内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:461

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

 アルツハイマー型認知症(AD)の罹患率は上昇し続けているが、認知機能障害への治療選択肢は限られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)は、認知機能低下に対しベネフィットをもたらすことを目指しているが、有害事象がないわけではない。最近では、新用量や新剤形が承認され、処方する前に各薬剤の安全性プロファイルを注意深く考慮する必要がある。カナダ・トロント大学のDana Mohammad氏らは、3種類のAChEIについて専門家による安全性評価を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2017年7月12日号の報告。

食事のタイミングが体内時計を調節

 人間の概日系に対する食事のタイミングの影響についてあまりよくわかっていない。今回、英国・サリー大学のSophie M.T. Wehrens氏らの研究で、人間の分子時計が食事時刻によって調節される可能性が示された。決まった食事時刻は、末梢の概日リズムを同期させる役割を果たしており、とくに概日リズム障害患者、交代制勤務者、子午線を超える旅行者で関係するかもしれない。Current biology誌2017年6月19日号に掲載。

20歳頃~中年での体重増、慢性疾患リスクを増大/JAMA

 20歳前後から55歳にかけて体重が2.5~10.0kg増加した人は、ほぼ安定していた人に比べ、2型糖尿病や高血圧症、心血管疾患などの発症リスクが有意に高く、慢性疾患や認知機能・身体的障害などを有さずに健康な状態で年を重ねられる割合は低減することがわかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYan Zheng氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study:NHS)と医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-Up Study:HPFS)を基に行ったコホート研究の結果で、JAMA誌2017年7月18日号で発表した。

脳卒中リスク、ビタミンC摂取と反比例

 日本人における食事での抗酸化ビタミンの摂取と脳卒中発症の関連についてJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)で検討したところ、非喫煙者においてビタミンC摂取と脳卒中全体および脳梗塞発症との逆相関が認められた。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2017年7月12日号に掲載。

高齢者の高血圧診療ガイドライン発表―日常診療の問題に焦点

 日本老年医学会は7月20日に「高齢者高血圧診療ガイドライン(JGS-HT2017)」を発表した。本ガイドラインでは、日常診療で生じる問題に基づいてClinical Question(CQ)を設定しており、診療における方針決定をするうえで、参考となる推奨を提示している。  高齢者においては、生活習慣病管理の目的は脳血管疾患予防だけでなく、生活機能全般の維持という側面もあるため、フレイルや認知症などの合併症を考慮したガイドラインが重要と考えられている。そのため、高齢者高血圧診療ガイドライン2017では、治療介入によるアウトカムを認知症や日常生活活動(ADL)に設定して行われたシステマティックレビューが基盤となっている。以下にその概略を紹介する。

質の高い食事は本当に死亡リスクを低下させる/NEJM

 12年にわたる食事の質の改善は、死亡リスクの低下と確実に関連している。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のMercedes Sotos-Prieto氏らが、看護師健康調査(Nurses' Health Study:NHS)および医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study:HPFS)を基に解析し、明らかにした。これまでの研究で、食事の質を改善することにより、全死亡あるいは心血管疾患による死亡のリスクが低下することは示唆されていたが、長期的な食事の質の変化と死亡リスクとの関連を評価した研究はほとんどなかった。NEJM誌2017年7月13日号掲載の報告。

ベンゾジアゼピン服用による死亡リスク増大の真相は/BMJ

 ベンゾジアゼピン系薬の服用について、服用開始6ヵ月の全死因死亡リスクは増大しないことが示された。米国・ハーバード・メディカル・スクールのElisabetta Patorno氏らが、ベンゾジアゼピン系薬服用者約125万例と、高次元傾向スコアでマッチさせた非服用者を対象に行った試験で明らかにしたもので、BMJ誌2017年7月6日号で発表した。これまでに、ベンゾジアゼピン系薬の服用は、短期間であっても、死亡リスクが3~4倍に増大するというエビデンスが発表されていたが、それを否定する結果となった。なお、サブグループ解析では、服用開始12ヵ月、48ヵ月の死亡リスクや、65歳未満の患者の死亡リスクなどについては、4~9%のわずかな増大が認められている。