内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:227

COVID-19患者のリハビリテーション治療とその効果/厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により入院し、体力が落ちた中で患者のリハビリテーションはいつから開始するべきか、またその効果はどうなのだろう。  日本リハビリテーション医学会(理事長:久保 俊一)では、理事長声明を公開し、「COVID-19の入院患者さんは狭い病室内への隔離によって運動量や活動量が低下しやすいために、隔離期間中であっても、発症早期から機能維持を目標とした適切なリハビリテーション治療を可能な限り実施していただきますよう、各医療機関での積極的な取り組みをお願いいたします。また、COVID-19から回復した患者さんを受け入れる後方支援医療機関あるいは介護施設等でのリハビリテーション医療の継続とリハビリテーションマネジメントの実施を決して疎かにされませんようにお願いいたします」と早期からのリハビリテーション導入を推奨している。  また、4月13日に厚生労働省で開催された新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで「COVID-19感染患者に対するリハビリテーション治療」が報告されている。    この報告は、田島 文博氏(日本リハビリテーション医学会副理事長/和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座 教授)が自施設の取り組みも含め発表したものである。

甘くみてはいけない便秘症と便秘のみえる化/EAファーマ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よる「巣ごもり生活」は3年目に入った。新型コロナで依然として不自由な日常生活が続く中で、運動不足や偏った食生活により「お通じに問題あり」という人が増えているという。  EAファーマ株式会社は、中島 淳氏(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授)を講師に迎え、便秘症がもたらすリスクとその治療の重要性について、講演を行った。  中島氏は、「巣ごもり生活で注意すべき国民病、便秘症が招く思わぬリスクと治療の重要性」をテーマに、便秘症に関する最新の知見、排便の仕組み、便秘の原因、治療などについてレクチャーを行った。  新型コロナウイルスによる外出自粛と便秘について、あるアンケート調査によれば「排便やうんちの状態が変わった」と回答した人は半数以上にのぼった。また、近年の厚生労働省の調査では、若年層では女性に多く、70歳以上では男女ともに便秘の有訴者率が増加しており、高齢者になるほど便秘の比率が増えている。

高齢者の認知症発症率、人種や民族で異なる/JAMA

 55歳以上の約187万人を平均約10年間追跡したところ、認知症発症率は人種/民族によって有意に異なることが認められた。米国・カリフォルニア大学のErica Kornblith氏らが、米国退役軍人保健局(VHA)医療センターで治療を受けた患者を対象とした後ろ向きコホート研究の結果を報告した。米国では、VHAで治療を受ける患者を含めて人種/民族の多様化が進んでおり、公衆衛生上の重要な課題である認知症は人種/民族的マイノリティの高齢者で発症率が高くなる可能性が示唆されていた。著者は、「人種/民族による差異の原因機序を理解するためには、さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA誌2022年4月19日号掲載の報告。

人種差別と認知症(解説:岡村毅氏)

 米国の退役軍人の膨大なデータから、人種(白人、黒人、ヒスパニック、アジア系、先住民)や、住まい(米国を10地方に分けている)で認知症の発症率に差があるかを調べた研究である。  現代の日本で医療をしていると、幸か不幸か人種について思いを巡らせることはほとんどないだろう。しかし20年後はどうだろうか? たまにはこのような論文を読んで頭に衝撃を与えると、それこそ認知刺激になって良い効果があるかもしれない。  まず、言うまでもなく人種を扱う研究は、知らないうちに誰かを傷つけたり、大きな損害を与えたりする可能性があり大変危険である。さらに、地理情報を扱う研究も大変危険になりえる。たとえ研究者にそのような意図は一切なかったとしても偏見を助長してしまうのみならず、ある地域では保険料が上がったりする可能性もあるからである。

オンライン診療入門~導入の手引き~第1版を公表/日医

 日本医師会・長島 公之常任理事が、『オンライン診療入門~導入の手引き~』作成について定例記者会見で報告した。本手引きは、かかりつけ患者に情報通信機器を用いたオンライン診療の実施を検討している医師を対象に必要な情報をとりまとめたもので、今後現場の意見などを踏まえ、適宜更新される予定。関連情報は日本医師会ホームページにまとめられている。  長島氏は、「オンライン診療は、地域で患者さんに寄り添うかかりつけ医が、必要に応じて対面診療と適切に組み合わせて行うことで、患者さんの安全性と利便性を向上させることができる」と日医としての考えを述べた。

アルツハイマー病治療に対する薬物療法の組み合わせ

 認知症の中で最も頻度が高いアルツハイマー病の治療薬として現在本邦で承認されている薬剤は、3種類のコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)とメマンチンの4剤である。実臨床においては、神経変性疾患の多因子性病因に対応するため、単剤療法後の次のステップとして併用療法が用いられる。また、2021年6月に米国で迅速承認されたaducanumabは、脳内のアミロイドβ(Aβ)カスケードを標的とする初の疾患修飾療法(DMT)として注目されている。東京慈恵会医科大学の永田 智行氏らは、アルツハイマー病治療に対する薬物療法の組み合わせについて報告した。Expert Opinion on Pharmacotherapy誌2022年4月号の掲載。

ワクチン接種後の解熱鎮痛剤使用は抗体獲得に影響しない/日本感染症学会

 第96回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:前崎 繁文氏[埼玉医科大学 感染症科・感染制御科])が、4月22日~23日の期日でオンライン開催された。  本稿では、同学術講演会の口演より、谷 直樹氏(九州大学大学院)の「BNT162b2 mRNAワクチン接種後の副反応と解熱鎮痛剤内服が抗体反応に与える影響の検討」の概要をレポートする。  新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応は一般的なワクチンの接種後と比較して出現頻度が高いことが知られており、ワクチン接種後の症状軽減のため解熱鎮痛剤が使用されることも多い。そのような背景を踏まえ、ファイザー製ワクチン(BNT162b2)接種後の副反応の程度と誘導された抗体の関係性を調査すること、解熱鎮痛剤の使用が抗体反応に与える影響を調査することを目的として本研究が実施された。

うつ病とドライアイ症状との関係~DREAM研究

 うつ病患者は、ドライアイ症状を有する割合が高いといわれているが、ドライアイ症状の重症度とうつ病との関連はよくわかっていない。米国・ペンシルベニア大学のYi Zhou氏らは、うつ病とドライアイ症状の重症度、兆候、炎症マーカーとの関連を調査した。その結果、うつ病はドライアイ症状の重症度および全体的な兆候と関連しており、中等度~重度のドライアイ症状を有するうつ病患者では、ドライアイ症状がより重度である可能性が示唆された。JAMA Ophthalmology誌2022年4月1日号の報告。

コロナ外来患者に処方される抗菌薬、何が多い?/JAMA

 抗菌薬の使用は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)を含むウイルスに対し、効果のない治療法であることは自明である。そこで、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のSharon V Tsay氏らは新型コロナ外来の高齢者に対する抗菌薬の処方状況を調査した。その結果、メディケア被保険者の新型コロナ外来患者の30%に抗菌薬が処方されており、そのうち50.7%がアジスロマイシンであったことも明らかになった。JAMA誌オンライン版2022年4月8日号にリサーチレターとして掲載された。  本研究は医療保険メディケアのキャリアクレームとパートDのイベントファイルを使用し、新型コロナ外来患者の診察とそれに関連して抗菌薬を処方された65歳以上の被保険者を特定。また、年齢、性別、人種、処方場所ごとに、抗菌薬を「処方された」または「処方されなかった」新型コロナ感染した被保険者の分布を比較するために、カイ二乗検定を行った。

日本人の身体活動と認知症リスク

 一日の身体活動(PA)や中等度以上の活発な身体活動(MVPA)と認知症との関連を明らかにするため、国立がん研究センターの井平 光氏らは、大規模長期フォローアップ・プロスペクティブ研究を実施した。その結果、とくに男性において休日のMVPAレベルの高さは、認知症リスクの低下に寄与する可能性が示唆された。JAMA Network Open誌2022年3月1日号の報告。  本プロスペクティブコホート研究は、2000~03年に国内8地域で行われた多目的コホート研究(JPHC Study)の認知障害プロスペクティブ研究(Prospective Disabling Dementia Study)で収集されたデータを用いて実施された。参加対象者は、認知障害に関する利用可能なフォローアップデータを有する成人50~79歳。毎日の総PA、総MVPA、休日のMVPAのデータを収集し、データ分析は2019年2月~2021年7月に行われた。主要アウトカムは、全国介護保険制度に基づく2006~16年(確認期間)の認知障害発生率とした。毎日の総PA、総MVPA、休日のMVPAに関連する認知症リスクは、多変量調整ハザード比(aHR)を用いて算出した。