薬物使用と精神疾患発症との関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/02/23 いくつかの研究において、思春期のマリファナ使用が、統合失調症の早期発症を予測することを示唆されており、これは重要な予後指標となる。しかし、多くの調査において、薬物使用と疾患発症の明確な時間関係を正確に立証できていなかった。米国・エリモー大学のMary E Kelley氏らは、この関連を明らかにするため、検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年1月16日号の報告。 6つの精神科ユニットより、初回エピソード精神疾患患者247例を登録し、そのうち210例の患者から、生涯のマリファナ、アルコール、タバコの使用および前駆症状と発症年齢に関する情報を収集した。発症前使用のさまざまな因子が精神疾患発症に及ぼす影響について、ハザード比(HR)を定量化するため、Cox回帰(生存)分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・発症前5年間のマリファナ使用の増加(たとえば、非使用~毎日使用)は、発症リスク上昇の高い予測因子であった(HR 3.6、p<0.0005)。 ・時間特性測定の分析によると、アルコール、タバコの同時使用で調整後、毎日のマリファナ使用は発症率を約2倍にした(HR 2.2、p<0.0005)。 ・これまでの研究を踏まえ、マリファナの累積使用は、性別や家族歴とは関係なく、精神疾患発症率の増加と関連していることが示された。これはおそらく、マリファナ開始時の年齢が本コホートにおける発症率と関連しているためだと思われる。 関連医療ニュース アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬 統合失調症のカフェイン依存、喫煙との関連に注意 青年期からの適切な対策で精神疾患の発症予防は可能か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kelley ME, et al. Schizophr Res. 2016 Jan 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者の過度なカフェイン摂取、どう対処すべき 医療一般(2014/05/15) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)