感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:229

新たな鳥インフルエンザワクチン Anhuiの免疫原性/JAMA

 米国・ワシントン大学医学部のRobert B. Belshe氏らは無作為化試験にて、最新の鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス株であるA/Anhui/01/2005(安徽株)を抗原株とした不活化インフルエンザワクチンの免疫原性と安全性を評価した。被験者は、米国FDAが新型インフルエンザのパンデミックワクチンとして承認している、A/Vietnam/1203/2004(ベトナム株)ワクチン(90μg、アジュバント非添加、2回接種)を1年前に接種した人であった。また同ワクチン未接種者に対する安徽株ワクチン(MF59アジュバント添加・非添加)の評価を行った。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。

HALLMARK-DUAL 試験:C型慢性肝炎に対する治療法の開発は最終段階へ!―IFN freeのアスナプレビル・ダクラタスビル併用療法の報告―(解説:中村 郁夫 氏)-266

C型慢性肝炎のうち、1型高ウイルス量の患者に対する現時点での標準治療はペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン・プロテアーゼ阻害薬(シメプレビル、バニプレビル、テラプレビル)の併用療法(24週)である。この治療法により、Sustained Virological Response(SVR:治療終了後6ヵ月の時点での血中HCV陰性化)を得られる頻度は、初回治療例で約85~90%とされている。

バンコのMIC上昇、死亡リスクと関連せず/JAMA

 黄色ブドウ球菌(S aureus)血流感染(SAB)患者では、バンコマイシン(VCM)の最小発育阻止濃度(MIC)の高値例と低値例で死亡リスクに差はないことが、米国・ネブラスカ大学医療センターのAndre C. Kalil氏らの検討で示された。50歳以上の黄色ブドウ球菌感染患者に対しVCMは第一選択の治療薬とされるが、近年、VCMのMICが上昇傾向にあることが複数の研究で明らかにされている(MIC creepと呼ばれる)。また、3件のメタ解析では、VCMのMIC上昇は不良な転帰と関連する可能性が示唆されているが、死亡との関連や、MIC高値の場合はVCMを回避すべきかなどの問いへの解答は明確ではないという。JAMA誌2014年10月15日号掲載の報告。

H7N9ワクチン、安全性と効果/JAMA

 鳥インフルエンザA/上海/2/13(H7N9)ワクチンの安全性と免疫原性について、MF59アジュバント有無の4つの抗原用量を比較した第II相多施設共同二重盲検無作為化試験の結果が発表された。米国・エモリー大学医学部のMark J. Mulligan氏らによる検討の結果、最小用量3.75μg+MF59アジュバントの2回接種(0、21日)群において、42日時点の抗体陽転率は59%であったことが報告された。鳥インフルエンザH7N9は、2013年に中国で確認された新型の鳥インフルエンザウイルスで、家禽には問題なかったが、ヒトでは重症肺炎を引き起こし、同国では入院率67%、死亡率33%に達した。WHOには2014年6月27日時点で、検査確認症例450例のうち165例の死亡(36.6%)が報告されているという。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。

世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見

 今夏、日本国内で、海外渡航歴がないにもかかわらずデング熱を発症した患者が発見された。日本国内での感染は1940年代前半の流行以来、実に約70年ぶりであり、患者数は158人に上った(2014年10月14日現在)。全世界では、現在25億人以上がデング熱流行地で生活している。そして、年間5,000万人以上がデング熱を発症しており、近年急速な広がりをみせている。

肺がんPET、肺感染症流行地では不適/JAMA

 18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査による肺がんの診断は、肺感染症の流行を繰り返したり蔓延している地域(流行地)での使用は支持できないことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのStephen A. Deppen氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。FDG-PETによる肺結節に対する診断精度は非常にばらついており、FDG-PET+CTによる悪性腫瘍の特定は、肺感染症流行地では同非流行地と比べて低いことが判明したという。FDG-PETは肺がん疑い症例への非侵襲的な診断手法として使用が推奨されているが、著者は、「今回のデータは、肺感染症流行地での使用は、診断精度が同程度にならない限り支持できないことを示すものであった」とまとめている。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告。

エボラウイルス病、11月には2万例超えるか/NEJM

 西アフリカのエボラウイルス病(EVD)患者は、感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後、毎週数百~数千例の割合で増加し続け、11月初旬には2万例を超えると予測されることが、WHO Ebola Response Teamの調査で明らかとなった。2014年3月23日、WHOはギニアにおけるEVDのアウトブレイクを公式に認定した。また、8月8日には、この流行に対し「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(public health emergency of international concern)」を宣告している。NEJM誌オンライン版2014年9月23日号掲載の報告。