感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:173

新型コロナウイルス感染症、気になる他診療所の動向は?-会員医師アンケート

 連日、ニュースで大きく取り上げられている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。医師の皆さまは「診療所でどこまで対応するべきなのか」「ほかの施設では検査を希望する患者はいたのか?」など、さまざまな疑問をお持ちではないだろうか。ケアネットでは2020年3月5日(木)、病床を有していない診療所で働く会員医師103名に「新型コロナウイルス感染症、自施設での対応策や困っていること」についてアンケートを行った。アンケートでは、「COVID-19の検査を希望した患者数」「COVID-19を考慮し、患者と医療者のそれぞれを守るために日常診療で実施している対応や対策」「COVID-19の影響で日常診療において困っていることや、知りたいこと」について聞いた。

COVID-19の予防ワクチンの開発始動

 3月4日、アンジェス株式会社は、大阪大学と新型コロナウイルス(COVID-19)の予防ワクチン共同開発のプレス発表会を行い、ワクチン開発の経緯、今後の見通しなどを説明した。  セミナーでは、同社代表取締役社長の山田 英氏が今回の大阪大学との開発事業について、過去にDNAプラスミド製品を上市した実績から開発を行うこととなった経緯を説明した。なお、ワクチンの構築・製造は、タカラバイオ株式会社が担当する。  つぎに森下 竜一氏(大阪大学大学院医学研究科臨床遺伝子治療学 教授)が、「新型コロナウィルス 予防ワクチンの開発について」をテーマに、開発されるワクチンの仕組みや完成までの見通しを解説した

忽那氏によるCOVID-19最新総説が公開/中外医学社

 中外医学社は2020年3月9日より、忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)が執筆した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新総説を「J-IDEO」の号外としてnoteに無料でweb公開している。  これには疫学、伝播様式、臨床症状をはじめ、検査・診断や治療などがエビデンスを基にわかりやすくまとめられている。たとえば、病原体の項には過去のコロナウイルス感染症との致死率や感染力などをまとめた表が、治療の項では治療薬候補の現状を示した表が盛り込まれている。簡潔にまとめられているため、COVID-19の理解について整理したい方にお薦めである。

COVID-19重症患者に特徴的なCT所見と症状

 中国・重慶医科大学附属第二医院のKunhua Li氏らの調査により、重症または重体のCOVID-19肺炎では、臨床症状、臨床検査値、CT重症度スコアに有意な差があることがわかった。多くの因子が疾患の重症度に関連しており、重症度の判断と予後の評価に役立つとしている。Investigative Radiology誌オンライン版2020年2月29日号に掲載。  著者らは、COVID-19肺炎患者83例(重症または重体が25例、それ以外が58例)について、胸部CT画像所見と臨床データを比較し、重症度に関連する危険因子を検討した。

局所進行NSCLCに対する化学放射線療法とペムブロリズマブの同時併用/JAMA Oncol

 化学放射線療法後のPD-L1阻害薬による地固め療法は、Stage III非小細胞肺がん(NSCLC)の全生存率と無増悪生存率(PFS)を改善する。一方、化学放射線療法開始時のPD-L1阻害薬導入についての評価は明らかではない。そこで、NSCLCの根治的化学放射線療法とPD-1阻害薬ペムブロリズマブの同時併用の安全性と忍容性を決定する目的で前向き多施設非無作為化比較第I相試験が行われた。

小児のCOVID-19、糞便からもウイルス検出

 小児のCOVID-19は通常軽度であるが、臨床プロファイルは不明である。中国・復旦大学附属小児病院のJiehao Cai氏らは、小児症例の疫学的曝露を明らかにするための調査を行ったところ、回復期の呼吸器および糞便検体から長期間にわたってウイルス排出が観察された。また、小児では発症までの期間が6.5日と、成人症例の5.4日よりも長かったことから、小児のCOVID-19ではウイルスの潜伏期間が長い可能性が示唆された。これを踏まえて、研究者らは「これらの疫学的特徴は小児症例を早期に認識して感染予防管理介入を適時に行うための重要な手がかりとなる。ただし、小児のCOVID-19の臨床的特徴と自然史を理解するには、さらなる研究とサーベイランスが必要」としている。

HPVワクチン+検診で子宮頸がん撲滅可能/Lancet

 今世紀末までに、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種率が上昇できれば、ほとんどの低~中所得国(LMIC)における子宮頸がんを撲滅可能であることが示された。また検診の受診率上昇が、子宮頸がんの減少を促進し、疾病負荷の最も高い国における子宮頸がんの撲滅に必要であることも示唆された。カナダ・ラヴァル大学のMarc Brisson氏らが、LMIC 78ヵ国を対象とした、世界保健機関(WHO)の子宮頸がん撲滅プログラムが子宮頸がん罹患率に及ぼす影響に関するモデル分析の結果を報告した。WHOは公衆衛生の問題として子宮頸がん撲滅のための行動喚起を表明しており、研究グループは、世界的な取り組みへの情報提供に役立てるため、LMICにおける子宮頸がん撲滅の実現の可能性と時期を検証し、撲滅の過程で避けられる子宮頸がんの症例数を推定するために、HPVワクチン接種と子宮頸がん検診のシナリオをモデル化した。Lancet誌2020年2月22日号掲載の報告。

ロピナビル・リトナビルで治療したCOVID-19/日本感染症学会

 3月3日、日本感染症学会(理事長:舘田 一博)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特設ページの中で、宮下 馨氏(国際医療福祉大学熱海病院 糖尿病代謝内科)らによる「ロピナビル・リトナビルで治療した新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の症例報告」を公開した。  症例報告は、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に乗船の70代・女性の症例。搬送時には無症状であったものの、のちに高熱と肺炎を生じ、抗HIV薬であるロピナビル・リトナビル配合剤(商品名:カレトラ)で治療を行ったもの。投与後は自覚症状の改善があり、入院後20日間でPCRの陰性化を確認し、退院に至った。

COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニドで改善、国内3症例の詳細

 国内における新型コロナウイルス感染症の患者を多く出したダイヤモンドプリンセス号。患者の一部について治療に当たった神奈川県立足柄上病院は3月2日、喘息治療の第1選択薬である吸入ステロイド薬のシクレソニドの投与により症状が改善した3例について、日本感染症学会のホームページにその詳細を報告した。いずれもCOVID-19による酸素化不良やCT所見などが見られたが、薬剤投与により良好な経過を得ているという。

「屋内の閉鎖的空間でクラスター発生か」新型コロナ専門家会議が見解

 新型コロナウイルス感染症を巡り、国の専門家会議(座長:脇田 隆字 国立感染症研究所所長)は3月2日、厚生労働省の対策本部が分析した内容に基づき現時点の見解をまとめた。国内では、これまで感染者が出ていなかった自治体においても日々新たな感染者が確認され、拡大傾向が続いていると見られる。見解では、北海道のデータ分析などにより、重症化する割合が低い若年層から多くの中高年層に感染が及んでいること、屋内の閉鎖的な空間における濃厚接触が、クラスターの発生および感染の急速な拡大を招く一因になっていることなどを挙げた。