内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:283

高GI食、心血管疾患・死亡リスク増大と関連/NEJM

 低・中所得国を含む5大陸で実施された前向きコホート研究「Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)研究」の結果、グリセミック指数(GI)が高い食事は、心血管疾患および死亡のリスクを増大することが明らかとなった。カナダ・トロント大学のDavid J.A. Jenkins氏らが報告した。GIと心血管疾患の関連性に関するデータのほとんどは、高所得国である西洋諸国の集団から得られたものであり、低・中所得国である非西洋諸国からの情報は少ない。このギャップを埋めるため、地理的に多様な大規模集団のデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。

AZ社の新型コロナワクチン、接種間隔は3ヵ月が有益/Lancet

 ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの2回接種は、主要解析の結果、中間解析と一致して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し有効であることが確認された。探索的事後解析では、パンデミックにおける供給不足時にできるだけ早く大多数の住民にワクチンを行き渡らせるための短い接種間隔プログラムより、3ヵ月の接種間隔のほうが2回目接種後の予防効果が改善しており利点があることも示された。英国・オックスフォード大学のMerryn Voysey氏らオックスフォード・ワクチン・グループが、AZD1222ワクチンに関する4つの臨床試験の統合解析結果を報告した。AZD1222ワクチンは、英国の医薬品・医療製品規制庁により標準用量を4~12週間の間隔で2回接種する緊急使用が承認され、英国でのワクチン導入計画では、ハイリスクの人々を対象にただちに初回接種を行い、12週間後に2回目接種を行うことになっていた。Lancet誌オンライン版2021年2月19日号掲載の報告。

コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。  株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。

うつ病治療アプリに対する医師や患者の期待

 スマートフォンアプリが増加し続けている現代社会において、アプリによる治療ツールの有効性は十分に実証されておらず、導入率も依然として不十分である。フランス・クレルモン・オーベルニュ大学のMarie-Camille Patoz氏らは、アドヒアランス向上に関連する効率的なアプリ開発を行うため、ユーザー中心のアプローチを通じて設計した架空のうつ病治療アプリに対する患者および医師の期待を特定することを目的とし、本研究を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月29日号の報告。

過体重・肥満へのセマグルチド、68週後の体重減16%/JAMA

 非糖尿病の過体重または肥満の成人に対し、食事療法と強化行動療法に加えたセマグルチド2.4mgの週1回皮下投与は、プラセボ投与に比べ、長期68週間の統計学的に有意な体重減少をもたらしたことが示された。セマグルチド群では、68週後に体重5%以上減少の達成が9割近くに上り、また体重変化の平均値は-16.0%だった。米国・ペンシルベニア大学のThomas A. Wadden氏らが、611例を対象とした第III相無作為化二重盲検並行群間試験の結果をJAMA誌オンライン版2021年2月24日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「今回示された効果の持続性を評価するため、さらなる研究を行う必要がある」とまとめている。

ファイザーの新型コロナワクチン、イスラエルで高い有効性を実証/NEJM

 PfizerとBioNTechによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン「BNT162b2」の推定有効率は、2回接種後で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対しては92%、症候性COVID-19に対しては94%、重症COVID-19には92%と、いずれも高いことが報告された。イスラエル・Clalit Health ServicesのNoa Dagan氏らが、イスラエル最大のヘルスケア組織(HCO)からのデータを用いて、約60万人のワクチン接種者と非接種の適合対照者について行った試験で明らかにした。COVID-19に対する集団予防接種キャンペーンが世界各地で開始されている中、ワクチンの有効性は非コントロール下で多様な集団におけるさまざまなアウトカムの評価が必要となっている。著者は、「今回の試験結果は、全国的なワクチン集団接種について評価したもので、mRNAワクチンBNT162b2がさまざまなCOVID-19関連アウトカムに対して有効であることを示し、無作為化試験の結果と一致する所見が得られた」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。

片頭痛に対するfremanezumabの効果~第III相試験の事後解析

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体は、片頭痛の予防に対する有効性および安全性が示されている薬剤である。臨床試験では治療反応群と非反応群が存在しているが、有効性の評価では両群の平均値を用いる。そのため、治療反応群における臨床的ベネフィットについての情報が十分に評価されていない。治療反応がみられる患者における臨床的な改善度を明らかにすることは、臨床医と患者にとって重要なポイントである。米国・トーマス・ジェファソン大学のStephen D. Silberstein氏らは、ヒト化モノクローナル抗体fremanezumabにより治療反応がみられた患者における臨床的ベネフィットを明らかにするため、2つの第III相HALO臨床試験の事後分析を実施した。The Journal of Headache and Pain誌2021年1月7日号の報告。

食物アナフィラキシー、20年で入院は3倍も死亡率は低下/BMJ

 英国では、1998~2018年の20年間に、食物によって誘発されたアナフィラキシーによる入院が3倍以上に増加したが、死亡率は低下しており、就学児童で最も頻度の高い致死的なアナフィラキシーの単一の誘因は牛乳であることが、同国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAlessia Baseggio Conrado氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年2月17日号で報告された。アナフィラキシーは全身性の重篤な過敏反応で、通常、急速に発症し、死に至る可能性もある。食物アナフィラキシーによる入院は世界的に増加しており、イングランドとウェールズでは1998~2012年の期間に倍増したが、致死的アナフィラキシーの発生率はこの間安定していたという。

コロナワクチン「コミナティ」添付文書改訂、輸送・保管時の温度管理柔軟に

 2月14日に特例承認されたファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)について、3月1日付で添付文書が改訂された。薬剤の保存方法として、-25~-15℃で最長14日間の保存が可能である旨が追記された。  今回の改訂では、「薬剤調整時の注意」の細目として、新たに「保存方法」についての以下の記載が加わった。 《保存方法》 本剤は-90~-60℃から-25~-15℃に移し、-25~-15℃で最長14日間保存することができる。なお1回に限り、再度-90~-60℃に戻し保存することができる。いずれの場合も有効期間内に使用すること。

老年精神薬理学の最近の進展に関する専門家の意見

 高齢化社会が進むにつれ、老年精神疾患への対応に関する重要性が高まっている。米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学のAwais Aftab氏らは、アルツハイマー病(AD)、重度または難治性のうつ病、がんおよび終末期ケアに焦点を当て、老年精神医学に関連する最近の進展についてレビューを行った。Expert Review of Clinical Pharmacology誌オンライン版2021年2月5日号の報告。  ADの疾患修飾療法、診断用放射線トレーサ、認知症の神経精神症状に対する薬剤、ケタミン、esketamine、サイケデリックス薬、カンナビノイドについて、PubMed、Google Scholar、Medscape、ClinicalTrials.govより過去6年間の文献を非システマティックに検索し、レビューを行った。