統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/01/23 ベンゾジアゼピン(BZP)の高用量投与は、統合失調症患者の認知機能およびQOLに悪影響を及ぼすことが報告されている。しかし、統合失調症の臨床経過におけるBZPの効果は明らかになっていない。東京医科大学の瀧田 千歌氏らは、BZPと統合失調症患者の再入院との関連についてレトロスペクティブ研究を行った。Neuropsychiatric disease and treatment誌2016年12月15日号の報告。 対象は、2009年1月~2012年2月に東京医科大学病院から退院した統合失調症患者のうち、退院後2年以上治療を継続した108例。臨床的特徴、BZPおよび抗精神病薬などの処方量、退院時の機能の全体的評価(Global Assessment of Functioning:GAF)スコアを調査した。主要アウトカムは、何らかの理由による中止とした。 主な結果は以下のとおり。 ・2年間の研究期間中に44例(40.7%)が再入院した。 ・Cox比例ハザードモデルによる多変量解析では、教育歴の低さ(HR:2.43、p=0.032)、統合失調症発症年齢の低さ(HR:2.10、p=0.021)、ジアゼパム換算投与量の高さ(HR:6.53、p=0.011)が、退院後の再入院期間と有意に関連していた。 著者らは「統合失調症患者に対する退院時のBZP高用量投与は、再入院までの期間を短縮する可能性がある」としている。 関連医療ニュース 不適切なベンゾジアゼピン処方、どうやって検出する 統合失調症の再入院、剤形の違いで差はあるのか 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takita Y, et al. Neuropsychiatr Dis Treat. 2016;12:3243-3247. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)