感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:173

新型コロナ肺炎、その他の肺炎と比較した臨床的特徴

 新型コロナ(2019-nCoV)肺炎とその他の肺炎の臨床的特徴に関する比較研究が行われ、新型コロナ肺炎では肝機能障害の発生頻度が高く、またLDHおよびα-HBDHの値がマーカーとなる可能性が示唆された。中国・安徽医科大学のDahai Zhao氏らによる、Clinical Infectious Diseases誌オンライン版3月12日号掲載の報告。2020年1月23日から2月5日まで、中国・安徽省の2病院において、19例の新型コロナ肺炎患者と15例の非新型コロナ肺炎患者が登録された。1日おきに咽頭スワブまたは喀痰検体が採取され、リアルタイムRT-PCRにより2019-nCoV感染の有無が確認された。非新型コロナ肺炎患者については、入院後7日間での3回の連続的なリアルタイムRT-PCRで陰性だった場合に、確定された。

PCR検査を巡る不適切事例、内容と今後改善すべき点は/日本医師会

 3月18日の日本医師会定例会見において、「新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査を巡る不適切事例」の調査結果が報告された。釜萢 敏氏(同会感染症危機管理対策室長)、横倉 義武氏(同会会長)が登壇し、調査結果を受けての今後の対策等について説明した。併せて、医療機関の現場で「職場から新型コロナウイルス陰性の証明をとってくるように言われた」という労働者の事例が発生していることに触れ、正しい情報の周知および医療機関と各都道府県の協働を求めた。

COVID-19治療薬スクリーニングのための原薬提供など、各社対応/製薬協

 日本製薬工業協会(製薬協)は3月18日、治療薬スクリーニングのための原薬提供など、会員各社の新型コロナウイルス感染対策への取り組み(3月10日時点の会員会社の開示情報)について発表した。会員各社は、厚生労働省事務連絡「新型コロナウイルス感染症の治療に用いる医薬品のスクリーニングに用いる原薬の提供依頼について」を受け、国立感染症研究所(感染研)における「新型コロナウイルス感染症の治療に用いる医薬品の基礎的なスクリーニング計画」に協力し、感染研での治療薬スクリーニングのために化合物原薬または関連論文を提供している。

COVID-19患者、ウイルス排出期間中央値が20日/Lancet

 新型コロナウイルスへの感染が確認された成人入院患者について調べたところ、高齢、高Sequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコア、Dダイマー値1μg/L超が、院内死亡リスク増大と関連することが示された。また、生存者のウイルス排出期間中央値は20.0日であった。中国・北京協和医科大学付属医院のFei Zhou氏らが、患者191例について行った後ろ向きコホート研究を報告した。Lancet誌オンライン版2020年3月9日号掲載の報告。

新型コロナ、無症状感染者の陰性化には9日間か―藤田医科大の症例報告

 国内における多くの新型コロナウイルス感染症の患者を出したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗員・乗客で、症状はないもののPCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された人(無症状病原体保有者)および感染者との濃厚接触歴が確認された人(濃厚接触者)を受け入れた藤田医科大学病院岡崎医療センター(愛知県岡崎市)が3月13日、このうち90例について日本感染症学会ホームページで経過を報告した。それによると、3月6日夜の時点で、90例中87例において2回連続のPCR陰性が確認された。初めて陽性と確認された日から起算して、陰性化に要した日数の中央値は9日(四分位範囲:6~11日、範囲:3~20日)であった。

経口ART中のHIV-1感染患者に、月1回のCAB+RPVは有効か/NEJM

 標準的な経口抗レトロウイルス療法(ART)を受けているヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染患者の維持療法では、長期作用型注射薬cabotegravir(CAB、インテグラーゼ阻害薬)+リルピビリン(RPV、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の月1回投与への切り替えは、標準治療を継続するアプローチに対し、有効性に関して非劣性であることが、米国・ネブラスカ大学医療センターのSusan Swindells氏らによる「ATLAS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年3月4日号に掲載された。HIV-1感染患者の治療では、簡略化されたレジメンの導入により、患者満足度が向上し、アドヒアランスが促進される可能性があるという。

現場に即した新型コロナ対策シンポジウムを配信/ファイザー

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供の一環として、3月23日(月)、31日(火)に医療者向けインターネットシンポジウムを開催する。両日とも、現場の第一線で活躍する忽那 賢志氏らが講演を行う予定で、同社の無料会員制サイト『PfizerPRO』から視聴可能である。  詳細は以下のとおり。 (1)COVID-19セミナー 現場に届け、緊急新型コロナ対策  演題名:「新型コロナ:今分かっている事、出来る事」

新型コロナ感染後、発症前の2次感染が多い可能性

 新型コロナウイルスの連鎖感染の連続症例の発症間隔について、北海道大学の西浦 博氏らが28ペアの連続症例のデータから推計したところ、潜伏期間中央値(約5日)と同等もしくはそれより短かった。この結果は、感染から発症までの間に、多くの2次感染が起こっている可能性を示唆している。International Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2020年3月4日号に掲載。流行初期に湖北省武漢市で報告されたデータを使用した疫学研究(Li Q, et al. N Engl J Med. 2020 Jan 29. [Epub ahead of print])では、連続症例の

HIVの維持療法、長期作用型注射薬の有効性は/NEJM

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者の維持療法において、いずれも長期作用型注射薬であるcabotegravir(CAB、インテグラーゼ阻害薬)とリルピビリン(RPV、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)2剤併用の月1回投与の有効性は、経口薬3剤の毎日投与に対し非劣性であることが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のChloe Orkin氏らの「FLAIR試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年3月4日号に掲載された。現在の抗レトロウイルス療法(ART)の有効性は高い。そのため、進行中の薬剤開発の焦点の1つは、副作用プロファイルの改善と、治療からの離脱を低減するための利便性だという。また、長期の毎日投与レジメンは、患者に不満を生じさせたり、スティグマの原因となり、アドヒアランスを損なって治療失敗のリスクを高める可能性があることから、より受け入れやすい治療アプローチが求められている。

COVID-19疑い例の診療に関する留意点/日本医師会

 3月11日、日本医師会・釜萢 敏氏(同会感染症危機管理対策室長)は、「新型コロナウイルス感染症が疑われる者の診療に関する留意点について」記者会見で説明し、一般の医療機関においても十分な周知を求めた。  釜萢氏は、地域の各医療機関の外来に共通する感染予防策として、基本的に誰もが新型コロナウイルスを保有している可能性があることを想定し、すべての患者の診療において、標準予防策であるサージカルマスクの着用と手指衛生の励行を徹底するよう指示した。