内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:464

インクレチン薬で死亡リスク上昇せず、189件のRCTメタ解析/BMJ

中国・West China HospitalのJiali Liu氏らは、インクレチン関連薬の無作為化試験についてシステマティックレビューとメタ解析を行い、2型糖尿病患者に対するインクレチン関連薬による治療が死亡リスクを上昇させるというエビデンスは得られなかったと報告した。大規模無作為化試験(SAVOR-TIMI 53)において、サキサグリプチンはプラセボと比較して死亡率が高い(5.1% vs.4.6%)傾向が示され、インクレチン関連薬による治療と死亡リスク増加との関連が懸念されていた。BMJ誌2017年6月8日号掲載の報告。

セロトニンの役割、摂食障害や肥満治療への期待

 セロトニンは、自己コントロールの促進、空腹や生理的なホメオスタシスの調整、カロリー摂取の調整に関与している。しかし、カロリー摂取量に対するセロトニンの影響が純粋にホメオスタシス機構を反映しているのか、セロトニンが食事決定に関与する認知過程の調整もしているのかは不明である。英国・ウォーリック大学のIvo Vlaev氏らは、SSRIのシタロプラムの急性期投与が、味覚や健康属性に応じて異なる食品間での選択に及ぼす影響について、プラセボおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬アトモキセチンとの比較による検討を行った。Cognitive, affective & behavioral neuroscience誌2017年6月号の報告。

太っていないNAFLD患者で心血管リスク高い

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は心血管疾患(CVD)発症のリスク因子として知られている。NAFLDの約20%は非肥満者に発症するが、過体重でないNAFLD患者とCVD発症リスクとの関連はまだ解明されていない。今回、京都府立医科大学の橋本 善隆氏らが、わが国のコホート研究の事後解析で調査したところ、過体重でないNAFLD患者でCVD発症リスクが高いことが示された。著者らは、さらなるCVDイベントを防ぐために、過体重でなくともNAFLDに注意を払うべきとしている。Medicine誌2017年5月号に掲載。

メトホルミン長期投与が1型糖尿病の心血管リスク削減か: REMOVAL試験

 メトホルミンが1型糖尿病患者においても血糖値を改善し、インスリン必要量を減少させる可能性が報告されているが、心血管系のベネフィットについては明らかになっていない。心血管リスクがある成人1型糖尿病患者を対象に、メトホルミンの心血管障害の軽減作用を評価したREMOVAL試験の結果、ADAのガイドラインで提案されている血糖コントロールに対する効果は持続的なものではなく、むしろLDLコレステロール削減や動脈硬化予防など、心血管系のリスク管理において役割を果たす可能性が明らかとなった。この結果は第77回米国糖尿病学会(ADA)年次集会で報告され、論文がLancet Diabetes & Endocrinology誌オンライン版に6月11日同時掲載された。

尿酸値と関連するアウトカムは?/BMJ

 これまでに200件超の検討(システマティックレビュー、メタ解析、メンデル無作為化試験)で、尿酸値と136個のヘルスアウトカムの関連が報告されていたが、尿酸値との明確な関連のエビデンスが存在するのは、痛風と腎結石だけだという。英国・エディンバラ大学のXue Li氏らが明らかにしたもので、「可能な限りのエビデンスを入手したが、高尿酸血症に関連した臨床での現行の推奨変更を支持するものはなかった」とまとめている。BMJ誌2017年6月7日号で発表した。

学歴と心血管疾患リスク、高卒未満で5割以上発症

 米国のARIC研究(Atherosclerosis Risk in Communities Study)において、学歴別に心血管疾患(CVD)生涯リスクを調べたところ、高校を卒業していない人では5割以上がCVDイベントを経験していたことがわかった。また、他の重要な社会経済的特性にかかわらず、学歴とCVD生涯リスクに逆相関が認められた。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年6月12日号に掲載。

飲酒は適量でも認知症のリスク要因/BMJ

 アルコール摂取は、たとえ適量であっても海馬の萎縮など脳に悪影響があることを、英国・オックスフォード大学のAnya Topiwala氏らが、30年にわたるWhitehall II研究のデータを用いた縦断研究の結果、報告した。今回の結果は、英国における最近のアルコール摂取制限を支持し、米国での現在の推奨量に異議を唱えるものだという。これまで、大量飲酒はコルサコフ症候群、認知症、広範囲の脳萎縮と関連するとされる一方、少量のアルコール摂取は認知機能障害の予防と関連があるとの研究報告がされていたが、適度なアルコール摂取が脳に与える影響を検証した研究はほとんどなかった。BMJ誌2017年6月6日号掲載の報告。

認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているか

 認知症高齢者によく用いられる向精神薬は、死亡率の上昇と関連しているといわれている。これまでの研究では、このリスクに関する性差は調査されていない。スウェーデン・ウメオ大学のJon Brannstrom氏らは、認知症高齢者における抗精神病薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピンの使用と2年間の死亡率との関連を分析し、性差に関する調査を行った。BMC pharmacology & toxicology誌2017年5月25日号の報告。