感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:253

米国在住HIV感染者のうち、米国外出生者は16.2%

 米国在住で2007~2010年にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の診断を受けた約19万人のうち、16.2%が米国外出生者だったことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のAdria Tassy Prosser氏らが、CDCに報告されたデータを調べ明らかにしたもので、JAMA誌2012年8月8日号で発表した。国内生まれの感染者と国外生まれの感染者とでは疫学的な特性が異なるという。

インフルエンザワクチン優先接種戦略、高齢化と獲得免疫が鍵

 世界各国にインフルエンザパンデミックへの対策プランがあり、ワクチン供給が不足した場合の優先接種方法が決められている。大半の国のプランは、他国やWHOの計画を基に作成されているが、オランダ・感染症疾病対策センターのAnna K Lugner氏らは、「各国の事情(人口構造、社会的接触パターン、医療システム、医療費構造)が異なるなかで、どのような優先接種方法が最も費用対効果に優れるのかは、これまで検証されていなかった」として、ドイツ、オランダ、イギリス3ヵ国を対象に4つの異なるワクチン戦略の費用対効果について比較検討する経済的疫学モデル研究を行った。BMJ誌2012年8月4日号(オンライン版2012年7月12日号)掲載報告より。

ACE阻害薬は肺炎リスクを減少、特に脳卒中、アジア人で大きい可能性

 ACE阻害薬とARBの肺炎リスクについて、ポルトガル・リスボン大学のDaniel Caldeira氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、これまで考えられていたようにACE阻害薬には肺炎に対する保護作用があることがエビデンスとして示された。また、「脳卒中既往」「アジア人」が最も大きな恩恵を享受できる可能性があることも示唆された。強力な支持データは不足していたが、肺炎関連死を抑制することも認められたという。BMJ誌2012年8月4日号(オンライン版2012年7月11日号)掲載報告より。

女性の急性腎盂腎炎、抗菌薬の7日間投与が有効

 急性腎盂腎炎の女性患者に対するシプロフロキサシン(商品名:シプロキサンなど)の7日間投与は有効かつ安全な治療法であることが、スウェーデン・Sahlgrenska大学病院のTorsten Sandberg氏らの検討で示された。尿路感染症の最大の原因は腸内細菌の抗菌薬に対する耐性化であり、対策としては投与期間の短縮など、抗菌薬の消費量の抑制が重要だという。急性腎盂腎炎は成人女性に高頻度にみられる感染症だが、その治療法に関する対照比較試験は少なく、抗菌薬治療の至適投与期間は確立されていない。Lancet誌2012年8月4日号(オンライン版2012年6月21日号)掲載の報告。

男女間のHIV-1感染、抗レトロウイルス薬の曝露前予防的投与により有意に低下

 抗レトロウイルス薬の曝露前投与による男女カップル間のHIV-1感染防御について検討した無作為化試験の結果、感染率の有意な低下が示され、防御効果があることが報告された。試験は、米国・ワシントン大学のJ.M. Baeten氏ら「Partners Preexposure Prophylaxis(PrEP)試験」グループが、テノホビル(TDF、商品名:ビリアード)およびテノホビル配合剤(TDF-FTC、商品名:ツルバダ)についてプラセボとの対照で検討した結果で、単剤、配合剤ともに男女間の感染を防御することが報告された。NEJM誌2012年8月2日号(オンライン版2012年7月11日号)掲載報告より。

年齢・体温別の呼吸数の新基準で、発熱小児の下気道感染症を検出

新たに開発された年齢と体温別の呼吸数パーセンタイル図に基づく呼吸数の新基準を用いれば、既存の呼吸数閾値よりも高い検出能で発熱小児における下気道感染症(LRTI)の診断が可能なことが、オランダErasmus MC-Sophia小児病院のR G Nijman氏らの検討で示された。呼吸数は、LRTIの重要な予測因子であり、呼吸器系の基礎疾患や発熱の影響を受ける。既存の頻呼吸の閾値は発熱との関連はほとんど考慮されていないという。BMJ誌2012年7月28日号(オンライン版2012年7月3日号)掲載の報告。