脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:129

中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症、新世代TAVRの有用性/Lancet

 手術による死亡リスクが中等度の重症大動脈弁狭窄症患者において、SAPIEN 3生体弁を用いた経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、1年時の死亡率が低く、外科的大動脈弁置換術(SAVR)に比べ予後が良好であることが、米国・エモリー大学のVinod H Thourani氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年4月3日号に掲載された。新世代の生体弁であるSAPIEN 3を用いたTAVRは、中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症における30日時の短期的な臨床転帰の改善が報告されているが、長期的な転帰は不明であった。

中等度リスク大動脈弁狭窄症、TAVR vs.SAVR/NEJM

 中等度リスクの大動脈弁狭窄症患者において、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の外科的大動脈弁置換術(SAVR)に対する非劣性が証明された。米国・コロンビア大学メディカルセンターのMartin B. Leon氏らが、第2世代デバイス(SAPIEN XT)の大規模臨床試験PARTNER 2試験の結果、2年時の全死因死亡および障害を伴う脳卒中の頻度はTAVRとSAVRとで同等であることを報告した。これまでの研究では、高リスク大動脈弁狭窄症患者において、TAVRとSAVRで生存率は同等であることが示されていた。NEJM誌オンライン版2016年4月2日号掲載の報告。

SSRIはむしろ心血管リスクを低下させる?/BMJ

 プライマリケア受診のうつ病患者約24万例のデータを用いたコホート研究で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、心血管リスクの増加と関連しないことが示された。英国・ノッティンガム大学のCarol Coupland氏らによる検討で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表された。先行研究で指摘されていたシタロプラムの不整脈リスク増加のエビデンスも認められなかった。分析の結果、むしろSSRIに心筋梗塞リスクを低下する効能がある可能性が示され、とくにfluoxetineで有意な低下がみられたという。リスク増加が示されたのは、三環系抗うつ薬のロフェプラミンであったと報告している。

農水・厚労省の食事バランスガイドで死亡リスク低下/BMJ

 日本人対象の大規模前向きコホート研究の結果、食事のバランスが良い人ほど、全死因死亡リスクや心血管・脳血管疾患死リスクが低いことが明らかにされた。国立国際医療研究センターの黒谷佳代氏らが、約8万人を中央値15年追跡した結果で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表した。これまでに欧米人を対象に、より良い食事摂取が死亡リスクや主要慢性疾患リスクを低下することを示した試験結果はあるものの、アジア人を対象にした前向き試験は珍しいという。

IRIS試験:脳梗塞とピオグリタゾン-インスリン抵抗性改善薬が経た長い道のり-(解説:住谷 哲 氏)-500

本論文のタイトルを見た時には、2型糖尿病患者における脳梗塞(以下では虚血性脳卒中および一過性脳虚血発作を脳梗塞とする)の再発予防にピオグリタゾンが有効なのかと思ったが、正しくは「インスリン抵抗性および脳梗塞の既往を有する非糖尿病患者に対して、ピオグリタゾンの投与は脳梗塞または心筋梗塞の発症リスクを有意に抑制した」との内容である。

CREST試験:頸動脈狭窄症における頸動脈剥離術と頸動脈ステントの両治療群における長期追跡(解説:山本 康正 氏)-497

症候性および無症候性頸動脈狭窄症例2,502例を、頸動脈ステントと頸動脈剥離術との2種類の治療に振り分け、4年間追跡したCREST(Carotid Revascularization Endarterectomy versus Stenting Trial)試験では、脳卒中、心筋梗塞、周術期の死亡、そして、病側の脳卒中発症を含めた1次複合エンドポイントについて差は認められなかった。そこで今回は、さらに10年に及ぶ追跡の結果を調べた。

離婚と脳卒中リスク~日本人5万人のデータ

 婚姻状態の変化と心血管疾患リスクの関連についての知見は一貫しているが、脳卒中リスク、とくに脳卒中のサブタイプ別にみた研究はほとんどない。大阪大学の本庄かおり氏らが婚姻状態の変化(離婚)と脳卒中リスクとの関連について検討した結果、これらには正の相関が認められ、その相関は生活環境や雇用状況により変化することが示された。Stroke誌オンライン版2016年3月1日号に掲載。

脳梗塞急性期には血栓除去術が有益/Lancet

 患者特性などを問わず大半の脳前方循環近位部閉塞による急性虚血性脳卒中患者にベネフィットをもたらす脳血管内治療は、血栓除去術であることが明らかにされた。カナダ・カルガリー大学のMayank Goyal氏らHERMES共同研究グループが、5つの無作為化試験に参加した全被験者データをメタ解析した結果で、Lancet誌オンライン版2016年2月18日号で発表した。著者は、「この結果は、脳主幹動脈梗塞による急性虚血性脳卒中患者へのタイムリーな治療を提供するケアシステム構築において大きな意味を持つだろう」と述べている。