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2024/07/10
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脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:128

青年期の運動能力・筋力が高い人は血管疾患リスクが低い/BMJ

 青年期に運動能力や筋力が高い人は、いずれも低い人と比べて、血管疾患や不整脈に関する長期リスクが低いことが示された。ただし運動能力と不整脈リスクについての関連はU字型の相関がみられ、運動能力が高く血管疾患リスクが低くてもその健康ベネフィットが、不整脈リスクを上回ることはなかったという。スウェーデン・ウプサラ大学のKasper Andersen氏らが、同国1,100万人の青年について行ったコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年9月16日号掲載の報告。

脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet

 脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず、同治療は推奨できないとする見解を、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。

血圧管理は脳出血の再発を抑制するか/JAMA

 脳出血(ICH)発症後の生存例では、適切な血圧管理により再発リスクが改善することが、米国・マサチューセッツ総合病院のAlessandro Biffi氏らの検討で明らかとなった。ICHは、主に細動脈硬化と脳アミロイド血管障害(CAA)によるものに分けられ、細動脈硬化関連ICHのほとんどが脳の深部構造で発症するのに対し、CAA関連ICHは皮質~皮質下領域(脳葉)にほぼ限定される。ICH生存例は再発リスクが高く、一般に再発ICHは初発ICHよりも重症であるため、2次予防戦略の改善が重要とされる。一方、非脳葉型ICHの再発の予防では血圧管理が重要とされるが至適な降圧に関するデータはほとんどなく、脳葉型ICHにおける降圧の役割はほとんど知られていないという。JAMA誌2015年9月1日号掲載の報告。

狭心症「安定期」でのトロポニンの役割(解説:香坂 俊 氏)-411

トロポニンは急性心筋梗塞(AMI)の考え方を根底から変えた。AMIの診断にあたって、以前は「症状」と「心電図」と「バイオマーカー」がきっちりと三権分立しており“三つのうち二つが当てはまればAMIと診断する”とされていた(WHO基準)。ただ、トロポニンが出てきてからは、その高い感度と特異度のため「陽性ならAMI、陰性なら違う」という、誠に味気のない基準に変わってしまった(別に悪いことではないのだが)。

CHA2DS2-VAScスコア、心不全患者にも有用/JAMA

 心房細動(AF)患者の脳卒中リスク層別化に有用なCHA2DS2-VAScスコアが、AFの有無を問わない心不全(HF)患者にも有用であることが明らかにされた。デンマーク・オールボー大学のLine Melgaard氏らによる検討の結果、同患者でスコアと虚血性脳卒中、血栓塞栓症、死亡のリスクとの関連がみられたという。また、非AF患者のほうがAFを有する患者と比べて、同スコアが高いほど血栓塞栓症の合併絶対リスクが高いことも認められた。一方で、予測精度は中程度であり、HF患者におけるスコアの臨床的な有用性は確定的なものではないと著者は述べている。JAMA誌2015年8月30日号掲載の報告より。

働き過ぎは、脳卒中のリスク!(解説:桑島 巌 氏)-408

長時間労働と心血管疾患発生との関連を調べたメタ解析研究は数多い。しかし、メタ解析にはネガティブな結果は出版されないために、結果にバイアスがかかるという大きな短所がある。また、疾病の存在そのものが労働時間に影響する逆因果関係や、そして追跡研究では避けられない交絡因子を除くことも難しいなどの欠点も有している。とくに、職場でのポストは交絡因子として結果に影響する可能性は少なくない。

長時間労働は、冠動脈心疾患よりも脳卒中のリスクを高める/Lancet

 長時間労働を行う労働者は、標準時間労働の場合よりも脳卒中のリスクが高く、冠動脈心疾患のリスクは脳卒中に比べると低いことが、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのMika Kivimaki氏らIPD-Work Consortiumの検討で示された。長時間労働は心血管疾患や冠動脈心疾患のリスクを増大させることが、日本の調査を含むいくつかの研究で示され、標準時間労働と比較した相対リスク(RR)は約1.4倍に上昇することが知られている。一方、これらの研究の問題点として以下の点が挙げられるという。(1)出版バイアス(結果が肯定的な研究は、否定的な研究に比べ公表される可能性が高い)、(2)逆因果関係(進行性の器質的心血管疾患があるために、イベント発生前の期間の労働時間が短くなった)、(3)交絡関係(長時間労働は社会経済的地位が高い職種で多いが、心血管疾患は地位が低い職種のほうが高頻度)、(4)重要な心血管エンドポイントである脳卒中のリスクを検討した試験がほとんどない。Lancet誌オンライン版2015年8月19日号掲載の報告より。

トランス脂肪酸だけが健康に悪いのか/BMJ

 飽和脂肪酸の摂取と、全死因死亡、心血管疾患(CVD)、冠動脈疾患(CHD)、虚血性脳卒中、2型糖尿病との関連は認められなかったが、そのエビデンスは限定的であることが示された。一方、トランス脂肪酸の摂取は、全死因死亡、総CHD発生、CHD死と関連していたが、それは工業型トランス脂肪酸の摂取が反すう動物由来トランス脂肪酸の摂取よりも多いためであることが示唆された。カナダ・マックマスター大学のRussell J de Souza氏らが、観察試験のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年8月11日号掲載の報告より。

トロポニンT値、2型糖尿病患者の心血管リスク予測に有用/NEJM

 心筋トロポニンT値は、2型糖尿病と安定虚血性心疾患の合併患者において、心血管系が原因の死亡、心筋梗塞、脳卒中の独立した予測因子であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のBrendan M. Everett氏らによる検討の結果、明らかにされた。また、迅速血行再建術でメリットが得られる患者はトロポニンT値14ng/L未満であることも示された。心筋トロポニン値は、急性冠症候群患者において、緊急血行再建が有効の可能性がある患者を同定するために用いられている。研究グループは、安定虚血性心疾患患者においても、心筋トロポニン値を用いて心血管イベントリスクの高い患者を同定し、迅速な冠血行再建によるベネフィットを得られることが可能であるとの仮説を立て、その検証試験を行った。NEJM誌2015年8月13日号掲載の報告より。