COVID-19、182ヵ国の対応・管理能力は/Lancet

COVID-19のアウトブレークを踏まえ、公衆衛生上のリスクとイベントに対する既存の健康安全保障能力を評価する目的で182ヵ国の国際保健規則(IHR)年次報告を解析した結果を、スイス・世界保健機関(WHO)のNirmal Kandel氏らが報告した。世界各国のアウトブレークに対する予防、検知および対応の能力は大きく異なっているが、半数の国は高い運用即応性を備えており、COVID-19を含む衛生緊急事態に対して、効果的に対応できることが示唆されたという。IHRで強調されているように、感染症のアウトブレークなど公衆衛生上のリスクを管理するためには、事象を予防、検知し、対応する公衆衛生対策が不可欠である。解析を踏まえて著者は、「COVID-19に関する国家の即応能力を十分理解するには、地域リスク評価からの知見が必要である。また、アウトブレークの制御に対するグローバルな即応を強化するには、単一ではなく複数国家での能力構築(capacity building)と協力(collaboration)が必要である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2020年3月18日号掲載の報告。