内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:463

DEVOTE 試験の臨床的意義

 2型糖尿病治療、とくにインスリン治療において低血糖管理は重要な問題だ。重症低血糖は心血管イベントリスク増加に関与し、患者さんの心理的負担も大きい。臨床でも、低血糖リスクの低いインスリン製剤を選択することが重要となる。これに関して今後の薬剤選択に影響を与えるデータが先日、ADAで発表された。心血管系リスクの高い2型糖尿病患者を対象にしたDEVOTE試験である。

高血圧家族歴を心血管病予防にどう生かすか?(解説:有馬 久富 氏)-695

高血圧は遺伝することがよく知られている。しかし、過去に行われた研究では、問診による家族歴(両親の高血圧の有無)を用いて高血圧の遺伝性が検討されてきた。問診による家族歴は、記憶に基づいているために不正確であることが少なくない。とくに、健診や降圧療法が今ほど普及していなかった時代には、高血圧の診断自体が不正確であったと推測される。したがって、高血圧の遺伝性に関する信頼性の高いエビデンスは非常に限られていた。

BMI正常でも低体重で生まれた女性の糖尿病に注意

 出生時体重は成人発症型糖尿病(DM)の胎児決定因子とみなされているが、BMIとの関連における公衆衛生上の重要性は不明である。今回、国立がん研究センターの片野田 耕太氏らが実施した女性看護師コホートでの研究で、出生時体重およびその在胎期間でのパーセンタイルスコアが成人発症型DMと関連すること、またBMIが正常低値の女性において出生時体重が2,500g未満だった人は成人発症型DMリスクが高いことが示唆された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年6月20日号に掲載。

認知症予防の新たな標的、グルコースピーク

 平均血糖値の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)は、認知症および認知障害のリスクと関連している。しかし、この関連における血糖変動やグルコース変動の役割は不明である。米国・ジョンズホプキンス大学公衆衛生学大学院のAndreea M. Rawlings氏らは、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)レベルの測定により、中年期におけるグルコースピークと認知症および20年の認知機能低下リスクとの関連を調査した。Diabetes care誌7月号の報告。

米国内科専門医試験、出題内容と実臨床の一致率は約7割/JAMA

 米国で内科医の資格を得るには、米国内科試験委員会(American Board of Internal Medicine:ABIM)の認定資格維持(Maintenance of Certification:MOC)試験に合格することが必須である。その出題内容について、実際に内科医が遭遇する割合は、およそ7割であることが、米国・ABIMのBradley Gray氏らが行った検討で明らかにされた。結果について著者は、「現行の内科(IM)-MOC試験内容は、実際の診療内容を反映した妥当なものと言えるが、31%の設問が実態と合致しておらず、この点については改善の余地がある」とまとめている。JAMA誌2017年6月13日号掲載の報告。

肥満高齢者に対するダイエット+(有酸素運動+筋トレ)併用療法はフレイル防止に有効 ?(解説:島田 俊夫 氏)-689

肥満治療をダイエットのみで行えば高齢者では筋肉、骨量の減少を加速し、サルコペニア、オステオペニアが生じやすい。肥満は一般集団では多数の疾患の危険因子となる一方で、高齢者では肥満パラドックスが注目を浴びている。それゆえ過度な減量を避け、食事・運動療法を適宜組み合わせ、体力・筋力温存維持に努めることが健康寿命の延長につながる。本研究はDennis T. Villareal氏らによるNEJM誌2017年5月18日号に掲載された、高齢者肥満治療の重要ポイントを指摘した興味深い論文である。

DASHダイエットは、痛風・高尿酸血症にも有効な「長生きダイエット」!(解説:石上 友章 氏)-688

高血圧は、生活習慣病の代表的な疾患であり、重要な心血管リスクである。本邦では4,000万人が罹患している、国民病といっていい疾患である。生活習慣病というくらいなので、実のところ適切な生活習慣を守れば、血圧を上げることもなく、医師や降圧薬の厄介になる必要もなくなる可能性がある。医療費が増え続けるといっても、その源が、日々の乱れた食生活にあるのであれば、国をあげて節制すれば、医療費も節約できるはずだ。

抗うつ薬はアルツハイマー病リスクを高めるのか

 アルツハイマー病(AD)は神経変性疾患であり、高齢者の記憶、思考、行動に対し、臨床的に明白で観察可能な障害を示す。アポリポ蛋白E(ApoE)ε4のような感受性遺伝子は、長期間AD診断のリスク増加と関連している。また、うつ病とAD発症リスク増加との関連を示唆する研究も報告されている。さらに、これまでの調査の知見より、高齢者に対する向精神薬使用において、混合効果も示唆されている。米国・フロリダ国際大学のShanna L. Burke氏らは、抗うつ薬の使用がうつ病や最終的なAD発症の危険性に与える影響について検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2017年5月31日号の報告。