに乳がんを発症するリスクは40~87%、BRCA2変異保因女性は27~84%であり、卵巣がんのリスクはそれぞれ16~68%、11~30%と報告されている。このような大きなばらつきが生じる原因として、サンプリング法、対象集団や遺伝子変異の特性、分析法の違いなどが挙げられ、後ろ向き研究におけるバイアスの可能性が指摘されており、これらの問題を回避する前向き研究の実施が望まれてきた。

子癇前症ハイリスク妊婦への低用量アスピリンは?/NEJM

 早期子癇前症リスクの高い妊婦に対し、妊娠11~14週から36週にかけて低用量アスピリンを投与することで、妊娠37週以前の子癇前症リスクはおよそ6割減少することが示された。英国・キングス・カレッジ病院のDaniel L. Rolnik氏らが、1,776例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2017年6月28日号で発表した。早期子癇前症は、母体および周産期の死亡や合併症の重大要因である。低用量アスピリン服用で、そのリスクが低下可能か、これまで確認されていなかった。