神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:137

脳卒中後、認知機能は急速に低下/JAMA

 脳卒中は認知機能を急速に低下させることが米国・ミシガン大学のDeborah A. Levine氏らによる前向き研究の結果、明らかにされた。認知機能の低下は脳卒中サバイバーの主要な障害要因であるが、これまで脳卒中後の認知機能の変化がどれほどなのかは不明であった。検討では6年間の追跡において、脳卒中は認知機能を加速度的かつ持続的に低下していくことも明らかになったという。JAMA誌2015年7月7日号掲載の報告より。

多発性硬化症再発へのステロイド、経口が静注に非劣性/Lancet

 多発性硬化症の再発に対し、高用量メチルプレドニゾロンの経口投与は静注投与に対して非劣性であることが判明した。フランス・レンヌ大学病院のEmmanuelle Le Page氏らが、199例を対象に行った二重盲無作為化比較試験の結果、報告した。高用量メチルプレドニゾロンの静注投与は、多発性硬化症の再発治療として推奨されているが、経口投与に比べて利便性に乏しく高価なことが指摘されていた。検討の結果、安全性についても同等であった。Lancet誌オンライン版2015年6月26日号掲載の報告より。

レビー小体型認知症、認知機能と脳萎縮の関連:大阪市立大学

 レビー小体型認知症(DLB)患者における側頭葉内側萎縮(MTA)と認知機能障害との関係はいまだ明らかにされていない。大阪市立大学の田川 亮氏らは、これらの関係について、MRIを用いて検討した。その結果、MTAは記憶や言語に関する認知機能障害と関連している可能性を報告した。Geriatr Psychiatry Neurology誌オンライン版2015年6月11日号の掲載報告。  対象は、DLBと診断された37例で、1.5 Tesla MRIスキャナーにより検査した。すべてのMRIデータは、MRIスキャンで得られる画像上でMTAの程度を定量化できるvoxel-based specific regional analysis system for Alzheimer disease(VSRAD)の新型ソフトウエアを用いて分析した。関心体積(VOI)の標的は嗅内皮質、海馬、扁桃体の全領域とした。MTAの程度は標的VOI上の平均positive Zスコア(数値が高いほどMTAが重度)により評価した。認知機能障害の有無について、Mini-Mental State Examination(MMSE)および改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R:MMSEと比べ記憶と言語の評価に有効である)を用いて評価した。

ステント型血栓回収デバイス、急性虚血性脳卒中の1次治療に 米脳卒中治療ガイドライン

 2015年7月10日、日本メドトロニック発表。アメリカ心臓協会/アメリカ脳卒中協会(American Heart Association, AHA/American Stroke Association, ASA)から新しい脳卒中治療ガイドラインが発表された。本ガイドラインでは、適応患者に対し現行の標準治療であるIV-tPAに、Medtronic plc(本社:アイルランド ダブリン、会長兼最高経営責任者:オマーイシュラック)のステント型血栓回収デバイス(商品名:Solitaire)をはじめとするステント型血栓除去術の併用が治療の第1選択として推奨されている。

認知症予測にMRI検査は役立つか/BMJ

 認知症発症の予測について、従来リスクデータにMRI検査の情報を加えても、予測能は改善しないことが示された。英国・ニューカッスル大学のBlossom C M Stephan氏らが10年間にわたる住民ベースコホート研究の結果、報告した。ただし、再分類能、予後予測能について統計的に有意な改善が示され、また臨床的有用性のエビデンスがあることも示されたという。従来リスク変数は、人口統計、神経心理、健康、生活習慣、身体機能、遺伝をベースとしたものである。これまでMRI情報を加えたモデルと従来モデルとを、住民ベースレベルで比較した検討は行われていなかった。BMJ誌オンライン版2015年6月22日号掲載の報告。

認知症患者への睡眠薬投与、骨折に注意

 睡眠薬の使用は、高齢患者における転倒や骨折の潜在的な危険因子である。しかし、睡眠薬と骨折発生との関連についてデータがないことから、東京大学医学部附属病院老年病科の田宮 寛之氏らは、認知症の入院患者における睡眠薬と骨折の関連について、全国入院患者データベースを用いた症例対照研究で検討した。その結果、短時間型ベンゾジアゼピン系睡眠薬と超短時間型非ベンゾジアゼピン系睡眠薬により、認知症入院患者の骨折リスクが高まる可能性が示唆された。PLoS One誌2015年6月10日号に掲載。