神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:159

アルツハイマー病治療、学歴により疾患への対処に違いあり?

 イタリア・ジェノア大学のSilvia Morbelli氏らは、アルツハイマー病(AD)患者の前駆期(prodromal)における学歴別の脳代謝状態を検討した。その結果、高学歴の患者では神経の温存あるいは代償性の神経ネットワークの存在を背景に、より良好な疾患への対処が望める可能性を示唆した。Journal of Nuclear Medicine誌オンライン版2013年4月16日号の掲載報告。

糖尿病は軽度認知障害発症リスクを上昇させる

 高齢者において、糖尿病が軽度認知障害(MCI)発症リスクを上昇させることが米国メイヨークリニックのRosebud O. Roberts氏らの研究によって明らかになった。また、本研究により対象者の性別やMCIサブタイプ、障害領域の数によってその相関の強さが異なることも示された。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2013年4月3日付の報告。  

片頭痛をもつ子ども、乳児疝痛歴の頻度が高い/JAMA

 片頭痛をもつ6~18歳の小児、青少年は、片頭痛のない子どもに比べ乳児疝痛歴を有する割合が有意に高いことが、フランス・ロベール・ドゥブレ病院のSilvia Romanello氏らの検討で明らかとなった。出生後1ヵ月以内の乳児における手のつけられない号泣の原因の多くは疝痛で、一般に疼痛症候群とみなされている。一方、子どもの頭痛の主な原因に片頭痛があるが、乳児疝痛とその後の片頭痛発症の関連は知られていないという。JAMA誌2013年4月17日号掲載の報告。

熱誘起の身体的疼痛、fMRIで客観的評価が可能な指標を開発/NEJM

 侵害性熱刺激により誘発された身体的疼痛が、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により客観的に評価できることが明らかにされた。米国・コロラド大学のTor D. Wager氏らが、114例を対象に4試験を行い評価指標を開発・検証した結果で、NEJM誌2013年4月11日号で発表した。疼痛の評価は自己申告に基づき行われるのが一般的だが、それのみに頼ることは治療の妨げとなる場合があり、客観的な評価の指標が求められていた。fMRIは身体的疼痛の客観的指標として有望視されているが、感度および特異度を有する指標はこれまで特定されていなかったという。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(87)〕 クリプトコッカス髄膜炎に対する抗真菌薬の併用療法は単独療法より有効か?

 クリプトコッカス髄膜炎は、進行したHIV感染症患者でよくみられる日和見感染症である。HIV感染症に合併したクリプトコッカス髄膜炎の治療は、導入療法、地固め療法、維持(あるいは抑制)療法の3段階に分けられる。米国感染症学会のガイドラインでは、導入療法としてアムホテリシンBとフルシトシンの併用療法を第一選択と位置付けている。この治療法は、アムホテリシンB単独投与と比べ、髄液の無菌化に要する時間を短縮させることがわかっていたものの、死亡率を低減させるかどうかについては明らかになっていなかった。

アルツハイマー病とレビー小体型認知症、共通のバイオマーカー

 札幌医科大学医療人育成センター教授の相馬 仁氏らは、アルツハイマー病に関連するとされるアネキシンA5およびApoE4が、アルツハイマー病に特異的なものかどうかを、レビー小体型認知症および健常者との比較により検討した。その結果、アネキシンA5とApoE4は、アルツハイマー病とレビー小体型認知症に共通するバイオマーカーであることを報告した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2013年5月号(オンライン版2013年4月5日号)の掲載報告。

再発寛解型多発性硬化症へのダクリズマブHYP投与、年間再発率を半減/Lancet

 再発寛解型多発性硬化症に対し、抗インターロイキン2受容体抗体ダクリズマブ(国内未承認)の4週毎の1年間にわたる単独治療により、年率換算再発率が約50%低減したことが報告された。ドイツ・ルール大学ボーフムのRalf Gold氏らが、600例超を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験「SELECT」の結果で、Lancet誌オンライン版2013年4月4日号で発表した。先行研究で、インターフェロンβ治療抵抗性を示す再発型多発性硬化症に対し、ダクリズマブを併用することで疾患活動度が低下し忍容性も良好であることが示されており、本検討ではダクリズマブの単独長期療法の有効性について検討した。

クリプトコッカス髄膜炎に対する抗真菌薬併用療法の有効性を確認/NEJM

 クリプトコッカス髄膜炎に対し、治療ガイドラインではアムホテリシンBデオキシコール酸(商品名:ファンギゾンほか)とフルシトシン(同:アンコチル)による抗真菌薬併用療法が推奨されている。しかしアムホテリシンB単独療法と比べて同療法による死亡率の低下は示されなかった。その後の検討で、高用量アムホテリシンBおよび高用量フルコナゾールの各単独療法の有効性は示され、ベトナム・オックスフォード大学臨床研究ユニットのJeremy N. Day氏らは、未検討であった高用量アムホテリシンB+フルシトシンあるいは高用量フルコナゾール(商品名:ジフルカンほか)との併用療法の有効性について無作為化オープンラベル試験を行った。その結果、高用量アムホテリシンB+フルシトシンの併用療法による生存改善は認められたが、高用量アムホテリシンB+高用量フルコナゾールについては有効性が認められなかったことを報告した。NEJM誌2013年4月4日号掲載の報告より。

てんかんと寄生虫感染との関連説を確認

 システマティックレビューとメタ解析の結果、線虫オンコセルカ(回旋糸状虫)の寄生虫感染によるオンコセルカ症と、てんかんとの関連説を支持する知見が得られたことを、ウガンダ・Basic Health Services Kabarole & Bundibugyo DistrictsのChristoph Kaiser氏らが発表した。未治療者における小結節の触診とミクロフィラリア数で定義する感染の強度が、てんかんの病因に関与していることが確認されたという。PLoS neglected tropical diseases誌3月号(オンライン版3月28日号)の掲載報告。