内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:462

家族の増加で脳卒中リスクは増える?~JPHC研究

 これまで、家族の増加を含めた家族構成の変化と脳卒中リスクとの関連を検討した研究はなかった。今回、わが国の多目的コホート研究であるJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)で日本人の家族構成の変化と脳卒中発症を検討したところ、家族(とくに配偶者)を喪失した男性は脳梗塞リスクが高く、一方、家族(とくに親)が増えた女性は家族構成が変わっていない女性より脳出血リスクが高かった。PLOS ONE誌2017年4月13日号に掲載。

ACC/AHAガイドラインの費用対効果を他ガイドラインと比較

 2013年改訂の米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)の脂質異常症管理ガイドラインでは、アテローム性心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用の推奨が拡大されたが、その費用対効果について他のガイドラインとの比較はなされていない。今回、米国・マウントサイナイ医科大学のDavid J. Heller氏らが費用対効果を比較したところ、ACC/AHAガイドラインは、集団レベルでは男女共により多くの人々を治療し、より多くの命を救い、費用はATP IIIガイドラインより削減されると推計された。個人レベルではスタチンの長期使用から恩恵を受けるかどうかは、心血管リスクの程度よりも錠剤数の負担(pill burden)による負の効用(disutility)に大きく左右されるという。Circulation誌オンライン版2017年7月7日号に掲載。

ピロリ除菌療法、エソメプラゾール vs.ラベプラゾール

 CYP2C19代謝活性は、PPIを含むHelicobacter pylori除菌療法の有効性に影響する。弘前大学の下山 克氏らは、異なるCYP2C19遺伝子型を有する日本人において、CYP2C19による代謝を受けないラベプラゾールあるいはエソメプラゾールを用いた3剤併用1次除菌の有効性を比較する無作為化試験を実施した。その結果、除菌率は共に80%未満であったが、各CYP2C19遺伝子型群において同等に有効であることが示された。Internal Medicine誌オンライン版に2017年7月1日に掲載。

インフルエンザワクチン、遺伝子組換え vs.不活化/NEJM

 従来の不活化インフルエンザワクチンと比べて、遺伝子組み換えインフルエンザワクチンが優れた防御能を示したことが、米国・Protein Sciences社のLisa M. Dunkle氏らが行った第III-IV相の多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、報告された。検討されたのは遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチン(RIV4)で、試験は2014~15年のインフルエンザシーズンに、50歳以上の成人を対象に実施された。標準用量の鶏卵培養4価不活化インフルエンザワクチン(IIV4)接種群よりも、確認されたインフルエンザ様疾患の確率が30%低かったという。なお、同時期のインフルエンザはA/H3N2型が主流で、ワクチン株の抗原性との不一致により多くの認可ワクチンについて効果の低下がみられたシーズンであった。NEJM誌2017年6月22日号掲載の報告。

認知症の家族による終末期ケア、初期段階でやっておくべきこと

 認知症は、機能低下や認知機能低下を特徴とする進行性の神経変性疾患である。英国において、認知症者への終末期ケアの質は良くないといわれている。認知症者へのケアに関して、たとえば合併症のマネジメントのために、終末期においていくつかの困難な決断が生じることがある。英国・ロンドン大学のKethakie Lamahewa氏らは、認知症者の終末期における医師や家族の介護者による意思決定の困難さについて検討を行った。Health expectations誌オンライン版2017年6月22日号の報告。

高力価スタチンで糖尿病発症リスク2.6倍

 脂質降下薬が糖尿病発症に関連するかどうか調べるために、日本大学薬学部の大場 延浩氏らが、脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。BMJ open誌2017年6月30日号に掲載。

パッチ式インフルエンザワクチンは有用か/Lancet

 溶解型マイクロニードルパッチを活用したインフルエンザワクチン接種は、忍容性に優れ確固たる免疫獲得をもたらすことが報告された。米国・エモリー大学のNadine G. Rouphael氏らによる検討で、Lancet誌オンライン版2017年6月27日号で発表された。報告は、従来の注射器に代わる予防接種法の検討として初となる、第I相の無作為化プラセボ対照試験「TIV-MNP 2015」の結果である。

お酒はうつ病リスク増加にも関連

 うつ病の発症率に対するリスクファクターの変化による影響を調査した研究はほとんどない。カナダ・マギル大学のXiangfei Meng氏らは、大規模縦断的集団ベース研究におけるうつ病の心理社会的リスクファクターおよびうつ病発症に対するリスクファクター改善による影響を定量化するため検討を行った。BMJ open誌2017年6月10日号の報告。