感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:250

ロタウイルス遺伝子型の頻出、G3P[8]型が約6割

ロタウイルスは、世界的にみても乳幼児における重度の下痢の最も主要な原因であるが、2009~2011年にタイ国で最も猛威をふるったロタウイルスの遺伝子型はG3P[8]型であり、約6割を占めていたことが明らかになった。タイ・Chulalongkorn UniversityのMaiklang O氏らの報告による(Southeast Asian J Trop Med Public Health誌2012年7月号)。なお、関連報告(2007~2009年動向調査)によると、前2年間のG3P[8]型の出現頻度は0.6%であり、最も頻出していたロタウイルス遺伝子型はG1P[8]型で約5割だったことが報告されている。

抗結核薬耐性の最大リスク因子は「2次抗結核薬の投与歴」

 超多剤耐性結核(XDR-TB)を含む抗結核薬耐性の最大のリスク因子は、「2次抗結核薬の投与歴」であることが、米国疾病対策予防センター(CDC)のTracy Dalton氏らの調査(Global PETTS)で示された。多剤耐性結核(MDR-TB)は、Mycobacterium tuberculosisを原因菌とし、少なくともイソニアジドとリファンピシンに対する耐性を獲得した結核で、XDR-TBはこれら2つの1次抗結核薬に加え、2次抗結核薬であるフルオロキノロン系抗菌薬および注射薬の各1剤以上に耐性となった結核と定義される。XDR-TBの世界的発生は実質的に治療不能な結核の到来を告げるものとされ、MDR-TBに対する2次抗結核薬の使用拡大によりXDR-TBの有病率が増大しつつあるという。Lancet誌2012年10月20日号(オンライン版2012年8月30日号)掲載の報告。

XDR結核患者へのリネゾリド追加投与、約9割が半年以内に喀痰培養陰性化

 超多剤耐性(XDR)の結核患者に対してリネゾリド(商品名:ザイボックス)を追加投与することで、6ヵ月時点までに87%で喀痰培養陰性化が認められたことが報告された。一方で、リネゾリドを投与した人の8割で、臨床的に明らかな有害事象が認められた。韓国・International Tuberculosis Research CenterのMyungsun Lee氏らが、40人弱について行った無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年10月18日号で発表した。

HPVワクチン接種を受けた少女、その後の性交渉に変化はみられるのか?

HPVワクチン接種を受けた少女と受けなかった少女について、その後3年間の性交渉に関連した受診動向について後ろ向きに比較した結果、接種群の複合アウトカムリスク(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)の増大は、認められなかったことが報告された。米国のHMOカイザーパーマネント南東部ヘルスリサーチセンターのBednarczyk RA氏らによる報告で、これまでHPVワクチン接種後の性交渉の変化について自己申告に基づくサーベイ調査はあったが、臨床的指標を用いた調査はこれが初めてだという。Pediatrics誌オンライン版2012年10月15日号の掲載報告。

5価ロタウイルスワクチンの有効性、1回接種88%、2回接種で94%に

5価ロタウイルスワクチン(RV5、商品名:ロタテック)について、3回接種を完了していなくても、ロタウイルス胃腸炎に対し有効性を示すことが報告された。米国・OptumInsight EpidemiologyのWang FT氏らが、3回接種を完了しなかった乳児を追跡した結果で、著者は「規定接種を完了しなかった場合のベネフィットを考えるうえで意義ある結果が得られた」と述べている。Pediatr Infect Dis J誌オンライン版2012年9月25日号の掲載報告。

学校でのワクチン接種プログラムに対し、多くの開業医が自院経営面への影響を懸念

米国・CDC公衆衛生予防サービス部門のMcCormick EV氏らは、学校で行われる青年期ワクチン(思春期ワクチン)およびインフルエンザワクチンの接種に対する医師の考え方について調査を行った。コロラド州の開業医1,337人を対象とした調査の結果、大半の医師が学校でのワクチン接種を支持する一方で、診療所経営への影響について懸念を抱いていることが明らかとなった。著者は、「医師の民間保険加入者への接種に対する支持が少なく、受診児の減少と収入への影響が障壁となっていることが示されたが、さらなる調査が必要である」とまとめている。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。

小児臨床試験の潮流、感染症/ワクチン試験が23%と最も多くを占める

臨床試験はエビデンスベースの医学情報を生み出すゴールドスタンダードである。米国では近年の法律制定により、ClinicalTrials.govへの臨床試験登録が義務化され、これまでは不可能であった臨床試験計画の全体的な評価が可能になった。そこで米国・デューク大学医学校のPasquali SK氏らは、小児臨床試験のポートフォリオを明らかにするため、ClinicalTrials.govを解析した。著者は、「今回の解析結果は、小児臨床試験実施の判断情報としてステークホルダーに役立つものとなるであろう。また、小児保健を改善するための試験のあり方(インフラや方法論)を前進させる上でも役立つ可能性がある」と結論している。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。

「ワクチンをためらう親」に特徴的な因子とは?

 米国では「ワクチンをためらう親(vaccine-hesitant parents:VHPs)」が増えており、その多くは、MMRワクチンの接種控えという形で表出しているという。米国・ミシガン大学のGowda C氏らは、MMRワクチンに対する親の懸念の比重が、ためらいの程度によって異なるのか探索的研究を行った。その結果、親のワクチンに対する特有の懸念には、「ワクチン接種意向」に基づく多様な特徴があると報告。今後の啓発プログラムでは、そうした懸念を持つ親のためらいの程度に応じて、メッセージを修正していくべきであると提言した。Hum Vaccin Immunother誌オンライン版2012年10月2日号の掲載報告。

ロタウイルスワクチンの定期接種、入院および死亡を低下

 マレーシア大学医療センターのLee WS氏らは、同国で隔離されたロタウイルスA (RV-A)遺伝子型について精査し、同国内のRV-Aワクチン定期接種の有効性を推定した。その結果、ロタウイルス胃腸炎関連の入院および死亡率の低下が推定でき、ワクチン定期接種は有効であるとまとめた。Hum Vaccin Immunother誌オンライン版2012年9月28日号の掲載報告。