国際医療福祉大学病院 皮膚科 教授の大塚 勤氏は、臨床における成人アトピー性皮膚炎(AD)患者への、経口シクロスポリン治療と抗ヒスタミン薬治療の評価を行った。結果、両者を組み合わせた治療がより有効であることを報告した。International Journal of Dermatology誌オンライン版2014年10月14日号の掲載報告。
臨床においては多くの成人AD患者が、経口シクロスポリンまたは抗ヒスタミン薬の治療を受けている。大塚氏は、両治療の臨床および検査所見による効果の評価を行った。
25例の経口シクロスポリン治療を受けたAD患者(うち男性11例、16~42歳、平均26.2歳)と、23例の抗ヒスタミン薬治療を受けたAD患者(うち男性10例、15~32歳、平均年齢24.2歳)が対象であった。
検査所見は、高感度CRP、TARCなどで統計的に検討した。
主な結果は以下のとおり。
・血清TARCは、経口シクロスポリン治療後(1,013±883pg/mL)が、治療前(3万8,194±4,678pg/mL)と比べて有意な減少を示した(p<0.02)。
・末梢血好塩基球値は、同治療後(49.7±26.4×10-3個/μL)が、治療前(41.1±16.7×10-3個/μL)と比べてより有意な増加を示した(p<0.05)。
・血清高感度CRP値は、抗ヒスタミン薬治療後(0.09±0.08mg/mL)が、治療前(0.13±0.12mg/mL)と比べて有意な減少を示した(p<0.05)。
・末梢血好塩基球値は、同治療後(33.4 ±16.2×10-3個/μL)が、治療前(41.5±23.3×10-3個/μL)より有意に減少した(p<0.01)。
(ケアネット)