神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:171

新型インフルエンザワクチン接種によるギラン・バレー症候群発症リスクは?

新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種によるギラン・バレー症候群発症リスクは、小さいながら有意にあることが報告された。カナダ・Laval大学のPhilippe De Wals氏らが、ケベック州で地域住民対象のコホート試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月11日号で発表した。ケベック州では2009年秋に新型インフルエンザのパンデミックを受けてワクチン接種キャンペーンを展開した。その際多くの人がAS03アジュバントワクチン(Arepanrix)の接種を受け、年度末までに住民780万人のうち57%が同ワクチン接種を受けたという。

なぜ、うつ病患者はアルツハイマー病リスクが高いのか?

アルツハイマー病(AD)にはアミロイドβ(Aβ)に対する自己抗体レベルの減少が関与していると考えられている。また、生涯にわたるうつ病の罹患はADリスクを2倍に上昇させるともいわれていることから、うつ病患者においてAβに対する自己抗体の減少がみられている可能性がある。Maetzler W氏らはうつ病患者におけるADリスクと自己抗体の関係についての検証を試みた。J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月5日の報告。

硫酸マグネシウム、動脈瘤性クモ膜下出血の予後を改善せず:MASH-2試験

 動脈瘤性クモ膜下出血に対する硫酸マグネシウムの静脈内投与は臨床予後を改善しないことが、オランダ・ユトレヒト大学医療センターのSanne M Dorhout Mees氏らが実施したMASH-2試験で示された。動脈瘤性クモ膜下出血は予後不良であり、1ヵ月後の死亡率は27~44%、過去10年で死亡率は低下傾向にあるものの生存者の20%は介助なしでは生活ができない。動脈瘤性クモ膜下出血では、発症後4~10日にみられる遅発性脳虚血が不良な予後の重要な原因であり、神経保護薬である硫酸マグネシウムは遅発性脳虚血を抑制したり、その予後を改善することで、クモ膜下出血そのものの予後を改善する可能性があるという。Lancet誌2012年7月7日号(オンライン版2012年5月25日号)掲載の報告。

認知症予防のポイント!MCIへのアプローチ

認知症は軽度認知障害(MCI)から始まり、徐々に認知機能が低下していくため、認知症を予防するためのひとつの方法として、MCIの段階でいかに対処していくかが重要であると考えられる。Summers氏らはMCI症例に対する神経心理学的アプローチに関する検討を行った。Neuropsychology誌2012年7月号(オンライン版2012年5月21日号)の報告。

ワルファリン服用の急性虚血性脳卒中へのt-PA、症候性頭蓋内出血リスク増大みられず

組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)静注療法を行った急性虚血性脳卒中患者の症候性頭蓋内出血リスクについて、ワルファリン服用中の患者のリスクは非服用患者と比べて増大しないことが示された。その他のt-PA合併症や院内死亡率についても、ワルファリン服用による増加は認められなかった。米国・デューク臨床研究所のYing Xian氏らが、約2万4,000人の急性虚血性脳卒中患者について行った観察試験の結果で、JAMA誌2012年6月27日号で発表した。