早漏症にSSRI、NO濃度との関連を確認 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/01/31 トルコ・Sisli Etfal研究教育病院のS. L. Kirecci氏らは、精漿中の一酸化窒素(NO)レベルと、早漏症に対するSSRIの有効性との関連について検討を行った。その結果、早漏症は精漿中NO濃度高値と関連しており、SSRI投与により精漿中NO濃度が減少し、さらに膣内挿入から射精までの時間が延長することを報告し、SSRIが早漏症に有効な可能性を示唆した。Andrologia誌オンライン版2013年12月20日号の掲載報告。 本研究の目的は、精漿中のNOレベルと、早漏症に対するSSRIの有効性との関連を明らかにすることであった。原発性早漏症(膣内挿入から射精までの時間[IELT]<1分)の男性16例(32.18±3.32歳)および健常男性11例(コントロール群)が登録された。健常男性はグループ1に、早漏症患者はグループ2と3の2群に無作為に割り付けられた。グループ2にはパロキセチン20mg/日、グループ3にはセルトラリン50mg/日がそれぞれ4週間投与された。ベースライン時および治療後の所見を3群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・早漏症患者におけるベースライン時の平均精漿中NO濃度は、健常男性と比較して有意に高かった(32.24±5.61μmL-1対19.71±3.50μmL-1)(p<0.001)。 ・IIEFスコア、IELTスコアとNO濃度との関連において、パロキセチンおよびセルトラリン群の間で有意な差は認められなかった。 ・最初の1ヵ月の最終日において、パロキセチンおよびセルトラリン群における平均IELTスコアは、ベースライン値と比較して有意に改善していた(p<0.001)。 ・パロキセチンおよびセルトラリンによる治療後、NO濃度はベースラインと比較し減少していた。 ・以上より、早漏症は精漿中NO濃度高値と有意に関連していることが示唆された。SSRI投与後の精漿中NO濃度の減少は、射精を遅らせる可能性がある。これらの結果を確認するため、また病態生理におけるNOの役割、早漏症治療について明らかにするためにさらなる研究が必要である。 関連医療ニュース 早漏治療にはSSRI、トラマドールが有効?! 閉経期ホットフラッシュにSSRIが有効 片頭痛の予防に抗てんかん薬、どの程度有用か (ケアネット) 原著論文はこちら Kirecci SL et al. Andrologia. 2013 Dec 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)