スイス・ロシュ社は17日(現地時間)、米国リウマチ学会(ACR)で発表されたLITHE試験の2年間のデータから、ACTEMRA(tocilizumab、欧州販売名:RoACTEMRA)とmethotrexate(MTX)の長期併用投与を受けた関節リウマチ(RA)の患者では、現在の標準療法であるMTX 単独投与と比較して、関節破壊を81%抑制したことが明らかになったと発表した。中外製薬株式会社が19日に報告した。
これは(現在の標準療法に比べて同剤が)関節破壊を明らかに低減することを意味し、また、患者がRAで一般的に認められる障害の進行から解放され、長期間にわたり日常生活を謳歌できることを意味するという。
さらに、この学会で発表された2本の長期継続試験注の結果からも、ACTEMRAの投与を受けた患者で寛解(DAS28<2.6)に達した割合が、24週時の27%から180週時(3.4年)の62%と、3年間で確実に増加したことが明らかになったとのこと。
ACTEMRAのこの寛解率は、以下に示す様々な状態のRA患者において関節の腫脹および圧痛が顕著に改善したことによるものだという。
生物学的製剤による治療歴のない患者のうちその約半数の患者はACTEMRA投与96週(1.8年)後、腫脹関節数が1箇所以下に減少。
●1種類以上のTNF阻害剤で効果不十分であった患者のうちその34%の患者では、ACTEMRAの投与後、腫脹関節数が1箇所以下に減少。
●MTXによる治療歴がなく、ACTEMRAの単独投与を受けた患者では、投与96週後、55%の患者で腫脹関節数が1箇所以下、35%の患者で圧痛関節数が1箇所以下に減少。