家庭内労働やレクリエーション的身体活動と腰痛は、関連性があるのか。オーストラリア・シドニー大学のMarkus Hubscher氏らは、双生児を対象とした調査を行い、家庭内重労働が腰痛発症リスクの増加と関連しており、家庭内重労働とレクリエーション的身体活動の組み合わせは、どちらか一方のみより腰痛発症リスクが高いことを明らかにした。一卵性双生児の症例対照分析時に関連性がより強く、身体活動と腰痛との関係に遺伝的要因および環境要因が影響を与えることが示唆されるという。European Spine Journal誌オンライン版2014年3月12日号の掲載報告。
研究グループは、オーストラリア双子登録を通じて募集した双生児486組を対象に、腰痛有病率ならびに家庭内重労働(活発なガーデニング、重い庭仕事)とレクリエーション的身体活動(ウォーキング)について、質問票を用い調査した。
腰痛と身体活動との関連性について、全486組を対象に横断分析を行うとともに、表現型の異なる一卵性双生児69組(一方が腰痛を有し、もう一方は腰痛を有していない一卵性双生児)を対象に症例対照分析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・症例対照分析において、腰痛は家庭内重労働と有意に関連したが(オッズ比[OR]: 2.88、95%信頼区間[CI]:1.29~6.43)、いかなるタイプのレクリエーション的身体活動とも有意な関連は認められなかった。
・家庭内重労働とレクリエーション的身体活動の両方を行った場合、レクリエーション的身体活動のみと比較し腰痛発症リスクが有意に増加した(OR:3.48~4.22)。
・全体の横断分析でも、同様の弱い関連性が認められた。
(ケアネット)