抗うつ薬使用患者で注意すべきOAB、薬剤間で違いも 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/04/21 これまで、抗うつ薬を使用した女性患者における過活動膀胱(OAB)について調査されていた。OABに対する抗うつ薬の影響および男女の泌尿器系生理学(解剖学、ホルモン)の相違に関して、文献の矛盾するデータに基づき、トルコ・トラキア大学のVolkan Solmaz氏らは、抗うつ薬を使用した男性患者におけるOABを調査した。International neurourology journal誌2017年3月24日号の報告。 対象は、異なる疾患に対し抗うつ薬を使用している男性患者112例(抗うつ薬群)および健常対象男性90例(対照群)。全202例に対し、overactive bladder-validated 8(OAB-V8)アンケート、International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form(ICIQ-SF)、ベック抑うつ評価尺度(BDI)を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・抗うつ薬群は、対照群と比較し、OAB-V8、ICIQ-SF、BDIスコアが有意に高かった。 ・OAB罹患率は、ベンラファキシン使用患者で最も高く(68.2%)、セルトラリン使用患者で最も低かった(28.0%)。 ・OABの頻度は、抗うつ薬群間で統計学的に有意であった。 ・単変量ロジスティック回帰分析では、OABの存在、抗うつ薬の使用、BDIスコア、患者の年齢の間に、有意な関連が認められた。 ・多変量ロジスティック回帰分析では、OABの存在と抗うつ薬の使用との間に、統計学的に有意な関連が認められた。 著者らは「さまざまな疾患に対し抗うつ薬を使用している男性では、OAB発症、OAB症状の重篤度の増加が認められた。これは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の分子レベルまたは個体レベルでの、ユニークな薬理学的作用に起因している可能性がある」としている。 関連医療ニュース 抗うつ薬の有害事象、学術論文を鵜呑みにしてよいのか 抗うつ薬治療は乳がんリスクに影響しているのか うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Solmaz V, et al. Int Neurourol J. 2017;21:62-67. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多剤耐性結核の家庭内曝露小児、予防的レボフロキサシン投与は有効か/NEJM(2025/01/15) qSOFAによる敗血症アラートで院内死亡率が低下/JAMA(2025/01/15) 日本初、認知症診療支援のための神経心理検査用プログラム発売(2025/01/15) コーヒーを飲むなら朝が良い?/Eur Heart J(2025/01/15) 自閉スペクトラム症と歯ぎしりとの関連〜エコチル調査(2025/01/15) 2025年に医師会が掲げる4つの課題/日医(2025/01/15) 高腫瘍量濾胞性リンパ腫1次治療に対するモスネツズマブ皮下注の評価(MITHIC-FL1)/ASH2024(2025/01/15) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)