疼痛解消に、NSAIDsと胃粘膜保護薬の配合剤登場が待たれる?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/05/02

 

 胃粘膜保護薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)およびアスピリンの長期投与による合併症および死亡率を減少させることが知られているが、英国・オックスフォード大学のRobert Andrew Moore氏らによるレビューの結果、筋骨格系疾患では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の効果が不十分な患者がいることや、胃粘膜保護薬が必ずしも併用されていないことが示唆された。著者は、NSAIDsと胃粘膜保護薬の配合剤が1つの解決策となる、とまとめている。Pain Practice誌2014年4月号(オンライン版2013年8月13日号)の掲載報告。

 研究グループの目的は、NSAIDsおよびNSAIDs起因性消化管傷害に対する保護薬のベネフィットとリスクを評価することであった。

 PubMed(2012年12月までの発表論文)およびGoogle Scholarを用い、NSAIDsの有効性、疼痛軽減のベネフィット、胃粘膜保護の治療戦略、胃粘膜保護薬のアドヒアランス、NSAIDsならびに胃粘膜保護薬の重篤な有害事象に関する論文を検索し、関連論文や引用論文も含めて解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・患者が必要としていることは、疼痛強度を半分に軽減することと、疲労・苦痛・QOLの改善であった。
・筋骨格系疾患に対するNSAIDsの鎮痛効果は、二峰性の分布を示した。
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)と高用量ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)の胃粘膜保護効果は類似しており、高用量H2RAよりPPIのほうが有効であるという決定的なエビデンスはなかった。
・2005年以降に発表された研究において、NSAIDsと胃粘膜保護薬の併用に関する指針に対するアドヒアランスは、処方者が49%、患者はほぼ100%であった。
・長期間にわたる高用量PPIの使用は、骨折などの重篤な有害事象のリスクの増加と関連していた。

(ケアネット)