感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:228

H7N9ワクチン、安全性と効果/JAMA

 鳥インフルエンザA/上海/2/13(H7N9)ワクチンの安全性と免疫原性について、MF59アジュバント有無の4つの抗原用量を比較した第II相多施設共同二重盲検無作為化試験の結果が発表された。米国・エモリー大学医学部のMark J. Mulligan氏らによる検討の結果、最小用量3.75μg+MF59アジュバントの2回接種(0、21日)群において、42日時点の抗体陽転率は59%であったことが報告された。鳥インフルエンザH7N9は、2013年に中国で確認された新型の鳥インフルエンザウイルスで、家禽には問題なかったが、ヒトでは重症肺炎を引き起こし、同国では入院率67%、死亡率33%に達した。WHOには2014年6月27日時点で、検査確認症例450例のうち165例の死亡(36.6%)が報告されているという。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。

世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見

 今夏、日本国内で、海外渡航歴がないにもかかわらずデング熱を発症した患者が発見された。日本国内での感染は1940年代前半の流行以来、実に約70年ぶりであり、患者数は158人に上った(2014年10月14日現在)。全世界では、現在25億人以上がデング熱流行地で生活している。そして、年間5,000万人以上がデング熱を発症しており、近年急速な広がりをみせている。

肺がんPET、肺感染症流行地では不適/JAMA

 18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査による肺がんの診断は、肺感染症の流行を繰り返したり蔓延している地域(流行地)での使用は支持できないことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのStephen A. Deppen氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。FDG-PETによる肺結節に対する診断精度は非常にばらついており、FDG-PET+CTによる悪性腫瘍の特定は、肺感染症流行地では同非流行地と比べて低いことが判明したという。FDG-PETは肺がん疑い症例への非侵襲的な診断手法として使用が推奨されているが、著者は、「今回のデータは、肺感染症流行地での使用は、診断精度が同程度にならない限り支持できないことを示すものであった」とまとめている。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告。

エボラウイルス病、11月には2万例超えるか/NEJM

 西アフリカのエボラウイルス病(EVD)患者は、感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後、毎週数百~数千例の割合で増加し続け、11月初旬には2万例を超えると予測されることが、WHO Ebola Response Teamの調査で明らかとなった。2014年3月23日、WHOはギニアにおけるEVDのアウトブレイクを公式に認定した。また、8月8日には、この流行に対し「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(public health emergency of international concern)」を宣告している。NEJM誌オンライン版2014年9月23日号掲載の報告。

HPVスクリーニングに尿検査が有用/BMJ

 尿検査による子宮頸部ヒトパピローマウイルス(HPV)検出の精度は良好と思われ、初尿サンプルを用いるのがランダム尿や中間尿を用いるよりも正確であることが判明した。英国・ロンドン大学のNeha Pathak氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。細胞診検査による子宮頸部HPV検出は精度の高いスクリーニング法とされるが、侵襲的な検査のため現行スクリーニングプログラムの大きな障壁となっている。今回の結果を踏まえて著者は、「サブグループで子宮頸部細胞診検査が困難であるときは、受け入れ可能な選択肢として尿中HPV検出を検討すべきであろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2014年9月16日号掲載の報告より。

英プライマリケアの抗菌治療失敗が増加/BMJ

 英国では、1990年代後半にプライマリケアでの抗菌薬の処方が減少しプラトーに達した後、2000年以降再び増加し、耐性菌増加の懸念が出てきている。  英・カーディフ大学のCraig J Currie氏らは、1991~2012年における英国のプライマリケアでの主な4つの感染症における抗菌薬の治療失敗率について検討した。その結果、各感染症に対して初期治療で用いられる抗菌薬の上位10剤のうち、1剤以上が治療失敗と関連していた。また、この期間中に全体的な治療失敗率が12%増加し、その増加のほとんどは、プライマリケアでの抗菌薬処方が再び増加してきた2000年以降であることが報告された。BMJ誌2014年9月23日号に掲載。

結核へのモキシフロキサシンレジメン、非劣性示されず/NEJM

 薬剤感受性結核に対し、モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)ベースレジメンの短期4ヵ月投与について検討した試験の結果、対照レジメンと比較し治療効果の非劣性は示されなかったことが報告された。英国セント・アンドルーズ大学医学部のStephen H. Gillespie氏らが行った、第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。これまでに行われた初期フェーズおよび前臨床試験の結果、モキシフロキサシンベースのレジメンは4ヵ月治療について検討可能であることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2014年9月7日号掲載の報告より。